二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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――思うことは、一杯あるけど。
いまは、このお話が無事に終れることを祈る。
「最強健二さんの改変シリーズ」
「生きることと、死に逝くこと」
2020.04.29.
用意されていたかのようなその道具と薬品で、昨日の騒動で体調を狂わせた栄に処置を施したのは、池沢聖美だった。
「――産休中で腕が鈍ってなくて、助かったわ」
細く分岐して固くなった老女の血管に点滴を施したのは、看護師だった彼女の仕事だった。
ゆっくりゆっくりと落とされる、その薬液が通る管の路には、いざという時に薬品をすみやかに身体へ吸収させるホットラインともいえる役割がある。
いまは、大丈夫だとはいえども。
薬があるなら使えばいいというものでもない医療の難しさに理解を示せる一般的な家族は少ないだろう。
医師である万作は語った。
「――高齢であることがどうしても危険因子になるんだよ」と。
薬物の吸収と排出を考えるとき、その答えは導かれる。
大量に投与された薬物は、同様に大量に排出されなくてはいけない。
薬には作用と副作用があり、それらは決して別に考える事が出来ないからだ。
薬と呼ばれる物質が、ときには毒とも呼ばれていたことを忘れてはいけない。
蓄積されやすい老人の身体に、余分な薬は投与するべきではないのだ。
高齢と呼ぶにふさわしい栄の身体を、健康な若人と一緒にしてはいけない。
嚥下・消化・呼吸・老廃物の排出・有効成分の体内での運搬――すべては衰えてしまっているのだ。
「――生きるということが、簡単に買えるのだとは思うべきではない」と。
年老いた医師が哀しげに語っていたことを、健二はよく覚えている。
昨夜の遅く、点滴のために栄の部屋で付き添った聖美と万里子は交代で休んでいた。
気付いたのは、万里子だった。
「おばあちゃん!!」
叫んだ声で、聖美が目覚めたその時。
――栄の呼吸は、停止していた。
「――叔父さんを呼んで!! あと、救急車!!」
――――はやく!!!
それは、まだ朝も来ない夜のうちのこと。
人が死への旅路を辿る時間だと、過去の人々が語った時間。
―――長い一日の、始まりだった。
了 by御紋
……勇気が必要でした。
単純な大団円で終わらせたいなら、ここからの部分は書くべきではなかったんです。
ですが、それでは私の心が納得しなかった。
栄さんの命が危機に陥ることなく助かるだけの御都合主義で終わるのなら、きっと私はこのお話を書かなかったでしょう。
健二さんを通して、私の書きたかったなにかが皆様に伝わるように祈るばかりです。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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