最強健二さんの改変【そのに】

「　陣内家の愛は、偉大です。　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１０．０６．１４．

　よっこいしょーの、どん！とね！！

　響いた振動は、腹の底まで響きました。

「……健二？」

　なに、この大量の荷物。

　夏休みも終わり、新学期です。

　久遠寺高校の物理部で、お久しぶりの親友に御挨拶。

「ただいま！　佐久間！！」

「――おかえりなさいませ、健二さま」

　そして、俺の疑問はスル―ですか、おまえこんちくしょうめ。

　帰ってくる佐久間の声に、潤いは少ないです。

　コラーゲンが足りてないの？　佐久間？

　暑い夏を、パソコンの前で過ごしたらしい親友のお肌は真っ白です。

　ダメじゃん、佐久間。

　青春はどこにいったの～？　一度しかない高校２年の夏は～？

　自分が佐久間にまかせた大量のプログラミングとか後処理とかの話は、今の健二の脳内では完全スル―されているようです。

「ちっくしょう、還暦のジジイがぼけてやがる！！」

　小声で佐久間が呟いたよ？

　でも、俺おじいちゃんだから、聞こえないの。（確信犯）

　大量に仕事量を増やされたせいで、佐久間の目の下に黒いクマが常駐してるだなんて、そんなのおじいちゃんだから、見えないの。

（年をとると、目がかすんじゃってさああ）

　ＨＡＨＡＨＡ．

「――ふふふ、なんちゃって爺をいつかヤルよ、おれ」

　なんか黒い発言だって、スル―です。スル―。

　若者、ファイトですよ。

「……おまえの黒歴史を、さらしてくれようか」

　おもに、ネット経由で。

「　佐久間、ちょっと休憩しないか！！？　」

　お土産あるよー？

　必死に笑顔を浮かべたなんちゃって爺ィこと、逆行してきた小磯健二さんでした。

「　で、この大量の荷物の正体ってなに？　」

　えらく多いんですけども。

　健二がどんっと置いたおかげで、ただでさえカオスな物理部のテーブルは悲惨なことになっています。

スポーツバッグは、しっかりぱんぱんです。

「　……土産だ　」

　受け取れ？

　…笑顔が嫌です、親友。

　にっこりと笑った健二に対して、佐久間はそう思ったらしい。

　じじじじじ～～。

「　もってけ、これが陣内家の愛だ！！！　」

　おかげで、持ち帰るのが大変でしたよ、こんちくしょうめええ！！

　ばらまくように散乱した夏野菜と冷凍イカと酒のつまみ。（なぜ、つまみ？）

　それから。

　―――ふろしきが一つ。

「　食せ。全て　」

　俺は、もうノルマは果たした。

　真顔で言ってきた健二に対して、おそるおそる佐久間がそれを広げたところ。

「これは野沢菜。こっち、大根。これはほたて。―――賞味期限は明後日までだ」

　がんばれ。

　二桁はある、長野名産おやつ。――おやきでした。

　愛が重たいです。陣内家ええええ。

　――お腹が、お腹が。

　――捨てることは許しません。

　一つ食べただけでやけに腹がふくれるおやきを食べる佐久間が、胃薬持参で挑む二日間でした。まる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了　ｂｙ御紋

　おやきはお腹が膨れますよね。ぱねえです。

　そして、相変わらずの陣内家至上主義な健二さん。

　彼には、陣内家の愛であるおやきを捨てるという考えは一切ありません。ｗｗｗｗ

　「お疲れ様、お世話になりました」の意味を込めて。――佐久間くんへのおみやげを用意したのは万里子さんですよ。

　田舎からのお土産っておおいですよね？

　そして、やはり郵送はしようとしない陣内家です。

　持っていってあげて、ね？（笑顔）

　いえ、あの・・・はい。（涙）

　重い荷物がつらかったらしい、健二さんですｗｗｗ

[2回]