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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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 ちょっと、無謀じゃない?この話。

シリーズというか、ネタはあっても自分で書いてたら萌えれない話ってあるよね。
姐さん、やっぱり無理だよこれ。^q^
あたしの文筆能力じゃむりですww


もしかすると、消すかも。




(2005.02.05追記)

姐さんに言われました。
「気が向いたら、挿絵を描いて上げるよ(魔法の言葉)」

―――そんなこと言われたら、書くよおおお!!(涙)

で、カテゴリー追加。

「YES、MY・LORD―――我が君」



つづきから、どうぞ。


「YES、MY・LORD―――我が君」①

 

 

 

 プロローグ

 

 

 

 

 

 初めて出会ったとき、彼はもう10歳だった。

「きみの名前は?」

「――――カズマ」

連れてこられた屋敷には、大人ばかりしかいなかった。

 燕尾服を着た男は、カズマに言った。

『君は、とても幸運な子だ。…そして、不幸な子だ』と。

父に勧められて、奉公に来た先での話だった。

 この屋敷―――ソークストーン公爵邸の執事見習いとしてやってきたカズマにかけられた言葉。。

 

「僕は、健二。――――これから、よろしくね?」

「――――イエス、マイ・ロード」

 

 ひざまずいて、答えて見せた。――父がしていた言葉と仕草を真似て。

 カズマが仕えることになるソークストーン公爵 ・k・ロード・健二に、彼はその日出会ったのだ。

 

 

 

 

 

その国の頂点にごく近い位置に、ソークストーン公爵家は存在する。

 その庭には、四季を通じて花が咲く。イングリッシュガーデン。ストーンガーデン。ヴェジタブルガーデン。そんな自慢の庭を通り過ぎて、荘厳な扉を叩けば、扉は開かれる。

「ようこそ、ソークストーン公爵家へ」

 鳴らされたドアベルに反応して、迎えの使用人が頭を下げていた。

「今日のアポイントは、主人より伺っております。どうぞ、こちらへ」

 黒の燕尾服を着たその青年の姿はまだ若い。訊けば、歳はまだ18歳だという。

 見上げるような背筋は、天井から吊るされたようにまっすぐに伸びていて見ている側の気持ちも、気持ちよくしてくれる。黒い髪と黒い瞳。少し黒いその肌が執事としては珍しいが、これは後天的なものだろう。

 見ていたこちらの目線に気付いた彼は、身体全身でくるりとこちらを向き直る。

「失礼致しました。私は、イケサワ・カズマ。――――我が主人、ソークストーン公爵・k・ロード・健二にお仕えしております。公爵付きの執事になります」

 伏せられたその姿は、艶やかでありながらも、正式な礼法を体現したものだった。

 辿り着いた先にも、やはり重厚ともいえそうな立派な扉が一つ。

「御主人さま。お客様をお連れいたしました」

 その低く伸びる声で、執事は声をかける。

「――入って」

 細く、けれどのびやかな声で中から入室を許可する声が届く。

 扉が軋む音を一つとさせずに、滑らかに開かれた。

 入った先は、その見事なガーデンを見渡せるような、当主の部屋。

 採光と居住性を維持するために設置された大きな窓。それを塞ぐことのないようにしながら、オークで作られた最高級の家具が並んでいる。

 窓を背にしてこちらを見ているのは、24歳という若さでありながらも公爵という臣民の最高位に就いているソークストーン公爵その人だ。

 若いながらも、彼は宮中における話題の的だ。いや、若いゆえにともいえるか。

 なにしろ、彼には話題がつきない。

 その若さは言うに及ばず。彼が両親を事故で失って、まだ10歳のうちに、その爵位を継いだことは有名だった。後見についたのは遠縁の男ではあったが、彼は変人で有名だった。

 ソークストーン公爵家は終わりだと、誰もが思ったものだった。

 あれからもう15年もたたないうちに、彼は変わった。

 決して、政治能力が飛び出ているわけではないけども、その数字を操る能力は貴重だった。口の悪いものは「彼は商人に生まれるべきだった」と噂をしたが。細かな数字を操って、彼は自分の領地に繁栄をもたらした。

 細かなその年の収益の予測を立てて、その領地における収穫の過不足を把握した。疾病が流行れば、その流行域を数値に顕して、医師の意見を聞きながら必要な薬を、より安価に手に入れた。

 子供たちの保護と教育を行い、地域の衛生環境を向上させた。―――福祉という意味と治安という意味でそれは全てに反映してきた。――公爵家の繁栄という形で。

 また別の意味でも、彼は有名だった。―――格好の結婚相手ということだ。

 彼はまだ独身だった。前述のように、彼は両親を亡くした。―堕ちる船に鼠は残らない――。

 親たちが定めていた婚約は破棄された。―――今になって、それは早まったことをしたものだといわれてはいるが。

 どちらにしろ、独身の娘たちと親の間で、彼は優良な結婚相手として噂の的であった。

 同年代の男たちの間では、彼は微妙な位置だ。なんというか、遊びが上手いのか下手なのか。確率のかかったゲームは得意なので賭けごとは得意だが、表情を隠すのが苦手なのでポーカーの類はいまいち。だが、チェスはそれなりに得意。―――なんとも微妙。

 だが、その表情を見てる分には面白いので、よいマスコット的存在として遊ばれている。社交界にデビュタントした頃から、なぜか某王子に気に入られてるのもポイントが高いのだろう。

「ようこそ、ソークストーン公爵邸へ」

 黒髪と黒の瞳。――そして、はにかむように笑んだその顔は、まちがいなくソークストーン公爵・k・ロード・健二そのひとのものだった。

 

 

 

 

 

 客人が帰った後、健二はソークストーン公爵としての執務に戻った。

 隣では、健二のために持ってきたワゴンの上のティーポットでカズマが紅茶を注いでいる。

「―――さて。今日のお客様はどうだったかなあ?」

 ボクのことを、なんと思いながら帰ったのかなあ?

 かじりつくように、羽根ペンを口元に寄せながら健二はつぶやいた。

「さあ? どうでしょうねえ?」

 ことん。

ティーカップに砂糖を多めに添えてカズマは健二の横へと置いた。

「ありがと」

 うん、いい匂い。

 笑顔で、健二がそれを受け取った。

 少しばかりの休憩タイム。新しく計画している孤児院の仕様書を読むのを一度置いて、健二はその少し甘めの紅茶を受け取った。好みよりもやや甘めのそれが、カズマが頭を使って疲労している健二の身体によいようにと準備してくれたものだとは知っている。醸したばかりの紅茶が温かくて、健二が執務の時だけかけている眼鏡をくもらせた。

「…まだ、怖いのですか? 人と出会うことが。――――健二さん」

 カズマが声をかけた。

 懐かしく大切な記憶の中で、健二とカズマは遊び相手だった。

 公爵家を継いだばかりの健二を不安に思ったのは、他の領地のものだけではなかった。

 それまで屋敷に勤めていた使用人たちの中にも、奉公を辞めていこうとする者たちは多かった。

 残された人数で広大な屋敷はまわらず。当時の執事長が知人の息子を引き取ってきたのは、少しでも健二に年の近しい者を置こうと思ったからだったのだろう。

 記憶の中、健二は10歳の頼りない少年で、カズマは執事という立場の意味をまだ知らない5歳の幼児にすぎなかった。

 兄弟というには年の離れた。だが、確かにどこかが通じ合っていた。

「健二」「カズマ」と呼び合って遊んだ。――――かくれんぼ。目隠し。駆けっ子。砂遊び。

 大人になった今では、それがもう通じない関係だということは、お互いが知っている。

「…少しだけね」

 手に持った紅茶の入ったティーカップが温かい。緊張で少し冷たかった手が温められていく。

「カズマ。――――今は二人だけだよ?」

 呼んでよ。――ボクの名前を。

 首をかしげて健二が促した。―――もう、呼ぶ者も少なくなったその名前を呼んでほしいと、さみしさを埋めるように。

 そのさみしさが、親を失った雛がもつものであることは、健二自身も理解はしている。

 それでも、公爵としての立場にふさわしいと認められてきた今だからこそ、「ソークスト―ン公爵」としか呼ばれなくなったことが哀しい。―――――まるで、どこにも自分がいないようで。

「ねえ、いいでしょ? …御褒美ちょうだい」

 にこにことねだる姿が、24の男には見えなかった。―――なにしろ童顔だ。食の細さゆえに細身の身体はなんとか上質のスーツでごまかされてはくれるけれども。まだまだ20でも通じそうだとは、健二の友人である王族の一人、佐久間の台詞だ。

「健二さん…」

 いったい、なんのご褒美だというつもりですか。

 健二付きの執事となったとはいえ、本来ならばその身分差は超えられない。執事としての職分を言うのであればあくまでも、カズマは「御主人さま」と健二を呼ばなくてはいけない。

 だが、「あまりにも、それは寂しい」と健二が願ったからこそ、二人の時だけ「健二さん」と呼ぶことにしたというのに。――――カズマにだけ甘えてくれることは嬉しいとも思うのだけど。

「え? もちろん、今日も元気にお仕事してることにだよ?」

 にこにこと悪びれる様もなく、健二が言った。

「…御褒美って、毎日上げるはめになりませんか?それだと」

 即座にその健二の言葉に突っ込もうとして、佳主馬はなんとかこらえた。

 ―――危ない危ない、言ったら最後、毎日御褒美くれればいいんだよと言われるに違いない。

 流石に主人にそう言われたら、カズマの身分では拒否できなくなる。

 『執事は、御主人さまに恥をかかせてはいけません。』

 執事の教育の際に、何度も繰り返されていた文句を思い出した。

 『執事は、ご主人様の品格にふさわしい行動と態度を常に心がけなくてはいけません。』

 追加して、その文句も思い出した。

「佳主馬?―――ご主人様の命令だよ?」

 にこにこにこ。

 空になったティーカップをテーブルに置きながら、笑顔で健二に言われた。

 ………(ため息)。

 

「あんまり、無理言わないで下さいよ」

 

 7つ上の幼馴染で遊び相手で、それから一生をかけてお仕えすると決めているご主人様に、佳主馬は新しい紅茶のおかわりを注いでみせた。

 

 

 

「健二」

 

 

 

 

 

                                了 by御紋

 

 

 

健二を公爵にするか伯爵にするかでストーリー展開が変わる予定だったこれ。

…難しいよね。身分差主従。

そして、文体変えたら、推敲多すぎて更新頻度が落ちる堕ちる。

 

やめていい?これ。

 

 

 

補足

ソーク→濡れる。ストーン→石。=ソークストーン(濡れた小石…みたいな)

小磯を直訳するにはちょっと納得できず、こんなねーみんぐだったり。^q^

 和英辞典。ひさしぶり!(敬礼)

 

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活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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