二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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最強健二さんの改変シリーズ。
…ばあちゃん、健二さんも家族に入れてあげてくれよ。(涙)
「母が恋いしと泣く子らよ」
2020.04.26.
その上質の床の間に飾られていたのは、戦国から残されてきた家族の誇り。
その横に用意されていたものは。
すらりと、鉄の刃が光を弾いた。
突きつけられたものは、何を見ただろうか。
「―――お前には失望したよ、侘介」
ああ、聞こえる気がする。
叫び続ける慟哭の声。
「今すぐ、死んで詫びておいで」
その決意が露になるように、長い柄の先は宙に停止して、ただ意志を示す。
「「おばあちゃん!!」」
叫ぶ声は、家族のもの。
栄の振るった薙刀は、ただ答えを突きつけ続ける。
「―――私もすぐに後を追うから」
――母の深い嘆きの声が聞こえませんか?
絶望と後悔が、――人の命を奪うこともあるのだ。
ふらつく身体を支えながら歩く。
「―――大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか、ね」
胸を押さえながら歩く人を見て、思うことがある。
何故だ。
なぜ、この姿を見ておきながら気付かなかったんだ。
―――卒寿を迎える人が、胸を押さえていることの意味を。
――あの過去世で自分はどうして。
この人の荒れた呼吸の意味を、震える指の白さを、――近づいた死の前兆を気付けなかったのか。
「――休んでください」
貴方には、休憩が必要です。
「ふふ…。怖い顔をしなさんな。――まだ、大丈夫だよ」
まだ生きている。
荒い呼吸の音が響いている。
「――休んでください。…生きてください」
あなたに――願う。
ふふふ。
「――なんですか?」
栄の小さく笑う声に、振り返る。
「おかしなところを見せたのに、――何故だろうねえ。…侘びをいうよりも感謝を言うべき気さえする」
不思議なものだ。
「………」
沈黙のなか、そっと布団を引いた。
「――横になってください。いま、万作さんを呼んできますから」
「――待っておくれ」
休むように促したその人を置いて、栄の主治医でもある三男を呼びに行こうとした。
けれど、そっと手を押さえられた。
「――あの子を頼むよ」
願われた言葉。
「―――愚かだと思うだろうか。だが、――やはり私は家族が愛しい」
だから。
「――私の家族を、――頼むよ」
「……、……は、い」
何度も口を開けては閉めて。
―――泣きそうになる自分を殺す。
「休んでいてください。―――いいですか?栄さん?」
神様。
「? なんだい? 健二さん」
顔を上げるその人の顔から、丸く細い金の眼鏡がするりと外されていた。
神様。
「――あなたも、僕が守りたい家族の一人なのですよ」
栄の私室の障子を、閉じた。
――神様の、子供になりたい。
了 by御紋
思うわけだ。
死の前兆は、あの瞬間の絶望にこそ生じたのではないかと。
侘介が言った。
『―――ばあちゃんに貰った金のおかげで独自開発できたんだから!!』
ふざけんな!!!
お前がしたことを、なぜあの人がしたことに結び付ける。
人を守ることに命をかけて生きてきた人が、それを突きつけられた衝動を、おまえは想像さえしなかったのか!!!!
初めて映画を見たときには分かってなかった感情が、これだけの時間をおいて形になった。
それが、この作品なんだろう。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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