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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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小磯ラビットって知ってるかい?②


 こんばんはー。

 年内にはなんとかしなきゃと思ってました。
 削除するのも、また哀しいのでww

 小磯ラビット、これにて再度UP終了ですv


 前と変わってませんが、よければつづきへどうぞ。










「そして、世界は」  ☆  
                                            小磯+佳主馬ラビット


 

「ねえ。君たちは何? 僕らはどうして、あの日を繰り返すんだ?」

 どうして?

 

 今日も「あらわし」が空から落ちてきた。

 昨日も一昨日も、そして多分明日も。僕らはたいせつな人を喪い、たいせつな人とタッグを組んで、たいせつな人を護ろうと一日を過ごすんだろう。これまでと同じように。

 ちっくたっくちっくたっく。

 でぃんどんでぃんどん。


 白と黒のウサギ達は聞いているのかいないのか。

 健二が耐えきれずに聞いた問いに答える気配はない。

 ちっくたっくちっくたっく。

 でぃんどんでぃんどん。


  ただ、彼らは歌うだけだ。


「今さらだね」

「今さらだね」


 白いウサギは、初めのころから健二の夢にあらわれていた。

   慣れた今でこそ、健二は「白いウサギ」などと呼びはするものの、彼らが何者であるのかは分からない。

ただ、いつも皮肉げに嗤い、語る。繰り返される一日の狭間で。

白いタキシードに赤のネクタイ。靴下だけははいてはいたが、ズボンの方ははいてない。白い兎の格好をした、僕と同じ顔をした何か。


「まだ気づかないの? 人間」


 やはり馬鹿なんだね。


 今日も白い兎は、健二のことを嗤う。


「気づきたくないんだろう? おニィーさんは」


 それを受けて続けた黒いウサギも、やはり健二のことをあざ笑うように口の端をゆがめて、健二のことを呼んだ。


「…………な、にを」


 黒いウサギが現れるようになったのは途中から。すでに繰り返される日々を十日は過ぎていたころからだった。

 健二が夢と呼ぶ狭間の此処での変化。それは、ここから抜け出せるきっかけなのだろうかと期待したのは、ずいぶん前の話だ。


『やあ、いらっしゃい。おニィ―さん。アナタと合うのは初めてだね。』


 ショルダー付きの黒の半ズボン。磨かれたような黒の皮靴に白の靴下。細い首に巻かれたそれは黒の蝶ネクタイ。正統な洋装の見本。けれども、着ているべきシャツだけがなぜか彼は身につけていなかった。

 白いウサギが健二とそっくりであったように、黒いウサギも健二の知る人と同じ顔をしていた。

 真黒い髪の合間からまっすぐに伸びる白いうさぎの耳。やわらかそうに毛羽立ったそれは違和感なく頭部から生えていて周囲の音を拾うように時おり動いていた。

 池沢 佳主馬。

 夏のバイトと称されて行った信州の莫迦でかいお屋敷で遭った少年。健二とおなじく繰り返す一日のなかでともにすごす少年と同じ顔の、二つ目の何か。


 チャラリ。


 金鎖の響いた音に顔をあげると、白と黒のウサギ達がポケットからお互いの懐中時計を出しあっていた。


「これは、僕の時計。短い針だけが廻るはずだった。……壊れたけれどね」


 白いウサギが語る。黒うさぎが取り出した彼の時計は確かに短針だけしかなくて。

 その時計はある時間で止まっていた。それが「あらわし」が落ちた時刻だとは気付いていた。


「こっちは僕のだよ。おニィ―さん。長針だけがくるくる周る。――狂ったようにね!」


 黒いウサギが語る。やはり白ウサギが取り出した自分の時計に頬をすりつけて。

 白いウサギのそれはまさしく金時計であったが、黒いウサギのそれは銀色の懐中時計だった。


「ねぇ、まだ気付かないの? 人間」

「まだ気付きたくないの?おニィ―さん」


 すがりつくように、恨み貫くように。健二の傍にモノクロのウサギ達が寄ってくる。


「僕の時計が壊れたのも」

「世界が繰り返すのも」



「「僕らがウマレタ、そのワケも」」



 掴まれた両腕が痛かった。夢であるなら、痛みは感じなかったはずなのに。

 

「「みーんな。知ってるはずなのに!」」



 

 くらりと視界が歪む。

 ああ、時間だ。

 見慣れた夢との別れの時間。また健二が世界に取り込まれる時がやってきたのだと、もはや感覚は覚えていた。

 眩む健二の視界のうちで、二匹のウサギたちが全ての解を解き放つ。


「僕らはね、人間」

「いつだって、歪んでウマサレルんだよ、おニィ―さん」


 

ああ、もはや何も聞こえない。


 

「何を思った? 「あやかし」が落ちて全てを喪うと思った瞬間」

「時が止まったとき、ともに居たいと願ったのはどちらが先だったんだろうね」



 白いウサギは、健二のそれから。

 黒いウサギは、佳主馬のそれから。

 




「「僕らはね、妄執という欲望からうまれたのさ」」

 

すでに健二は狭間からいなくなっていた。

 

 

そして、今日もウサギ達は歌う。


 ちっくたっくちっくたっく。

 でぃんどんでぃんどん。

 ちっくたっくちっくたっく。

 でぃんどんでぃんどん。



 

誰もいない、妄執が生んだ世界と時間の狭間で。

 

 

 

 ちなみに、黒ウサギの言ってる「合う」は誤変換ではありません。会うでもなく遭うでもなく。「一致する」の意味で「合う」と言わせたかった。文字書きの些細なこだわりです。(どうでもいいね、そんなこと)



 一部、チャットでお会いした方の影響があります。―――ですが、同じネタを語ってたら、そうなるでしょう。作品見せ合ってるんだもの。(涙)
 kさんとyさんが嫌だといわない限りは、御紋の文責とさせていただく。これは、ね。





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健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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