二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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おつです。
少女マンガ脳がささやきました。
その結果はつづきでどうぞ。―――こんな二人が好きだ。
「甘美な毒に溺れて死んで?」
                     2010.04.15.
コーヒーを入れた。
 佳主馬くんの専用マグカップにミルクを半分。健二のものにも同様に。
 最後に、角砂糖を一つ。
―――あまいあまい、毒を一人に一つずつ。
君と僕のコップに入れた。
「お邪魔するよー」
「――――」
 熱い湯気の立ったマグカップを、両手に抱えて仕事部屋へ移った。
 いたのは、プログラム中の池沢佳主馬。――健二の同居人で、恋人。
「―――どうぞ」
 大きめのパソコンデスクの脇へと置いた。
「―ありがと」
 pc画面を向いたまま、佳主馬くんはお礼を言った。
………。
 ―――。
「…甘い」
 無糖がいいって知ってるでしょ?健二さん。
 マグカップの中身を一口すすった後、佳主馬くんが振り返った。
「―――美味しいでしょ?」
 糖分は脳内の栄養です。
「……すいません」
「どうしたの? 佳主馬くん。どうして謝るの?」
 にこにこにこ。
 笑顔で健二が問いかけた。 
「――――健二さん、怒ってるじゃない」
 硬い表情で、佳主馬が言った。
「…別に。――約束してたデートを破棄して仕事こなしてるだけじゃないか」
 僕だって、暇つぶしにすることくらいあるし。
 言い分はふてくされたそれだった。
「…ごめんなさい」
 でも、俺だってデートしたかったんだよ。
 佳主馬はそう言った。
「―――じゃあ、はい」
 ぽちゃん。
 一粒の角砂糖が、佳主馬のマグカップへと新たに投下された。
「―――健二さん…」
「飲んで?」
 ぽちゃん。
 自分の分にも追加した角砂糖が一つ。
甘い甘い毒を上げましょう。
 一緒に命を終わりましょう。
「……一番ばれない殺人方法って、何か知ってる?」
 ぽそりと健二は呟いた。
「?」
「――毎日、一さじのお塩を相手の食事に混ぜるんだってさ」
 そしたら、相手が先に高血圧になって死んじゃうんだって。
「…気長だねえ」
「そうだね」
「――砂糖だったら糖尿病?」
「それか、肥満」
「…肥満のがきついなあ」
「――糖尿病も末期はすごいらしいよ?」
「怖いね」
「怖いよ」
 ずずず。
 甘くなったコーヒーを、二人で啜った。
「………一緒に死ねるなら、それでいいけど」
 溶けきれなかったドロドロになった砂糖がマグカップの底に見えた頃、佳主馬くんがパソコンに打ち込みながら呟いた。
「………一緒に死にたいねえ」
眺めていた数学本をぱたりと閉じて、健二が呟いた。
「――― 一緒に死ぬまで、一緒にいたいね」
心中というには、曖昧な。
 毒殺というには、無計画。
甘い毒を一緒に呷りましょうか。
 一緒に生きて、一緒に死んで。
おぼれそうなほど、甘い毒を舌の上で味わって。
永遠に、二人で生きて死にましょう。
                    了 by御紋
 甘いお話が書きたくなったんです。
主婦(夫)は大変。―――毒なんて、どこにでもありますよ。
 問題は自制しようとする良心があるか否かです。
 選択肢が二つしかないと思うほど、追い詰められてしまうことこそ、哀しいと思いますが。
 支え合って、生きればいいじゃないかと思う。――いちばん、難しいことですけどね。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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