「告白」

　君にあげたい言葉が一つ。

　積もり積もって、言葉じゃ足りない。

　――――――――君のことばかりを、愛している。

「夢を、みたんだ。この前」

　言ったのは、小磯　健二。久遠寺高校の二年男子。現在、上田に里帰り中。（親族ではないけども）

「…どうしたの？　いきなり」

　答えたのは、池沢　佳主馬。世界一男前な１３歳。納戸という名のお城に引き籠り中。

　この二人が恋人じゃないのは何故だと突っ込みたいのは、陣内家に集った親戚御一同様。

　ばればれよね。

　ばればれだろ。

　恋が実った暁には、赤飯と鯛の尾頭付きだろうとは、台所の主（陣内　万里子　●歳）のお言葉。

「――――――ふふ」

「なに？　その笑い」

　気になるんですけど。

　くるりと、向かっていた自分のＰＣから目線を外して、佳主馬が健二を見つめた。

「あのね？」

「だから、なに？」

　嬉しそうに佳主馬に話し出した健二に、照れのあまりでふて顔の１３歳。

「佳主馬くんと一緒の夢だったんだよ？　それ」

　その夢みたいで嬉しかったんだよ？

さあ、答えはどうする。１３歳。（初恋相手は、まだ無自覚な告白だとは気付いていない）

　納戸の入口を通った玄関にて、今日の夕飯のメニューは赤色か白色かとトトカルチョ中の大人が一杯。―――――駄目だな出歯亀な親父―ズ。

「――――健二さんって、やっぱり最強だよね」

　今日も宴席な上田での夕食。

　テーブルの上には、赤い赤飯と鯛の尾頭付き。

　それを見てちゃぶ台返しをしたい衝動を無理やり抑えた佳主馬が呟いた。

「そんなことないよ？」

　今日も、自分を知らない１７歳の恋人は、首を振った。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了　ｂｙ　御紋

最後の締めは甘いギャグで。

久しぶりに、ｓｓらしいの書けた。やったね。