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2010年サマ―ウォーズリアルデイ。
どこまで計算された映画だと思いつつも、幸せでした。
映画をつくってくださった方々、好きになった方々、仲良くさせていただいた方々、ブログへ訪れてくださるみなさまに感謝いたします。
記念ss 「御霊に宿るものは、終えず」①
「 御霊に宿るものは、終えず 」
2010.08.01.~
おかしなものだ、と笑ってあげようか。
けれど、たしかに覚悟はあったから。
悔みはしないよ。
「皆で、ご飯を食べましょうか」
そう言ったのは、私の長女。
女系一族だと言われる中で、私の跡を継ぐことを誰よりも意識していた。
泣きそうな表情になりながら、最後には成し遂げてくれる優しい子。
「大丈夫だ」と告げてあげれば、笑みを浮かべた。
これからは、自分で顔を上げていけるね?
「了平、ふぁいとー!」
「由美さん、こっち!!」
「あーん、まだ試合終わってないのに~~」
ドタバタドタバタ。
ふふふ、駄目でしょう廊下は走っちゃいけません。
埃がたつでしょう? ましてや、アナタ達は皆で食べるものを持っているのだから。
ああ、でもそうね。
もうこの声は届かないのね。
理香、直美、典子さん、由美さん、加奈さん。
私の大切な家族。
私の認めた女たち。
――――優しく強く、男たちを支えて子供たちを護ってくれるのでしょう?
「ばあちゃん、ただいま…」
ああ、お帰り。私の愛しい子供。
待っていたよ、待っていた。
いつか、帰ってきてくれると。
この家がお前の還る場所だ。
私は、お前を生んであげることは出来なかったけれど。
間違えることなく、私はお前を育てた母だった。
いいかい、幸せな子。
お前は、二人の母を持つ、幸せな陣内家の一員であったんだよ。
いつか思い出して、お前の名は侘介。
人と家をつなぐ文字をその身に持つ者なのだから。
「大変じゃない!」
「ああ、追い詰められてる」
「食べてる場合なの!?」
「遺言だからな」
「敵は圧倒的なんでしょう!?」
「慶弔弐十年の大阪夏の陣じゃ徳川十五万の大軍勢に打って出た」
「でも、負けたんじゃ…」
「こういうのは勝ちそうだから戦うとか負けそうだから戦わないとかじゃないんだよ。負け戦だって戦うんだよ、ウチはな」
「馬鹿な家族!」
「そう、わたしたちはその子孫」
「たしかに、あたしもその馬鹿の一人だわ」
ふふふ。
可愛い子たち。
そうね、馬鹿かもしれないけど、私には愛しい子たちだよ?
だって、誰よりも真っ正直でまっすぐで、――人を護ろうと足掻き続けている。
それは、間違いなく。
――――――陣内家の人間である証だ。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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