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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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萌えるあまりのネタ化。―orz

 

 大広間にての場面。

 最強健二さんの改変シリーズ。

 絶賛改変中です。(御紋の脳内で)




 

「世界は廻る。 過去世のごとく」

       2020.04.23.

 

 

 

「TVでやってること、あれは本当におまえさんかい?」

 

 ぴんと張られた背筋が綺麗だった。

 正座したまま、手にした湯呑からは一筋の湯気が上がっていて。

 それは、まるで青空の上に浮かぶ大きな入道雲に吸い込まれていくように思えたんだ。

 

「――ええ、僕です。…僕がやりました」

 

 答えは、もう決まっていた。

 世界を変えようと決めた日。

 俺は、もう一度生きる覚悟を―――決めた。

 

 

 

 

 

 大広間のTVの中、分かる人には分かる程度の修正をかけた自分の姿が映されていた。

『いいのかい?』

 報道規制をかけることは可能だよ。

 昨夜掛け合った連絡のなかのいくつかで、問いはかけられた。

「――いいんです。誰かがその役をするのなら、僕が一番ふさわしいから」

 その声は自信にあふれていたのかもしれない。

 苦笑を浮かべて、相手は言った。

『勇者になるには、若さが必要なのかもしれないね』

 ぷつりと切れた端末。

 聞いたこちらとて、口元に浮かぶのは苦笑ばかり。

 …若さなど持ってはいないが。

――大きな冒険をしているという自覚はあるよ。

 

 

 

 

 

「待ってよ」

 手錠をかけようとした翔太の手を止めるように、少年の声がした。

 振り向けば、そこには一人の少年の姿。

「―――僕が、行くよ」

 PCをかかえたままの佳主馬だった。

 いや、いや。―――あれは。

「今のOZの状態なら、捉える事くらいできるよ。―――今がチャンスだろう?」

 浮かべたのは不敵な笑み。

 腕に抱えたPCを開いた君は、OZへと降りる。

 

「佳主馬くん、やめるんだ!!」

 まだ、早い!!

 

 叫ぶ声は届かず、最強の戦士――キングカズマは、混乱した世界の箱庭に降臨する。

 

「やめろ、闘うな!!」

 

 健二の叫びは聴こえない。

 

 世界は、追随する。

 ―――過去世の記憶を再現するために。

 

 

 

 

 

「ふん、こんな奴、雑魚だよ」

 既に必要数のアバターを手に入れていたのだろうラブマシーンが、その姿を変えた。

 白と緑のボーダーを来た健二のアバターを模倣した姿は解かれて、――仏像のようなその本来の姿へと形を変える。

 長く伸びた肢体。

 力強いその体格。

 ――それでも、戦いらしき戦いを経験せぬゆえに、捕えられたその姿。

「簡単じゃないか」

 笑うようにいいながら、佳主馬の手は怖ろしい早さでそのタイピングを続けている。

「やった!!」

 湧き上がる親族たちのなかで、健二は呟く。

「―――まだだ」

 翔太に捕まえられたままの手首が邪魔だ。

「早く、奴を捕獲しなければ…」

 

 奴が、進化してしまう。

 

「――なに、してんだ? おまえら」

 のそり、と侘介が顔を出した。

そして。 

 今まで我慢していた子供たちが暴れ出した。

「俺も俺も」

「ゲームしたい~」

 侘介の登場に驚いた母親たちが、子供たちを抑えつけていた手を緩めた。

 暴れ出した子供たちは、大人たちの手をかいくぐり、佳主馬のPCをめがけて突入する。

「よせ、止めろ!!」

 邪魔をされたその手元。

 打ち込むタイピングは、そのスピードを衰えさせて、ラブマシーンはするりと軛を逃れた。

「くっ!!」

 ああ、――どこかで見た記憶。

 健二の手を握りしめたまま、何が何だか分からない顔でそれを眺めていた翔太を振り返った。

「――放してください!!」

 勢いのままに、繋がれていた手を振り切った。

 駆けだす健二は、陣内家の子機を借りて再び大広間へと戻る。

 そこには。

 

「YOU LOST!!」

 

 王座から叩き落とされたモノの姿が残るばかり。

 ゆらりと肢体を動かして、近づいてくるのは、その不気味な笑みのラブマシーン。

 昨夜のうちに佐久間に取得させておいた仮ケンジをOZへと降ろす。

 

 ―――急いで、急いで、急いで、急いで!!

 

 願うように、それを祈って。

 そして。

 そのアバターを救い出した。

 

「――逃げるんだっ!!」

 

 ラブマシーンの不意をついて、ログアウトする。

 

「――――ああ、よかったね」

 君が無事だった。

 

 ――救い出したOZの王者は、その証であるチャンピオンベルトを失っていた。

 

 

 

「―――――」

 大人たちの沈黙が続く中、子供たちが笑っていた。

「―――俺らもゲームしたかったよな?」

「な~?」

 

 哀しい程の無邪気さが、大人たちのやるげなさを煽っていた。

 

 

 

      了 by御紋

 

 

 

 …結局、世界は追随してしまう。

 どうしても。

 

 

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