二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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最強健二さんの改変シリーズ。
今度の番外は、万作先生で。
万作さん視点
「万作先生、出番です」
2020.04.28.
「―――先生、忘れちゃいけません」
それは、仕事先の看護師だった。
「――――備えあれば憂いなしって言うじゃないですか」
実母の誕生パーティーのために、明日からの仕事休みを貰った陣内万作(医師)は、言われながら不思議に思った。
普段なら、持ち歩かない救急薬品までもが詰め込まれている。
ちょ、それ――…いいのか? 高額薬品だよ?
「―――そんなに、詰め込まんでもいいじゃないか」
重いよ。
「――命の重みと思って、頑張ってください」
にっこり笑顔で、その看護師は言った。
目が真剣すぎて、『君、やりすぎじゃないのかい?』と言ってやることは出来なかった。
看護師、甘くはないからな…。
看護部の一人である彼女は、その日の仕事の終わりに万作に与えられている個室へやってきた。
「――明日は、上田まで行かれるそうですね?」
「――ああ、毎年のことだろう?」
笑って、万作は答えた。
「――忘れ物はありませんか?」
「――いや、いつものとおりのバッグを掴んでいくだけだよ」
あとは、嫁がなんとかしてくれる。
連れ合った妻に、すべて任せるしかない夫です。
「――では、拝見させてくださいね」
「――は? 拝見?」
奪い取られた医療バッグは、彼女の手の中。
どうしたことやらと思いながら、こまこまとした帰り仕度を続けていると。
「――全然、なってませんね」
と、駄目だしをもらった。
「――なんのことかね?」
分からなかった。
「あれもこれもそれもどれも、――足りません」
…はあ。
代名詞が上手だねえ。キミ。
「――持っていってください」
袋の中身はおよそ2倍の面積と、4倍の重量に育っていた。
「――多く、ないかね?」
「――多く、したんです」
………。
「減らすことは、許しませんよ。先生」
「はいはい」
医師と看護師。
法の上では、主は医師だが。
多数決の法則でいけば、医師だって弱くなるんです。(<看護師)
――まあ、車で行くから、多少くらいは重くてもいいが。
――邪魔、なんだがねえ。
その時は、そう思ったのだが。
「――おばあちゃん!!」
「―――はやく、さがれ!! いま、AEDが作動する!!」
勝手に追加されていたその救急薬品のアンプルを注射器に詰めながら、万作は思う。
――命の重みと思って、頑張ってください。
持ってきてよかったな、と。
そして。
気にかかるのは。
『―――一番大事な魔法、なんですって』
最後に彼女が言った言葉。
(――どんな魔法だったのやら)
とりあえず、その魔法のおかげで大切な人は生きながらえられそうだ。
上田の病院で働く、数学マニアの弟を持つ彼女には、今度手土産でも持参しようか。
了 by御紋
…好きだね、脇役作るの^p^
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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