銀ちゃん、落乱世界へ行く！④

「恨みと、炭火焼きの多様性」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１０．０６．１９．

　塩！　醤油！　味噌！！

　宣言したのは、口元にボーロの欠片をくっつけたままの神楽だ。

「――なんというか。欲望に正直すぎるな、おまえは」

　もう少し、腹の主張を押さえろ。

　皆様の善意の形である、お銭さまが消えてしまうわ。

　突っ込んだのは、銀髪が今日も目立つ坂田銀時だった。

「　どっちも、人のことは言えんでしょうて　」

　はああああああ。

　大きくため息をついたのは、唯一ボーロを丸ごと一つ食べれなかった新八でした。

　次のお店は、そんな幟が立っていました。

「――塩気かな？　これ？」

「食い物なら、もうなんでもいいよね」

　めーしっ、めーしっ！！

　食欲の召使と呼んでください。

　いまなら、それを否定する勇気は、よろずや一同にはありません。　

彼が泣きだして、８分たってからのことでした。

　ああもう、Ｓ法委員会めええええ。

　ひどい先輩だことー。

　そして、ちろりと目線を上げて。

　――無理ある。

　――無駄じゃないですか？

「　豆腐はねえ、素敵なんです。煮てよし、焼いてよし、味噌汁に浮かべてよし！！　もちろん、冷やして冷ややっこ！！　最高なんです、そうなんですよ！！」

　日本人の心の故郷なんです！

　分かったから、銀さんの胸蔵つかんで揺さぶるのやめてくれない？

　さっきから、視界がぶれて困るの―？

「ええ？　自分でしてよ、神楽ちゃあん！」

　後ろから、もっそもっそと田楽とうふを食ってる連中の咀嚼音が聞こえる。

　おのれ…。

「―――食べすぎたある」

「田楽豆腐と、焼きおにぎり、それからつくねに、焼き魚」

　よく食べたからねえ。

　胃袋も拡張するよね。はははは。

「？」

　神楽と新八が首をかしげた。

　忍び対忍びの戦いは、各自でしてください。

　無関係な人は巻き込み禁止でよろしくううう！！　

[1回]