二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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いつも、ありがとうございます。
きづくと、毎日更新してます。wwきまぐれ更新どこ行ったww
なんと、早くも、カウンターが1000ヒット。
あれ? (汗)
…キリ番設定って、してたと思ったのになあ。(不思議)
よくわかってない御紋ですが、もしもキリ番踏んだら、メッセージが出るはずですので。
よければ、読んでやってくださいね。(笑)
今日は、この前から続いてる「衝動」の一つ。
角/川/文/庫 の「サマ―ウォーズ」。
――――好きでした。
そんな御紋の、衝動的な妄想文です。
よければどうぞ。
「 流星 」
2009.10.23.
星が流れた。
冬の寒空にそれを見ていた。
願い事をすることさえもあきらめて、ただその星の墜ちる先を見つめていた。
今年の夏から、上田に集まる家族が増えた。
一人は、41を迎えた陣内家の放蕩息子。十年以上も姿をくらましていた陣内家の鼻つまみ者。
まさかこんな日が訪れるなんて思わなかったぜ。
そういいながら、侘介のコップに酒を注いでいたのは赤ら顔の万助だったが、言ってることに異議を唱えるものはいなかっただろう。当の侘介自身ですらも。
もう一人は、栄が認めた陣内家の新しい一人。何も知らぬままに訪れて、知らぬうちに巻き込まれ、気づけば世界と陣内家を救った人物。
「健二さん。寒くない?」
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、緑のマフラーに真っ赤なチェックの半纏、もこもこの白い手袋と重装備をした小磯 健二。この人だ。
「うう。寒くはないんだけど。すごいモコモコするんですけど」
ぐすぐす。
かみすぎた赤い鼻を鳴らす姿。
この人って年上なんだよな確か。
思ったことは秘密だ。
「…それだけ着込めば、もこもこすると思うよ」
来年は受験生だから、と渋る健二をいいくるめて連れてきたのは又従姉妹の夏希と母の従兄弟にあたる理一。
社会人のくせに、なんで休みとれてんの?と尋ねたら、「――――優秀な新人はどこにでもいないんだよ。佳主馬」っていわれた。
どう考えても健二の勧誘のために有給もらってきたんだとしかおもえない回答だった。
―――どこまで期待されてんの? 健二さん。
怪しげな笑みを浮かべて某所に勤める親戚は言った。
「…ちょっと言えないところまで」
鵜の目鷹の目。捕食者はどこにでもいそうだ。―――アメリカ帰りのあたりにも用心しておかなくては。
まあ、健二を連れてきたことに関しては「いい仕事をした」と言わざるをえないのだが。
「だって、夜空がみたいから散歩してくるって言ったら、よってたかって着せてくんだもの、仕方ないじゃないか」
「―――――まあ、ね」
それでも、家から離れた場所にきても脱ごうとはしない律儀さにこそ、佳主馬は呆れたのだが。
「―――怖かったんだもの」
それだけとも思えないが。
なにしろ、健二さんって、ほんとにうちの親戚たちが好きなんだから。
マフラーは夏希、半纏は万助、手袋は万利子。ポケットに入ってるカイロは太助からだった。
健二さんに断ることなんて、出来る筈がない。
ま、あの勢いは確かに怖かったけども。
思い出した光景にぶるりと身体が震えた。…気のせいだ。
「あ。佳主馬くんこそ、寒いんじゃないの?」
震えた様を見られたらしい。いそいそと健二がよってきて、佳主馬の頬を撫でた。
「…少し赤いよ、ほっぺた。? 風邪じゃないよねぇ」
「―――気のせいだよ」
心配げな健二さんに、まさかあなたが頬に触れたせいですとは言えず、佳主馬はごまかした。
「で、夜空がみたいってなんだったの?」
「え…と」
少しばかり母屋から離れた丘の上。…ただしく言うなら、表門の前、坂道のてっぺん。夜空どころか離れた街の灯が見渡せるそこで、二人、ガードレールもない私道の縁に腰かけた。
この夏から出来た露天風呂ではいけなかったのかと聞いたら。
ボクのぼせやすいから、鼻血が出たら大変でしょ。
てへへと笑って見せる健二の言葉に、納得した。
「あの、さ。東京は…夜空が見えにくいから。―――流れ星がみれないかなって思ったんだよ」
流れ星?
「なんだかね、見たくなったんだ」
見つめる先には、またたく星空。輝く星たちの姿。
見上げたその横顔に、どこか悲壮な思いを感じたのは気のせいだろうか。
「みれないかなあ……」
白い手袋で、赤い鼻を擦るように健二が呟いた。
「――――どうだろうね?」
風邪はひかせたくない。だから、適当なところで帰らせようと思いながら、ついてきた佳主馬だったのだけれども。――――見せてあげれるといいなと思った。
健二と二人、流れ星がみれますようにと思いながら、そこに座っていた。
「流れ星っていうのは、正式には【流星】っていわれててね。大体が彗星の放出した小天体が大気に衝突、突入して発光したものなんだって。だから、大きさによっては流れる時間も発光の量も違って。中には隕石になるくらいに大きなときがあって、そんなときは【火球】って呼ぶらしいんだ」
「へええ~」
よく知ってる。
そう健二に言ったら、ネットで調べたんだよって照れながら言われた。
この人は、本当によく照れて見せる。――それほどに、自分自身への自信がないのか。
ふと思ったのは理解というよりも、感覚で。
あの夏の頃よりは自信がついてきたみたいよ、と夏希あたりが言ってはいたが、それでも長くしみついてるその思いが健二をまだ檻のうちに閉じ込めているようで嫌だなと思った。
「流れ星に関しての伝説や説話なんかはたくさんあるんだけど、日本では【流れ星の輝いてる間に、願い事を三回唱えると叶う】っていうのが有名だよね。…まあ、まず不可能だってことだけど」
思うではなくて唱えるってところがミソだよね。
笑いながらも、健二はやる気のようだ。
「…叶えたい願いがあるの?」
受験とか?
続けようとして止めた。
その問いを聞いたとき、滑らかに語っていた健二の言葉が一瞬、詰まったからだ。
痛い。
そんな感情がどこかで生まれて隠された。おそらくは、健二がつねに浮かべている笑顔の奥へ。
プああ―ン
折よく、眼下の道路を車が通り過ぎて行った。ライトが反射して、健二が浮かべていた何かは取り消されてしまった。
「――――流れ星の説話はたくさん、あってね。【流星をみたら3回唾を吐かなければ不幸になる】とか【星が遊んでいる様子】とか。外国だと流星は人の死を告げるものだとかも考えられたりもしてるみたい。物語の影響って大きいよね」
「―――そう」
取り繕われた表情に、触れられたくないことに触れたのだと理解する。だから、――――なにも言わずに会話を続けた。
「幸せの星なのか、災いの星なのかはっきりしないよね。そんなんじゃ」
「――きまってないってことじゃないの?」
災いと呟いたとき、健二の声が震えていたことを気づかなかったことにした。
「どっちにしても、ただの言い伝えじゃないか。そんなこと、自分が信じたい方を信じればいいんじゃないの?」
どうでもいいことのように言った。
「そう、だね」
浮かべた笑みが、儚いと思ったことは忘れることなどできないのだけれど。
「――健二さんは、どう思う? 」
「え?」
「健二さんは、流れ星を今から探すんでしょう? ――幸福の星だとおもう? 災いの星だと思う? ……どっち?」
「……どっちかなあ?」
悩むふりをして、健二さんが空を仰いだ。
わざわざ見たがる星が災いだなんて、思っているはずもないのに。
「…そうだね」
一瞬だけ。
一瞬だけ、健二さんは瞳を閉じて、答えを言った。
「出来ることなら、―――――祈りを託す星であって欲しいかな」
その夜、流れ星はあらわれなかった。
健二さんが大学に入って一人暮らしを始めた。
――お父さんとお母さんが、離婚されたみたい。
そう伝え聞いたのは、もう祈りの言葉も失ったあとのこと。
了 BY御紋
流星についてはウィキペディア参考。
某ギャグを続けて書いた後だったために、地の文がおかしくなりかけた。危ない危ない。切ない話が書きたい。
高校卒業と同時に、御両親は離婚。…この場合のみの設定ですが。ありえるよね、小説設定だったりするとさ。
―――――――――2009.12.21
言いたい言葉が、あるんです。
ずうっと、ずうっと。
――――自分自身ですら、気づいてはいなかった言葉が。
(お母さん)
――――閉じ込めることを、無意識に選択していた言葉が。
(お父さん)
――――――――――――――――言いたかった、言葉は一つ。
「みんなで、なかよく、暮らしていきたいんです」
託す先さえ、見つけることが出来なかった。
つぶやくことさえ、許されなかった。
それは。
――――喪われた、健二の祈りの言葉。
了 by 御紋
せっかくなので、関連したss追加である。
――――時間差あっても、書けるものだな。こういうのって。
初めて知った。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
こちらでは、二次創作を展示させていただきます。
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