二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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死生観、というのは千差万別。
時代にも、立場にも、左右されるだろうけれど。
生者と死者は、区分されるべきというのは。
東西南北、昔からの暗黙の了解です。
最弱健二さんの物語り。⑤
「 死者は、生者ではないのです 」
2010.07.12.
小磯健二は、時折熱を出す。
壊れた機械や古い機械が、稼働熱を吐き出すことに失敗するように。
彼は、自分が生まれ持った身体がどこかで間違った奇形なのだと知っていた。
「―――どうだ、使えるか? 」
上田が誇る第二次上田合戦の説明を終えて、万助が健二に尋ねた。
「 頂きます 」
そして、男たちは散って、戦いの用意は始まる。
「 佐久間 」
青い草の匂いが立ちこめる畑の中で、小磯健二は親友の名を呼び、最初で最後になるはずの戦いの応援を頼んだ。
[ な~に? 何を始める気? ]
寝ぼけ眼の友人は、外していた眼鏡をかけながら、そう聞いた。
「……合戦だよ 」
最初で、最後の、――命をかけた真剣勝負だ。
ワールドクロックが0を三つ連ねた後で、その戦いは始まった。
戦いは、皆の協力のもとでスムーズに進んでいった。
最後に。
「――これで終わりだ 」
ぱたんと閉じた扉を見送り、水没する姿をみて安堵と達成感を得た。
その直後。
エラー音が鳴り響く。
「この暑さでばあちゃんが腐っちまうって時に、お子様はのんきにゲームかよ! 」
「―――まえのせいで 」
たった一度の最後のチャンス。
そうして挑んだ初陣は、思いもかけぬ伏兵によって負け戦へと転じた。
「 おまえのせいだ!! 」
殴られる姿を、当然だと思いながら見つめた。
逆ギレして、健二を詰るその言葉にももはや耳を傾ける気もない。―――それでも、語ろうと思ったのは何の気まぐれだったのか。
「―――死んだ者にかける心配りは出来ても、生きる者にかける気配りは持てませんか? 」
「あ? 」
「―――僕らが、意味もなく騒いでいたと思うのならば、あなたには何が見えるというのでしょうか? 」
ただのゲームであるというなら、なぜこれほどに大がかりな仕掛けをしてまで、今このときに時間をかけて用意していたと思ったのか。
「 死者は、何も語りません。暑さも恐怖も苦しみも。―――彼らは全ての苦しみから解放されたのですから 」
死者は、今は魂の安らぐ場所へ。
あがくものは、生者ばかりだ。
―――いつか訪れる死を、悔いを残さず受け止められるようにと願って。
了 by御紋
―――・あれ?
翔太兄にきついなあ、この健二さん。^^;
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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