「かくありて　こうなる　　　後篇　」
 

　頭がよくて、長身で、すでに自分の会社を持ってるとかいう、最高級のいい男！！

　だが、なぜか在校生である先輩がたからは気にされてはいない。（新入生ばかりが群がってるの、なんで？）

　今日は、チラシにしといたから。

　ごちになります。

　俺も喰わしていただけるんですか、それ！

　欠食児童のごとく、すり寄りたい思いだった。

　仕事、おわったんでしょ？　帰ろう。

　ぞわっときた、そわっときた、なにこの甘い声！！

「せ、先輩…っ」

　真横にいた先輩の服の袖を掴んでみた。

「　…まだだ、後輩　」

　まだ、先があるんだ。

　――なんすか、そのあきらめの表情！！

「……」

「健二さんの好きなワイン持ってきてくれるって」

　――　好きでしょ？

　より格段の甘さああああ！！　なに、このえろい声！！！！

　腰にくる、俺男なのに！！

好きでしょ？

「……」

　―――好きなんだね、それ。

　小声で、小磯先輩がなんか呟いた。

　残念ながら、俺の方からは聞こえなかったけど、エロテロリストの方にはしっかりと声は届いたらしい。

「うん、そうだね」

　嬉しそうな笑顔で、顔面犯罪者は微笑んだ。

「ごめんね、それから許してくれてありがとう」

　愛してるよ。健二さん。

「せ、先輩！　あ、あそこにっ……」

　人外がいる！　人前であの五音を呟けるってどんな人外っすか！！！！！

　先輩！　遠い目してないで、俺も連れてって、その境地に！！

　真っ赤な顔で、小磯先輩はそう言った。

「うん、汗かいたしね、髪の毛乾かしてあげるよ」

　シャワーしたらね。

　残された場所には、沈黙。

　あの、エロテロリストは。

　ファーストコンタクトをようやく終えた俺は、生きてることに感謝しつつ先輩に聞いた。

　小磯の寝ぐせはパラメーターだ。

　何のっすか。

　犬も食わない二人がげろ甘い仲直りシーンをここで披露してくれるパラメーターだ、理解したか。

「お、うまそう」

「流石だ、池沢。愛に生きる男」

「こんな旦那欲しいわねえ」

　割り箸を割る音。

「美味い」

「美味」

　そのまま、つまみだす面々。

「お前も、早く慣れろな」

　だいたい、半年もしたら慣れるからあれ。

　めいさまに捧ぐ！

　いやあ、難産でした！　大学なんてしりませんｗ

　お言葉に甘えて、日常ギャグ。第三者視点で逝ってみました。

　うん、なんかしょうもないことで痴話喧嘩してるらしいよ、こやつら。相手に関心もてなかったら終わりだもん。楽しんでやってるよ、痴話げんか。

　おもに、被害は周囲の方ですが。

　大学に浸透したバカップルですねｖ

　こんなんで、満足していただけたでしょうか。では、今回もありがとうございました。

　―――…佐久間。

　―――とりあえず、今年に入って８回目だよ。

[7回]