二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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長いので、折りたたみます。
【病みだか闇だかわからない罠】 ☆
「お前さんに、覚悟はあるかい?」
タヌキとキツネの化かし合い。
世間ではそう云うのであったか。
小磯健二は、納得する。
「どうなんだい。……夏希を幸せにする覚悟はあるかいと訊いている!!」
目じりを釣り上げ、老女は健二に問うた。白髪は老女の過ごしてきた年月を見事に表してはいたが、それらは彼の大タヌキの腹のうちとは真反対の色だなと健二は思っていた。
「バイトしない?」
「?」
そう、先輩が言いだしたのは夏休み直前のこと。
「私の田舎に一緒に行って欲しいの」
「旅行費は?」
「うっ! お、おごるさ。勿論」
健二の頭の中で数字が躍る。OZのバイトは所詮は末端の末端。元々が佐久間との暇つぶしのようなものだ。
「日給3000円。移動時間含む。旅行費とその他雑費はそっち持ち。追加で、2回はこっちのいうこと聞いてもらいますが」
「でえ。足元みられた!!」
やいのやいのといいつつも、結局はほぼ健二の言い分を夏希が呑む形で話は決まった。
しゃあない。交渉成立。手を打とう。
まあ、たまには旅行もいいでしょう。
と、両者が妥協した瞬間、脇から横やりが入った。
「待て待て。どうして、そこで俺に声をかけんのだ。君たち」
「佐久間はOZの保守整備のチーフだろ。さすがに無理だ」
「眼鏡には怪しまれる要素しかないというのが、家の家訓なのよ」
「そりゃまた、合ってるような合ってないような微妙な家訓ですね」
「そこは、うちだから」
和気あいあい。ほの暗い闇がみえるのは気のせいです。
「……」
佐久間、全否定。
「どのみち、佐久間の夏はOZに食われたようなものなんだから。あきらめろ」
「あきらめて」
土産は、おやきでいいだろう?
友人一名をカビ臭い部室の隅に押し込めて、たどりついた信州でこの問答。嵌められたかと思いつつ、バイト料の増額についての算段を健二はしていたところだった。
なので、つい。
うっかりと返事するのを忘れていた。
「……」
老女はまだ、健二を睨み据えたままだ。
夏希を見れば、話をあわせろと合図するのに忙しい様子。
「……」
健二の頭を数字が躍る。どう答えるべきか。
計算途中で、健二は頭の中の電卓を御破算にした。
「……いいえ」
計算するまでもない。
更に目を釣り上げた老女を見ながら、健二は続けた。
「夏希先輩は僕がいなくとも、一人で幸せになれる人ですから」
あなたに似て。
うるさい程の小鳥の囀りが聞こえるなかで、沈黙は舞い降りた。
「はっ! よくやった夏希! これでこそ、陣内家のよい婿さんだよっ!!」
高らかに笑う老女。
この家には、魔女がいる。
そう告げていたのは夏希自身だったが。
その総元締めは間違いなくこの老女だろうと、健二は冷めた視線で嗤う老婆をみていた。
了 by御紋
これをもって、病み健二というより、陣内家S説。栄が黒幕説とするのはありだろうか?
とりあえず、栄ばあちゃんを神格化してる御紋にとっては頑張った方だと言っておきたい。
病み健二というより黒健二のような…スレ健二?(泣)。あれーー?(汗)
病みな茶会に自主的に準備していったお土産。
どこが病みなのかと、自分でも違和感。
うん、精進しようね、御紋。(涙)
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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