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誰もが間違えてはいないから、 くるしいのだ。



 「 最強健二さんの改変シリーズ 」

 



  

 

「ヘモグロビン=赤い血≠人間」

                          2020.04.30.

 

「――お前は、屑だな」

 

 そう言ったのは、三人兄弟の中の一人。

 だが、他の二人も同様の思いを抱いていたことが、睨みつけてきた目からよく伝わってきていた。

 

「―――謝って。 …わからないの? おばあちゃんがいま、死にそうなのよ!!」

 

 涙を零したのは、夏希先輩。

 

「……」

 

 沈黙を返したのは、陣内理一。

 予測はしていたが、やはり某所あたりからなにかの情報でも得ていたのだろう。

 彼は怒りの言葉を露にはせず、けれども、決してフォローもせず。

 ただ、探るような眼でこちらを見ていた。

 

「―――、あんた…」

 

 なにかの言葉をいいかけて、止めたのは。

 池沢佳主馬。

 OZの王様だった人で、これからもそうであるだろう少年。

 

 

 

「―――ふざけるなよ!!」

 

 健二のTシャツの胸元を掴んで、怒りで青筋を額に浮かべたのは。

 栄の次男坊。―――陣内万助。

 

 

 

 さて、こちらはといえば。

哀しいばかりの孤立無援。―――もっとも、それなりに力を貸してくれる外部の人たちは多いけれども。

それでも。

こればかりは、お力添えは断った。

 

何故かって?

 

それはもちろん……。

 

 

 

「――ふざけてはいません。ボクは、当然のことを言ったまでです」

 

 

 

 相対する形をとって、健二は語る。

 

 そういえば、こんなこともした気がするぞと心のうちで思いながら。

 

 

 

「―――陣内家の家訓を思い出してください。

『人を守ってこそ、己を救える』――でしょう? …守ってください。――世界を」

 

 でなければ、それは家訓ではありえない。

 

「――、このやろう!」

 

 殴られた衝動で、口の端が切れた。

 

 赤い赤い人間の血。

 

 ――――人ではなくなった、人でなしにも血は流れているのだなと、醒めた思いでそれを見ていた。

 

 

 

 

 

 視界の隅で、夜に始まった突然の家族の喧嘩に怯える子供たちが見えた。

 ―――すまないね。

 詫びる言葉も言えぬ距離。

 怯える子供を連れて、母親たちが部屋を出ていくのが見えた。

 

            了 by御紋

 

 痛いよ痛いよ。

 ――健二さんは、どうしてこんなに不器用なのかなあ。

 痛いよ痛いよ。

 

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健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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