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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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まさかの三弾です。(汗)

ギャグばかりの捧げものを後悔してたら、甘甘な二人が脳内に現れた。

そんな自分に後悔しない私でありたいです。

―――捧げられるIさんが後悔されたら反省する気は一杯あります。^^;

 いつくさんちへの捧げもの③

「おやおや、早くも夫婦喧嘩ですか? 仲がよろしいことで」

                           2010.03、30.

 

 

 

「大好きだよ、健二さん」

 

 佳主馬くんはそう言って、あれよあれよというままに結婚式を済ませた。

「――――ああ、うん。そうなると思ってたわ」

 健二の周囲の人たちが、みんなそろってそう言ってたことだけが印象的な結婚式だった。

 

 

 

「――疲れた?」

 披露宴を済ませた後、新婚旅行にイギリスへ行くことにした健二と佳主馬だったが、さすがに今日だけは疲れている。

 都内のホテルで一泊した後、明日は飛行機に乗って出かける。

 といっても、なにしろ旦那様はまだ高校生なので、短期旅行なのだけども。

「――――なんだか、まだ実感できないよ」

 正直な健二の思いが漏れた。

くったりとようやく結婚式という一大イベントの緊張感から解放された身としては、早く休みたいばかりなわけです。

「そう?」

 ふらふらと寝台に倒れ込んだ健二の身体を、同じく疲れた筈の佳主馬くんがそっと撫でてくれていた。

「―――後悔してるわけじゃないよね?」

「…佳主馬くん?」

 むくりと起き上った健二は、こちらに背を向けて座っている佳主馬を見た。

「もちろん、そんなことを言われてもやっぱりボクはこうすることしかできなかっただろうけど。――でも、もしかしたら今なら逃がしてあげられるかもしれない。……健二さんはどうしたい?」

いつも強気なはずの佳主馬が、弱弱しく健二に語ってくる。

震える言葉の端をつなぎとめたい。

そんな思いが、健二の中に湧き上がる。

そして、もう一つの思いも。 

「佳主馬くん? ちょっとこっち向いて?」

「――え?」

 健二の言葉に素直に振り向いた佳主馬に、健二の右手がきらめいた。

 びったーんん。

「な…なに? 健二さん??」

 右頬をぶたれた佳主馬があせってこちらを振り向いた。

「馬鹿にしないでくれる?」

 ぶった右手がじわじわと痛む健二だったが、それよりも苛立ちの方が大きい。

「なにそれ、どういう意味? 逃がしてあげれるかも? なにそれ、どういうこと?」

 悔しくて涙が出る。

「け、健二さ…」

「僕が好きなんじゃなかったの? だから結婚しようっていったんでしょ?」

 だから、夫婦になったんじゃないの?

 少なくとも、新婚初夜にいうことじゃないよね?

「――」

 ごめんなさい。

 そう言いたくても、口を挟む間がない。

「あのね、こちらとしては何を今さら言ってくれてるの?って心境でしかないんですけども?」

 おかげさまで佳主馬くんに蹴散らされ続けた彼氏候補たちとはもう会ってないし、こちらは既に24歳。いいかげんに結婚しろとか言われ続けて見合いの話も持ち込まれる年齢なわけですよ。

「なのに、今さらなに? ――――大好きだっていったくせにいまさら逃げようとするんじゃないよ!!」

健二さんが、止まりません。

「―――」

 泣きそうな表情で、訴えてくる健二さんが愛しい。

「ごめん、なさい。――ごめんね、健二さん」

 僕が悪かった。

「―――バカズマ!」

「ごめんなさい」

 ぎゅっと健二さんの身体を抱きしめたら、ポカポカと軽く身体を叩かれた。

「そう思うくらいなら、結婚しようなんていうんじゃない! ……本当に嫌いな相手だったら結婚なんてしないに決まってるじゃないか!!」

 女の人の抵抗といえども、連続されると痛いというよりも邪魔である。

 顎やら鼻やら。―――人体の急所にかすめるその腕をよけながら、妻になった人を抱き寄せた。

「うううううう」

「―――健二さん」

 とうとう、悔し涙を零し始めた健二さんが愛おしくてたまらない。

 そして、さっきの発言をした過去の自分を殴り殺したくてたまらない。

「―――やっぱり、佳主馬はバカだよ。――大馬鹿だ!!」

「ごめんなさい」

「――――でも、好きなんだもん」

「―――俺も大好きだよ、健二さん。 愛してるよ、奥さん」

「……馬鹿だよ、旦那さま」

 僕だって、愛してるに決まってるじゃないか。

 ぎゅっと、健二が佳主馬の服の襟を掴んだ。

 抱き寄せあって、ごめんねと言い合って、もう一度繰り返すのは誓いのキス。

 ここは、もう神様の前じゃないけど。

 

 一番大好きな人の前で、この命が果てる瞬間まで貴方を愛していると誓おう。

 

 

 

 

「―――どうしました? お客様?」

 この頬は?

「あ、ちょっと喧嘩のあとなんです。気にしないでください」

 

 新婚先への旅客機の中、佳主馬の頬に咲いた紅葉を見てスチュワーデスのお姉さんに驚かれたのは、仕方ないことだろう。

 

                         了 by御紋

 

 …一気に三作も書くことになろうとは。

 本気でいつくさんの絵は高麗ニンジン並の効果があるわ。まぐまぐ。

 追加させてもらっちゃった。てへ。――――ごめんなさい、調子に乗りました~。(土下座) 

 

 

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