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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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砂はきたい甘さでお届けします^q^


 いつも、ありがとうございます。
 おかげさまで、たくさんの方がいらしてくださっています。
 DVD効果でしょうか。

 …王道ネタでしょうが。
 御紋風味ウインターウォーズ。――――どうぞ。






「 告白(winter wars vr) 」

                  2010.03.07.     

 

 その冬は、繰り返し東京駅に通った年だった。

 理由は明白。

 名古屋から遊びに来る中学生を迎えにいっていたからだ。

 

 

 

「…佳主馬くん」

「ん? ふぁに? 健二さん?」

 歩く先は、近所の公園。

 寒い冬に、幼い子供たちはいない。

 そうでなくても、今はゲーム時代。――今頃は、温かな室内で、ゲーム機相手に没頭してる頃か。あるいは塾通いの毎日かのどちらか。

コンビニで買った中華マンの温かな湯気が、肌に心地よい冬のこと。

 誰もいない冬の公園。―――木枯らしが揺らすブランコの音がわずかに響いた。

「―――――僕、佳主馬くんのことが好きだなあ」

 ぽつりと言葉は落ちる。

 買った肉マンは、まだ半分までしか食べてない。

 交換しようかと言いながらも、食べつくしそうな中学生の勢いをにこやかに見守りながらいた健二の言葉。

「ん?」

 なんのこと?

 あふれ出てきた肉汁を、舌で舐めながら答えたのは池沢佳主馬。

 脈絡もなく浮かんできた言葉に、疑問が返るのは当然のこと。

「………あ、あれ?」

 ――――僕、今何て言ったの?

 ………。

「!」

「――健二さん?」

 いきなり、赤面した健二に佳主馬が問いかける。

「………」

 廻り込むように、佳主馬が健二の顔を覗き込もうとした。

 早い冬の夕暮れが、赤面した健二の顔を隠してくれることを期待した。

「…健二さん?  いま、なんて言ったの?」

「………」

 疑わしげに尋ねてくる佳主馬の顔を見つめ直せないままに、健二は顔を反らす。

「――――ボクが好きだって言わなかった? いま」

 答えは、返せない。

 思い出せば、それは間違いなく健二の本心の言葉だった。

 なんで、…なんで、こんなこと此処で言ってんだよオおお。

 帰宅途中の公園なんて。

 しかも、片手には肉マン(食べかけ)。

 …ありえないだろおおお。

 数分前の自分に突っ込みを入れたくなった健二だった。

「…え? あれ? ようやく、気付いたの? 健二さん」

 間近に迫っていた佳主馬の顔が、呟くのを耳で聞いた。

 触れあいそうな佳主馬の黒髪が、さらりと音を立てたのを聞いた。

「―――え?」

 気付いたって? ――――え?

 まさかと目を開けて、その佳主馬の顔を見つめてみれば、そこには。

 ――――不敵に笑う、王者の笑み。

「知ってたよ? ――――僕も好きだからね」

 健二さんのことが。

 言い終わると同時に、健二の顔を抱きかかえるように手繰り寄せた佳主馬が健二の頬にキスを送る。

 ちゅ、ちゅ、ちゅうううう。

「え? …ええええええ?」

 …なに、それええええええええええええええ!!

 閑静な住宅街の公園で叫んでしまったことは、…仕方ないと思うんだ。

 

 

 

「あ…あ、ああの……」

「―――なに?」

 ちゅ、ちゅ、ちゅ。

 繰り返されるバードキスが、終わらない。

「…佳、佳主馬くんはいつから!」

 ―――僕のことが好きだったの?

 そうやって、最後まで言い切れるなら、苦労はしない。

「ん?」

 ようやく、停まった佳主馬の行動に健二は素直にほっとした。

「いつって、―――――あの夏からだよ」

 決まってるじゃない。

 公園のベンチに座って、二人で話した。

 湯気もおさまって冷えた肉マンは、もう食べる気にはなれない。

「い、って―――まさか、上田からあああああ!!?」

 ――そ、そんな早い時期から???

 思い返しても、心当たりがない自分の記憶に顔がほてる。

「―――そう」

 だから。

「―――東京まで通ったんでしょ?」

 にやりと言い放って、佳主馬は健二の額にキスを落とした。

 

 

 

「な…なんで」

 僕のことなんかが…。

 コンプレックスがまだ根強く残っている自分を健二は知っている。

 たとえ、あの夏に世界を救ったのだという達成感があったのだとしても。

 ―――OZの王様の横に並び立つにふさわしくない自分を知っている。

「さあ? ただ、好きになったんだ。―――たぶん、あなたの心の強さが好きになったんだと思う」

 佳主馬は、ただそう言うけれど。

「う……そんな」

 …そんな立派な人間なんかじゃない。

 心がひどくうろたえている。

 そんな風にいわれたことの喜びと、それは本当の自分ではないのではないかという葛藤で。

「でも、ね?」

 蒼い顔で俯いた健二の肩を掴んだ佳主馬が続ける。

「え?」

 重ねられた、否定の言葉。

 ―――なんの否定だ?

「―――でも、たぶん、そんなことはどうでもいいんだ」

 笑顔が、ひどく優しい。―――――見とれるほどに。

「ただ、健二さんが好きになったから好きになっただけだもの」

 だから、それはどうでもいい。

「………」

 ―――ぽたり。

 雫が垂れた。

「健二さん」

 ―――ぽたり、ぽたり。ぽたり。

「健二さん、好きだよ」

 佳主馬が、健二の細い指を握りしめた。

 頬を伝う涙が、その手の背中を濡らした。

「―――佳、主馬くん」 

 ポタリ、ポタリ、ポタリ。

 瞼が震えて、心を落とす。

 好きなんだ、と。

 ―――――そう、言ってくれるのか。

「うん」

「…佳主馬くん」

「うん」

「佳主馬くん」

「うん、なあに? 健二さん?」

 ぎゅっぎゅっ、と―――まるで子供をあやすように佳主馬が握りしめた健二の指を軽く握った。

「―――好きなんだ」

「うん、僕もだよ」

「好きなんだ」

「…うん」

「好き、なんだ」

「………」

 涙に溢れた目が見えない。

 この涙の膜の向こうに、初めて健二の全てを認めてくれた人がいるのに。

 

「―――佳主馬くんが好きなんだ」

 

 健二の呟きに、答えはもう返ってこない。

 代わりに、まだ幼さを残す5つ下の恋人が健二の身体を抱きしめていた。

 

「―――――――――――――好きだよ」

 

 

 

 

 

 雪はもう降ってはこない。

 寒い風は、まだこの地を凍えさせるけど。

 

 心は、もう―――あなたの愛で満たされている。

 

 

 

                          了 by 御紋

 

 オメデトウ企画の茶会派生。――――あまいです、バケツを下さい。(砂吐き用)

 …しってます? この佳主馬ってば、中学生なんだよ?(^q^…ぱねえ)

 春なのに、winterとは言わないでください。

 自分でもわかっててもかきたかったんです^q^

 

 ということで、続きはなしです。――――甘さで萌え死にそうな予感がしすぎるので。

 ……王道ネタでも言わせたかった。告白シーンです。

 

 以前のアンケートの要望に答えたことにもなるといいな。^^;

 

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自己紹介:
活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

こちらでは、二次創作を展示させていただきます。
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