二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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お久しぶりに、その後の久遠寺タウンですv
奈々さんが別人です。
…このシリーズではよくあることですよね^q^
どうぞv
久遠寺タウンOZ物語り(仮)
企画
サマ―ウォーズDVD&BLD発売おめでとう & ひなまつり記念
「今日は、女の子のお家へお呼ばれしました」
「ねえねえ、健二くん。今日ひなまつりパーティーするから来ない? 健二君のお家のちびちゃんたちも入れて」
隣の家の新妻に誘われました。
「―――――雛祭り?」
「うん。ひなまつりv」
ニッコリ笑顔の新妻は、男の子な健二を誘っています。―――女の子のためのパーティーに。
「奈々さん…」
おれ、これでも高校生男子……。
「おいで?」
「いやあの…」
「おいで?」
「あの――」
「来てくれるのね、ありがとう。待ってるわ」
ピシャン!!
―――俺、何も言ってない。
肯定以外の返事は要らないとばかりに、隣の新妻が顔を突き合わせていた窓を閉めて、去っていった。―――とてもいい笑顔のままだった奈々の残像が、健二の頭のなかをぐるぐると回っている。
「わあ。ひなまつりですか。楽しそうですねえ」
「―――ごちそうがあたるなら、仕方ないですね。行ってあげましょうか」
背後から、うきうきとした声の仮ケンジと初期ケンジの会話が聞こえた。
あ。―――――終わった、俺の3月3日。
友人と遊びに行く予定だったはずのその日の予定がすべて崩れ去ったことを、小磯健二(17)は悟ったという。
桃の花、右近の桜、左近の橘。三人官女に五人囃子。
嫁入り道具を携えて、お雛様とお内裏様は最上の場所で幸せ来るのを待っている。
桃の節句、上巳の祓え。
ひひなを流して、願いましょうか、この子の幸福。この子の幸い。
―――願いましょうか、愛しい子供たちの幸(ゆき)の途(みち)。
「はい、いらっしゃい、トリプルけんじくんたちv」
笑顔で出迎えられたのは、小磯健二と初期ケンジと仮ケンジ。
「――奈々さん、その『トリプルけんじ』っていうのは…」
「え? 間違ってないよね?」
「――はい」
なんでだろう。この人の泣きぼくろが印象的な笑顔を見てると否定の返事が出来ない。(がくぶる)
隣の家に嫁入りしてきて2年目の新妻がなぜか怖い高校生男子であった。
「お邪魔しまーす」
「仕方ないので、来ましたよ。で? ごちそうは何処ですか?」
続々と繋がって、健二のアバターたちが挨拶をした。―――初期ケンジが正しい挨拶じゃないのはいまさらだ。
「はいはい、こっちよ、初期ケンジくん、仮ケンジくん」
ぞろぞろぞろぞろ。
美味しそうな匂いが漂う和室へと素直に誘導されていくアバターs。
――――ハ―メルンの笛吹きを思い出した。(寓話)
一人暮らしの男子高校生な小磯家に、時折手作りのおかずを恵んでくれている奈々のご飯の熱狂的なファンでもあるアバターどもにとっては、今日はとても楽しみなお祭りの日だったからである。
「あ、こんにちはー。加奈ちゃん」
「………」
おしゃぶりを口に銜えたままの隣家のお姫様―――陣内 加奈(2)が無言で振り返った。
じ―――。
「―――奈々さん」
「あら? いやあね、加奈ってば健二くんが大好きなんだから、もう」
にこにこにこにこ。
じ――――。
――――いたたまれない。
桃の節句は女の子の日。――――今日の主役に無言で見つめられることにすごく申し訳ない気がする17歳の草食系男子であった。
「――――奈々。僕はあっちの大きなチョコの飾りと苺の部分を所望します」
「――――(だらだらだらだらr)」
しっかりと和室の中央に供えられたひなまつりパーティーの御馳走ののったテーブルに勢いよく正座して席取りをした初期ケンジと仮ケンジが後ろで主張していた。
――なぜか、この家来ると聞き分けいいよね、おまえら。
我が家でのお食事タイムでの混乱を思い出しながら、健二はひそかに心で嘆いた。
「あらあら、今日は女の子の日だから、女の子優先よ―」
笑顔で奈々が応対していた。
…ならば、何故男の子を誘ったのか教えてください。
心の中だけで、健二が疑問を問いかけた。
「………」
「………」
何かをいいたげな目つきで、初期ケンジと仮ケンジがこちらを見ていた。
否、健二ではない。
いつのまにか、健二のお膝にしっかりと乗っていた加奈に対してである。
「さあ、加奈はどこがいいかしらねー」
うきうきと、奈々が愛娘に尋ねた。
えと、2歳児にケーキって、食べさせて大丈夫でしたっけ?
子育てを知らない高校生男子は、自分の疑問についてはスル―する方向を選んだ。
何度も言うが、自己防衛本能は大事です。
「………」
つんつんつん。
「? なに? 加奈ちゃん」
お膝の上から、健二の着ているシャツをつついた加奈が見上げていた。
「ん」
「?」
小さな指でひなまつり用のケーキを指差して、加奈が何かを示していた。
「?」
「??」
「???――!」
健二が小首をかしげた。
初期ケンジが小首をかしげた。
仮健二が小首をかしげて、――――転がった。
…頭の重みが、敗因です。
「ん」
「?」
ケーキを指差すと同時に、加奈が健二を指差した。
「…あらあら、まあまあ」
何故か、奈々が頬をあからめながら健二に微笑んだ。
「健二くん。加奈にケーキをとってあげてくれるかしら?―――ついでに、食べさせてあげて?」
ハートマークが乱舞するような声音で奈々が言った。
「は?」
食べさせる?
笑顔で、奈々が加奈用の小さなプラスチック製の幼児用の皿とフォークを差し出した。
「―――え?」
本気?
奈々の手作りらしいひなまつりケーキが、そっと乗っけられた。
「え?」
きらきらきら。
昭和の少女漫画のように、目を輝かせて奈々がこっちを見つめていた。
きらきらきら。
同じく、某野球ど根性親子物語り(少年漫画)のように、初期ケンジと仮ケンジが残された苺と飾りのついたケーキを見つめていた。
「え?」
あ―――ン。
加奈が大きく口を開けていた。
―――――空気を読めちゃう日本人な自分が嫌いです。by健二
ぱく。あむあむあむ。
健二の手によって加奈の口に甘いひなまつりケーキが捧げられた。
小っさな鼻のてっぺんに白いクリームがのっかてしまったのは愛嬌でしょう。
あむあむあむあむ。
小さなお手手で口元をいじりつつ、加奈はデザートを食べている。
いつのまにか、赤いREC中のビデオカメラで御満悦なのは奈々である。
…いつのまに。
この場にいない加奈と奈々を溺愛している大黒柱。――陣内邦彦(42)のことを思い出した。
――あれを見られた暁には、軽く邦彦さんに締められそうだ。首のあたりを、きゅっと。
健二の死亡フラグである。
「…奈々さん。それ、消してください」
「嫌です」
にこにこと、愛娘の記念写真(恋のメロディ的ななにか)を撮れた奈々はご機嫌な口調で、しっかりと健二の要請を拒絶した。
初期ケンジと仮ケンジは奈々の出すサインを待っている。パブロフの犬のごとく、涎を垂らして目を血走らせながら。
ちょんちょん。
健二の胸元をまた引っ張られた。――――加奈だ。
あ―――ん。
大きな口を再び広げて待っている。
「………」
「健二くん?」
にこにこにこ。
デジカメを抱えたままの奈々が、沈黙する健二に向って、声をかけた。――もちろん、赤いランプは点いたままである。
「―――今日は、なんの日だったかしら?」
―――答えを知っていた自分を健二は不幸だと思った。
「…女の子のための日です」
では、素直に女の子のいうことは聞いてください。
今日は、桃の節句。―――女の子の喜びの日であります。
了 by御紋
えへへ。
平成22年3月3日(水曜日)。――――映画「サマ―ウォーズ」のDVD&BLD発売日であります。(敬礼)
桃の節句ということもありまして、勝手におめでとう記念と称して、久しぶりに久遠寺タウンで書いてみました。
奈々さんと加奈の親子でしか、ひなまつりは書けませんでした。
好きなんだよね、この親子ww
また書けて嬉しかったよ、久遠寺タウンwww。
――いいかな?健二くん? ホモとショタは別にいいが、ロリはこの俺が許さねえぜ?
――痛い痛い痛いです。邦彦さん!!
帰宅した隣家の陣内邦彦(42 親馬鹿)が、健二にヘッドロックをかけたのは、間違いなく昼のデジカメ映像を見たためなのは確実だった。
―――おまえはウサギの王様とくっついてりゃいいんだよ!
邦彦が言った言葉が誰のいいたい願望なのかは、健二は知らなかった。
補足
「…腐った怪獣の本音でしょ?」
「―――公言してますから。かずけん信者だって」
食後のお茶を湯のみで啜る、初期ケンジと仮ケンジであった。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
こちらでは、二次創作を展示させていただきます。
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