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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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よく考えたら、カズケン信者、ここにまだカズケン上がってない。(笑)


カズケン信者なのに、カズケンがないという。
いかんだろう。(笑)

よって、11月のハロウィン話がいたから、上げてみる。
だって、期間限定でお友達に送りつけてたからさ。

出す気はなかったんだよ。(笑)


2009.12.31.期間限定へとカテゴリー動かします。とりあえず、1月一杯で、展示終了ということで。季節ネタなのでww。



 「OZの魔法使い」          2009.10.24.

 

あいたい人がいるのでしょう?

会いたい人がいたのでしょう?

どうして。

どうして、それをあきらめるの?

 

   ―――――――それを夢だと言い繕うには、まだあなたは若いのよ。

 

さあ、立ち上がって。踵を三回鳴らしてちょうだい。

これからハリケーンにのって、あなたの願いをかなえに行くから。

 

 

 

「トリック オア トリ―ト!」

 ばったーん!

 間違いなく擬音はそれだろう勢いで、物理部のドアが開けられた。

 いつかの夏の始まりを思い出したのは気のせいじゃない。

「さあ。よいこの物理部諸君!! 今日はハロウィンよ!! そーら、夏希お姉さんに存分に貢ぎなさーイ!」

 は・い?

 侵入者はいつも突然である。

隣で、健二と一緒にOZのバイトにいそしんでいた佐久間は、その順応力を発揮してがさごそと愛用のナップをいじっている。

たしか、チョコ系かクッキーがまだあったよな~とか言いながら。

え? なにその反応。

え? なにその唐突さ。

静かにパニくる小磯健二、十七歳。まだ彼は、親友と憧れの先輩の怖さをしらない。

いや、知らなくて十分だ、そんなもの。

PC画面の中で、短いコンパスの健二アバターが、同じ顔して水色の汗を撒き散らしていた。

「おつかれさまです、夏希先輩。はい、どうぞ。た●のこの里」

 貢物の譲渡はつつがなく行われた。

「うんうん。苦しゅうない。―――にしても、余裕ね佐久間くん」

「いえいえそれほどでも」

 はっはっは。

 ほほほほほほ。

 後ろに狐と猫が見えた。どちらも二本以上の尻尾を持ってるやつ。

 え、なにその人外生物。

「さあ、健二くん! 次は君の番よ! 準備はいい?」

 全然です。

「――トリック オア トリ―ト!」

 聞かれた。まだ、返事してなかったのに。

右を見た。

 そっと、彼方を見つめた佐久間がいた。

 救い主は訪れず。

 左を見た。

OZに接続されたままの画面の中で、相棒のアバターが必死にあがいていた。

 うん、よくわかるよ、その心境。

 夏からこっち、二次元世界の自分には共感するばかりな健二である。

「さあ。健二くん。トリック オア トリ―トよ!! お菓子をくれなきゃ悪戯するわよ!!」

 魔女コスの夏希先輩が、ずいっと押し寄ってくる。

「う…。ううううううううう。――――ごめんなさい、何にもお菓子がありません…」

 泣きそうな表情だったという自覚はある。

 うんうん、と隣で佐久間が頷いているのがみえた。

 いいよな、賄賂提出済みのやつは!!

 ふふふっふふふふっふふふふふっふふふふふふふふふふふふっ。

 びくっ。

 怖いです夏希先輩。

「…さあ、健二くん。レッツ トリ―ト!!」

 いってみよう、悪戯コース!!

 ぎゃあああああああ。

 久遠寺高校に響き渡る男子高校生の悲鳴であった。

なーむー。

 





 

「んで、なんだったんですか。今日のイベント」

 まぐまぐ。

 佐久間が提出した筈のた●のこの里を口に放り込みながら、夏希に聞いた。

「ああ、三年有志によるハロウィン企画」

 受験の息抜き目的。

 なるほど。

 まぐまぐ。

 魔女前線は、ただいま物理部にて停滞中らしい。

 貢がれた菓子類と、物理部にて用意させた紙コップ入りのミルクコーヒーで休憩中である。

 ・・・・・・・・。

床の端では、健二が解脱している。魂が抜けたまま。

さすがに、くすぐりの刑(10分)はきつかったようだ。

 先生の許可もゲットしてあるらしく、学校全域に響く悲鳴をあげても駆けつけてくる者はいない。

 パねえな、受験生のストレスって。

 佐久間としてはそんな感想しか浮かばなかったりする。

「今じゃ、自宅勉強が中心でしょう? おかげで、人恋しくてさ」

「お疲れ様です」

 来年は我が身だ。……いいなハロウィン企画。俺もしようかな。

 少し遠い目になったのは佐久間敬。来年受験生となる一七歳の秋である。

「…ところで、健二くんと佳主馬が連絡しあってるんだって?」

「え? ああ。そうですよ。キングの方が先に連絡してきたとかで、エライ興奮してました」

 わあああああ、どうしようどうしよう佐久間。佳主馬くんからメールきたあああああ。

 落ち着け。

 ぱかん。

 壊れたTVは叩いて直せ。壊れた健二も叩いて治せ。――昭和時代のカタブツだからな、どっちも。

平成時代の申し子は、親友に対してもシビアである。

「そう。……で、その佳主馬が最近ご機嫌ななめで困るってメールが届いたんだけど」

 心当たりは?

 ちらりと倒れている健二に眼をやる夏希。

 一つっきゃないでしょう。

 苦笑付きで、目線で答える佐久間。

「やっぱりね」

 魔女さまがお怒りである。

 かつかつかつ。パカン。――――――はっ。

 やはり夏希も平成時代の申し子であった。

 頭を叩かれて、我に返った健二があたりを見回して―――魔女の怒りの表情に気づいた。

 さああああああああ。

 血の気が退くって、ほんとにこんな音するんだなあ。

 貴重な経験をしたと佐久間は傍観の体勢である。

「―――健二くん。なんで、佳主馬と会いたくないなんて言ったの!!」

「ちっ、ちがっ!! ――僕は、ただ…佳主馬くんは学校とかOMCとかプログラム作りとかで忙しいから、――――無理に相手しなくていいよってそう思って……」

最後の方は小声だ。

「―――バカなこというんじゃないわよ! 健二くんは佳主馬に会いたくないの? 話したくないの!?」

「そ、…そんな筈ないじゃないですかっ!! た、ただ。―――僕なんかが、OZの救世主とまで呼ばれてる佳主馬くんの時間をとっちゃ駄目だとおもっただけで」

ぱっかーん!

いい音がした。これはヒットしたな。

最近、お気に入りのココアを飲みながら佐久間は思う。…チョコ菓子をつまみに、チョコレート飲料を飲む佐久間は甘党である。頭の栄養だと本人は言い張るが。

「ふざけてるの! 佳主馬はそんなこと分かった上で健二くんと話したがってるのよ!! ――――とっとと、ご機嫌治してきてちょうだい!!」

 パサッ。

 軽い紙封筒が、倒れた健二の上へと投げ捨てられた。

「名古屋までの往復チケットよ。―――どうせ、テストも終わったんだから、行ってらっしゃいな」

 聖美さんにはお泊りオッケーって言ってもらってあるから。

「・・・・」 

 受け取ったチケットを見れば、そこには10月31日の印。―――今日の自由席。

「ほら!! 何してるの!! さっさと行きなさい!! 荷物の準備して! チケット持って、新幹線乗るのよ! 」

―――事故とナンパには、気をつけなさい。

 ぶっ。

 佐久間がラストで噴いていた。

「――夏希先輩」

「それが今日の悪戯フルコースの仕上げよ。…行ってらっしゃい」

 夏希は微笑んで見せた。

はいっ!!

 響いた声は大きかった。

 

 

今日のバイトが一人減った。上と調整しないとな。

バイトの身ながらもチーフと呼ばれる立場の佐久間は、ここ最近では見られてなかった親友の満面の笑みを見送りながら呟いた。

「結局、その魔女コスってシンデレラの魔法使いか何かだったわけでしょうか?」

 一緒に手を振って見送る夏希に尋ねた。

「嫌だ。違うわよ」

 心外そうに、夏希が答えた。

「これはOZの魔法使い。―――OZの救世主と、その救い手を護ってあげようっていうんだから、当然でしょう? 」

 にっこり。

 文字変換が違いますよ。

 理系の男にロマンはないのかと叩かれた。痛かった。

 

 

さあ、ドロシー。

さっさとお家へ帰りなさい。

あなたの大好きなひとが、そこにはずっと待ってるんだから。

 

 
                                 了 BY御紋

 

 



 オズの魔法使いの話ってどんなのでしたっけ? うろ覚えです。

 とにかく、夏希さんが最強保護者。そんなのが書きたかった。満足。少女マンガちっく。知ってる。

 swは基本がジュブナイルなので、照れなく恥ずかしい話が書ける。まあ、深夜のテンションもおおきいのですが。

 夏希さんが男前です。しかし、チケット代は佳主馬に請求する気満々です。夏希姉えええええ! 

 グッジョブ! bbbbbbbbbbbbbb!

 





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活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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