「　かくありて、こうなる　　　前編　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１０．０８．１８．

「マスコット、兼、同好の士」だと。

　しがない一学徒としては「…そうなんですか」、としか答えることは出来なかった。

――　忘れもしない。あの日の夜に食べたサンドイッチ。美味かった。めっちゃ美味かった！　……あのあとの惚気シーンでリバースしてしまったことがつらいよ。――　美味しかったはずなんだ、あの日の差し入れのサンドイッチ。

――　寝ぐせが気になる。いや、別にお互いさまなんで、文句はないよ。ただ、あれ、パラメーターじゃないか。…え？　なんのパラメーターか、お前知らないの？　　…幸せだね、おまえ。

――　ああ、そうねえ。あたしの家ってハムスター飼ってるのね。妹が小さい頃アニメの影響で飼いたいっていったのがきっかけなんだけど。うん、それはどうでもいいけど。

　…　なんとなくね、想うのよ。視界でこまこま動いてるのって癒されるなあって。いいよねえ、小動物。

――　うん、説明がなくても通じる部分と、説明しても硬直してる部分と、説明する前に逝っちゃってる部分があるからねえ。

　…まあ、そういう奴だから、って覚えとけよ後輩。

　お気に入りのやつ。

　ごそごそと動いてるなと思ったら、探し物中だったらしい。

「え？　あ、ごめん。俺借りてたわ」

　すまん、すまん。　

「あ、道理で。――コーヒー一杯おごるように」

「げえ、高い」

「ゴールデン一瓶でもいいよ？　」

「もっと高いです、健二さま」

　万年金欠の大学生なめないでください。

　…あれ？　今日の小磯先輩って…。

「「「　あ　」」」

　気付いたことを聞いた瞬間に、同じ場所にいた全ての先輩方が、俺を睨んだ。

「　………　」

「　………　」

「　――　何かいった？　」

　にっこり。

　すいません、怖いですその笑顔！！

　沈黙のなかで作業をしていたところ。

「――　邪魔するよ　」

　凄い耳に心地いい声で、来訪者が訪れました。

　それは、俺らにとってのいい知らせですか、悪い知らせですか、内緒でおしえてください！！

　　　　　　　　　　　　　　　後篇に続く。 

[1回]