二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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41歳健二さん!
   15
「貴女は、何を云われるつもりですか」
 問いかけた言葉が夜の空気を震えさせた。
「そう。――――私の共犯者になって欲しいとお願いしたいだけなんだよ」
 死を覚悟したその人は、―――美しかった。
 どこかで硫黄の匂いがする。
 ん? おかしくね?
 だって、そんな慰安旅行じゃねえんだし、温泉くんだりまではさすがに俺今回は行ってねえぞ、おい。
 ぱちくり。
 疑問符とともに目覚めた場所は―――野外だった。
「………あ?」
 ここどこ?
 きょろきょろとあたりを見回して、もう一度叫んだ。
「――――なんじゃい、こりゃあああああああああ」
 見慣れたはずの風景の中で、見慣れた邸だけがなかった。
 夏の風が涼しく感じられる正午も過ぎた午後の日。
 ―――――噴水状に突出した温泉水が、見事に虹を生じさせていた。
「あ。健二が目覚めた」
「ああ、そりゃよかった」
「よし、これでネコの手ゲット―!」
 健二は力だけはあるからなあ!!!
 なけなしの今回の立役者への献上品とばかりに、俺の身体にかけられていたのは上田の特産品である上田紬で織られた羽織りでした。
 うわあああ、高いものをありがとおおおお。
 目の前で笑って手を振る消防三兄弟からは起きた瞬間から、『男は働け、逃がしゃしねえぜ』などという無言の要求が発生していたが俺はあえて触れなかった。
 ねえ、ちょっとは休ませてくんない? 俺のこと!!
 涙でちょちょきれそうです、俺の心と体!!
「お? もう目覚めたのか。やっぱり若いねえ」
 いいねえ、若者は。
 笑顔で寄ってきたのは陣内家のエロじじ(げふん)こと陣内万作だった。
 さすがに医者としての本分はしっかりと持っているらしく、俺の顔と眼と手をとってから「大丈夫そうだね」などと笑顔で告げてきた。
 どうも、御診察ありがとうございました。
「あ、健二くん。大丈夫?」
 心配した表情で寄ってきてくれたのはやっぱり太助だった。
――――ありがとう、我が朋!!
 本気でその見事な貫録を持つ体に抱きついた。
 俺の癒しはここにいた! 男だけど! ちょっと可愛い体格が豊満な41歳の電気屋の親父だけど!!!
 この年になっても、素直に心配してくれるお前さんがいてくれると俺は本当に癒される!!
「ん? ああ、健二。早くそこどいてくれない? 今配線いじるんですごいお前邪魔だったんだわ」
 起きてくれてよかったよかった。
 笑顔でそのようなことを告げる職業軍人は、どうにかならねえんだろうかと思う。割と本気で。
 ――でもまあ。
「…理一くんってばツンデレなんだからなああ。健二お兄さん、もう少し素直な愛が欲しいデス」
語尾にはハートマーク付き。
どんがらがっしゃん。
目の前で41歳の独身貴族仲間がこけました。
いやあ、この手つかえるなあ。
ちょっと誰か本気でデジカメ持ってねえか?
いまの理一の驚愕と蒼白の中間した顔は本気で画像に残す価値があると思うんだよね、俺。
「………新技だねえ、健二くん」
「うん、俺もちょっとびっくりした」
やや引いた声で相手してくれた太助の声に、棒読みで答えてみた。
「…因みに何に驚いたの?」
「え。―――理一への劇的な効果と同時に発生したこの俺に与えられたダメージの強さに」
 41歳でハートマークをつけることのこの痛々しさ。
 我が身へもダメージがフィードバックされるこの攻撃の今後の使用については、もう少し時間をかけて検討したほうがよかろう。
「………」
「………」
「………………どうしよう、鳥肌きえてくれないや」 
 理一と太助が無言で見詰めてくる視線の中で、ぬけぬけと呟くのは俺の仕事でした。
 ―――だって、本当に消えないんだぜ。この鳥肌。
 ツンデレの申し子にして、笑顔魔人の陣内理一だって、俺にとっては大切な友だと。
 それくらいは認めてやるよ。
 ―――なあ、素直になれない41歳くん。
 ――――――→ 16 へ
俺のタ―ン!  by41歳健二さん。
 ……このシリーズの全てがあなたのターンだと思います。健二さん。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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