二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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オフ友と遊んできました―。
ご飯と、カラオケと、まんが喫茶。――――久しぶりでしたww。
今日も、衝動。
どうして、こんなに在庫を出すのかww。
脳内の萌えを消化したいのに、書けないときほど苦しいものはない。
――――まんが喫茶で、シリーズものを読んで笑いながらも、ssかきた―い。と思っていた私は、まだまだ夏が続いているようですww
今日のは、あの夏での陣内家。
優しいお話を目指しました。
少しでも、癒されてくれると幸いですよ。
よければ、つづきをどうぞ。
「子守唄」
ちょっとした事だった。
大人たちがちょっと所用があると言って、子守を押しつけていったのだ。
腕白な三人衆は分かりやすいので、TVゲームに繋いで置けば、それで事は足りた。
「あっ、あっ、そこ!」
「ちがうよ、そっち!!」
「くそっ、このこの」
――――実に助かる。
問題は、加奈だ。
さすがに、0歳児の恭平は母親である由美が連れて行ったのだが、微妙に一人遊びが上手なこの女の子だけが――――強敵だった。
何して遊べばいいの?
冷や汗をかいて尋ねたら、「聞いてみてね?」と笑顔で言われた。
誰に?
質問というより、確認。むしろ、拒否に近い意味を込めて呟けば。
「もちろん、加奈によ」
にっこりと言い放った34歳の新妻は、実は曲者なんじゃないのかと新しい疑惑が浮かんだ。
妹とか近所の子とか、とにかく小さな子と遊ぶことなんてめったにない健二にとっては、それが出来ないから困るんです、と言いたかったのだが。
バスの時間に遅れちゃうわといって、あわただしく出て行った人は聞く気もなかったようだった。
「何して、遊ぶ?」
「―――――」
お気に入りのおしゃぶりを咥えたままで、加奈はじっと健二を見つめていた。
揺籃のうたを
カナリヤが歌うよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ
少しばかりの休憩、とヘッドフォンを外した。
聞こえてきたか細い声が、佳主馬の関心をひいた。
どこか不安定な、中低音の声。
時折、声がひきつっている。なのに、そのリズムは心地よい。
揺籃のうえに
枇杷(びわ)の実が揺れるよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ
揺籃のつなを
木ねずみが揺するよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ
揺籃のゆめに
黄色い月がかかるよ
ねんねこ ねんねこ
ねんねこよ
健二さんの膝の上、おしゃぶりを外した加奈が眠っていた。
いつのまに眠ったものやら。
そっと、広間に訪れた佳主馬に健二さんが気づいて、密かに笑んで見せる。
それでも、寝付きはじめたばかりの小さな子供を起こさないようにと。
今一度、歌を繰り返した。
ぱさり。
体温調節の出来てない子供がお腹を冷やさないようにと、佳主馬が加奈の身体にかけたのはバスタオル。
流石に、寝室には入れないよ。
あっさりと、言ってのけた。
そ、そうだよね。
寝室の一言で、小声で焦る健二さんを見て、可愛い人だなあと思った時点で自分が終わってる、と感じたのは13歳の佳主馬。―――――ちょっと、性教育について論じ合うべきじゃないでしょうか、佐久間さん。
脳内の何かが言った。
「―――健二さんの歌声、はじめて聞いた」
ぽつっと、小さな声で呟いた。
声変り前なのに低音がのびる佳主馬の声は、ときどき健二を慌てさせる。
加奈を起こさないように、二人は寄り添うように座る。
「――――あんまり、上手じゃなくて申し訳ないけどね」
やはり、小声で健二さんが言葉を返す。
先ほどまでの子守唄がまだ尾を引いているのか、加奈を見つめる視線は優しいままだ。
「――――『揺籃の唄』は、学校で習ったんだ。―――優しい言葉と旋律が、好きだった」
ゆっくり、ゆっくりと、健二さんが語る。
ぽつん。
ぽつん。
――――子供たちの声も今は小さい。
「子守唄は、どこか切ない気がするね。――――心臓の音に合わせるように子守唄は作られてるそうだよ」
だからだろうか、安心して加奈は眠っている。
ぽつん。
ぽつん。
静かな会話は続く。
ほんの少しだけ、肩が触れ合った。吐息がわずかに髪の先を動かしていった気がした。
「―――健二さんも、この歌を歌ってもらったの?」
「―――え?」
「小さい時に、歌ってもらったんでしょう? 子守唄」
佳主馬にも、朧な記憶がある。
信州で生まれた聖美が歌っていたのは、信州の子守唄だった。父や父方の祖母は、たしか愛知の子守唄だったと思ったが。
なんといったか、その子守唄は。
新しく生まれる妹のために、佳主馬も習わなくては。
「ないよ」
やはり答えは、ぽつん、と落とされた。
え?
二人で、ただ顔を寄せて話していた。体温と吐息と風がふわりと通るだけの隙間をおいて。
そよぐ夏の空気を仰ぐように、佳主馬は健二の顔を振り返った。
「―――ないんだ、子守唄をうたってもらったことが」
風が通る。
夏の空気。
濃い影が、広間の中に、隠れるように在ったことに佳主馬は気付く。
「だから」
―――――ボクにとっては、これだけが子守唄だよ。
チリ――ン。
昔ながらの日本家屋は、風の通り道があるのが特徴だ。
どこかの部屋で吊るされている風鈴が、流れる風に揺らされて鉦を鳴らす。
まるで、見つめあうように、二人はそれを聞いた。
風は通る。
夏の空気。
揺らされた横髪を抑えるように、健二さんは呟いた。
「ああ。――――――――――――――今日は、いい日だねえ」
膝の上には、眠る幼子。
満ちた空気に散っているのは、夏の気配と、子供たちの騒ぐ声。――――風鈴の音。
言える言葉を知らない自分を、―――――悔しいと思ったことなど、貴方はしらないだろう。
―――――――貴方を、受け止めきれない僕の幼さが、悔しいと思ったことなど。
了 by 御紋
うん。――――どうして、こうなるのか。
子守唄は好きです。――――祈るように、歌う歌。お願い、眠って、…私も眠いの(涙)、と願う母の。(笑――いや、切実なのは知っている)
実際の子守唄として残ってるとされてるものは、母が歌う歌ではなく、子守を任されてる姉や手習いの女の子が歌ってきたものが多いらしいですが。
北原白州の詞も好きです。ですが、戦争の影響を受けるようになってからは、ちょっと。
文化って、やはり平和であってこそ保たれるものもあるんだなと思いますね。
寄り添いあって、わが子(親戚の子ですww)を見つめて小声で話すカズケンが書きたかった。基本は、それだった。
そして、こうなった。――――まことに、せつないの好きだね御紋(笑)
「揺籃の唄」:作詞 北原白州 作曲 草川信作
――――――――――――――――――――2009.12.23.
「あら」
「あらあら」
どうしたのー?
帰って来た女性陣が、荷物を片手に、大広間へと戻ってきた。
子守りは、いまごろどうしていることかと思いながらも、楽しいお買い物を済ませて、我が家へ帰れば。
「「「しーーーーー」」」
先に、それを見つけた女性たちが、小さな声でそう言った。
「?――――ああ」
広間を見れば、なるほど理解した。
小さな加奈は、お昼寝中。
いつのまにやら、ゲームをしていたはずの子供たちも、三人仲良く、その横で寝そべっている。
おなかの上には、バスタオル。
まあ、夏ですから。
タオルケットの場所がわからなかったのか、遠慮したのか。
「―――――珍しいわね」
聖美が、子供たちの左端で、眠っている佳主馬をみて、そう言った。
眠りの浅い佳主馬が、こんな場所で眠るなんて。
「――――良い子守り役だったみたいねえ」
並んだ、陣内家の子供たちにバスタオルを掛けてくれたのは、その右端で、唯一タオルを掛けないままに眠っている健二だろう。
さすがに、17歳男子に、バスタオルはあんまりなので、出してきた薄い夏布団を、その身体にかけてあげる。
「――――さ、今日はこのまま、寝かして上げますか」
「そうね」
女性たちは、静かに笑いながら、女たちの集まる場所―――台所へと移動する。
―――――おやすみなさい。
さあ、子供たちが目覚めるまで、私たちも休みましょうか。
買ってきたおやつの準備をした後でね。
一番最初に目覚めて、お土産のおやつを食べる子供は、誰かしらね。
了 by 御紋
その後の情景は、やはりこれかなと。
女の社交場は、台所と洗濯場。
子供の昼寝は、大広間で。
――――――――――――――そんな昔ながらの陣内家です。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
こちらでは、二次創作を展示させていただきます。
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