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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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最強健二さんのその後。【そのよん】


 

  深夜にこんばんは。

  ―――とりあえず、夏希先輩にごめんなさいを言いましょうねというお話です。




 最強健二さんの改変【そのよん】

「 もう会えない君に感謝を。――出逢えた君に懺悔を。 」

                               2010.06.22.

 

「あ、夏希せんぱ……」

 

 びくり。―――ぱたぱたぱたぱた。

 

 ――――――い。

 

 呼びかけた声は、相手がいなくなってしまうために、宙に消えたようだ。

 

 

 

 

 

「―――おかしい」

「あ? 」

 

 みーんみーんとセミがうるさい、久遠寺の残暑です。

 

「 何か知らないが、夏希先輩に避けられてる気がする 」

 おかしい。

 

 ぴこーん。

 

 ただいま、物理部にていろいろと後始末中。

 唸りを上げてるpcさまは、排気熱が暑いです。

 ちょっと、新しいの買おうよー。

 おだまんなさい、このセレブが! 貴重な部費のなかで買い集めてんのよ、これだって!

 生活に疲れたおかあ様のような発言でした。―――佐久間、ファイト!

 

「――ああ、それか」

「うん、それですよ。…どうしたんだろう」

 

 くるり。

 佐久間が、健二の一言に身体を反転させて、呆れた顔で呟いた。

 

「お前は、本当に未来ある若者の心情っつーものを知らんな―?」

 これだから、還暦の奴は。

 

 そんなところで、突っ込み入れられた??

 ちょっとー、老人差別やめてくださーい。

 

「自分のしたことが、少女心にどう影響したかを考えろよ―? 」

 

 現役の若者に諭されてしまった、困ったもんだの精神年齢60歳の健二さんでした。

 

 

 

 

 

 

 

「―――ごめんなさい! 」

「 え? 」

 

 逃げられる前に、捕まえて。

 それから、しっかりと頭を下げて謝った。

 

「なに? ――どうして、健二くんが謝るの? 」

 むしろ、謝らなきゃいけないのは……。

 

 続けようとする言葉が、涙ぐんで聞こえたのは嘘じゃない。

 

    私のほうじゃない…。

 

(―――失敗した)

 つい意図せずに漏れてしまった健二の舌打ちにまで怯えてみせた、まだ幼く若い少女でしかなかった篠原夏希を捕まえた。

 あの夏の戦いの内で、誰よりも健二の賭けに巻き込まれていたのは、彼女だ。

 何も知らされないままに、小さな身内のなかだけの嘘をつくために友人を連れて行き、大事な人を失いかけて、―――当然のようにそれを無視した健二のために世界を危険にさらすことと知らずに実行した。

 それは、まだ18だった彼女にとって、どんな恐怖を与えたことか。

 

(予測してなかったとはいえど、これほどの負担が夏希にかかるとは思ってはいなかった)

 

 何よりも。

 過去世における夏希であったならそうはすまいと、無意識に侮っていた。

 夫婦として過ごした。

 兄妹よりも近い他人として。家族として。

 だから、思い込んでいた。

 

 夏希先輩なら、大丈夫だと。

 

(無自覚な甘えほど、厄介なモノはないな)

 己を振り返り、そう思う。

 過去世の妻とは異なる存在だと認識していたはずだった。だが、まさか。

 

( ―――幼さまでもを計算にいれなかったのは、間違いなく俺のミスだ )

 

 

 

「 そうじゃない!! 」

 

 びくり。

 

 健二が上げた大声に、怯える夏希の姿。

 そんなもののために、謝りに来たわけじゃない。

 

「―――ごめん。…ごめんなさい、夏希先輩 」

 

 あなたは、決して間違ってはいなかったんだ。

 

 だって、誰がそう認識する。

 大事な家族が危篤状態へとなってなお、世界を護れなんて。

 それこそが、為すべきことだと。

 

 ――――そんな、鬼畜のようなことを…。

 

 言ったのは、望んだのは、――強いたのは。

 

 

 

  俺だ。

 

 

 

「 ごめんなさい 」

 

 君を巻き込んだ。

 ―――ごめんなさい、と謝る言の葉一つでは足らぬ罪。

 

 世界を変えることを覚悟した。

 世界を変えることを実行した。

 

 だけど。

 

 世界がそれを当然としなかっただろうこと、―――それをどれだけ理解していたというつもりだったのか。

 

 

 

「 ごめんなさい 」

 

 

 

 告げるべき相手は、他にもいるんだろう、きっと。

 

 世界を、自分のために変えた。

 それは、覚悟の上で犯した咎。

 

 けれど。

 

 

 

 今は、きみに謝罪をしよう。

 

 

 

 自分の勝手で運命を変えられた、―――二人の女性の一人として。

 

 

 

 

 

                   了 by御紋

 

 夏希先輩に、ようやくごめんなさい出来ました。

 何も知らなかったために、彼女は翔太の補填のような行動をとってしまったので。

 しかし、それによって起きたことを悔いに残さないはずはないと思っていたのですよ。

彼女は――一人でそれを後悔し続けていたんでしょう。

 だって、18歳だもの。まだまだ、自分を悔いていける時代です。

 

 成長した未来の彼女であったなら強くなれているので、必要以上には自分を責めはしなかったのでしょうけども。

 

 

 

 

 

――馬鹿ね。これだから、アナタは放っておけないのよ。

 

脳裏に浮かんだのは、過去世における俺の妻。

 

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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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