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衝動⑥

 こんにちは。
 今日はやっぱりやったよwwww衝動ですv


 バトンで書いてたTさんとの会話が元v
 年末に「寝起きの佳主馬の夢を見た!」との報告受けて、

「なにそれ! うらやましいんですけど!」

 と叫んでたのが始まりv


 会話は続く続く。

「佳主馬は朝が弱そう」「低血圧だろ?」「でも、少林寺拳法の早朝稽古のためには、頑張って起きるんだろ?」「かわえええ」「寝ぐせがあると可愛い」「タンクトップ!」「でへへへへへ」

 忘れたけど、詳しい内容www
 でも、流れはこんなのだったよ?確か。


 で、衝動が発生。


「万作と佳主馬のシーン見たいv」



 ―――――――どう、話が飛んだのかは気にしないでください。
 むしろ、御紋が御紋の頭の中身見たいわ。


 絶対、どっかで間違った神経のつなぎ方があるはず!


 まあ、年末から元日にかけて、こんなことしてましたv



 興味のある人は、つづきからどうぞ。











   「朝の練習」

                         2010,01,01

 

 かたん。

 陣内家の早朝。

 まだ、早い時間。さすがに、主婦である万里子たちは、朝ごはんの準備のために起きてはいるが、男たちはまだゆっくりとしている。

 小さな子供たちも、夢の中だ。

「…お、はあよ」

 ふあああ。

 眠そうな顔をして、佳主馬がリビングに顔を出した。

 夜中まで、OMCにでも繋いでいたのか、まだ目がしっかりと開かれていない。

 ――――あの子は、意外に低血圧なのよ。

 笑って、宴席の場で喋っていたのは聖美だ。

 TVもまだつけられていないリビングは静まっている。まるで、別の家へ訪れているかのようだ。 

「おはよう、佳主馬」

 たった一人、リビングで新聞を読んでいた万作が、佳主馬に声をかけた。

「おはよ…」

 祖父の兄弟である万作叔父に挨拶をしながら、佳主馬はあたりを見回した。

 きょろきょろ。

「―――師匠は、どこに行ったかしらない?」

 師匠―――少林寺拳法を教わった実の祖父をそう呼ぶのは、佳主馬なりの尊敬の証だ。

 教わったことは、決して小さくはなかったから。

「兄貴?――――早朝に、会社の方から電話があって、いそいで市内に行ったところだよ?」

 昼過ぎくらいには戻れそうかもって言ってたけど。

 穏やかな表情で、万作が答えた。

「…そう」

 たまにしか会えない師匠との早朝稽古のために、無理やり起きてきた佳主馬としては残念なお知らせだった。

 仕方ない、一人でやるか。 
 そう思って、庭へ移動しようとした佳主馬に声がかかった。

「ああ、早朝稽古か。――――私とでもいいなら一緒にしようか? 少林寺拳法の型」

 あっさりと、新聞を畳みながら万作が言ってきた。

 ――――――は?

 

 

 

 

 

 庭に出て、いつもの型を一通りこなしてみた。

 型を行う時に大切なことは、体の重心の移動、四肢の末端にまで張り巡らせた神経、それから。

 大気から得る呼気と吸気のすり合わせ。

 型を、手早く行うことに意味はない。―――――自分の身体に自然の力を取り入れること。自分の身体と精神を、自分で律すること。それが、もっとも大事なことだ!

 万助はそう佳主馬に教えた。

 ゆっくりと身体を動かした。

骨と肉。それを動かす筋と神経。肌の内と外で感じる感覚の全て。――――目を時折つむれば、瞼を通り越して、木漏れ日が見えた。

吸って、吐いて。―――――繰り返すだけの呼吸を、身体を動かす一つ一つの動作と連携させることがこれほどに難しく奥が深いものだと知ったのは、この型を習ったばかりの頃だ。

吸って、吐いて。―――――ゆっくりと身体を動かす。

それだけのことが、隣で一緒にしている万作の動きとも連動していることに佳主馬だって分かっていた。

「意外」

「――何がだい?」

 吸ってー、吐いて―。

 ゆっくりと大気をかき分けながら、佳主馬は呟いた。

「まさか、万作叔父さんが拳法できるなんて、知らなかった」

 いつも宴会でエロ親爺になってるか、新聞とかニュースを見てるイメージしか佳主馬にはなかったからだ。

「ははは。意外かね」

 吸って―。吐いて―。

 万作も、またゆっくりと大気をかき分けながら、呟いた。

「まあ、兄貴の趣味につきあったような程度だがね。それでも、たまに思い出したようにしてるよ」

 医者も体力勝負だからね。

 ゆっくりと、軸足をずらしながら万作は続けた。

「何も考えずに、ただ心を空っぽにするのはいい。―――日々の雑務で追われて摩耗してしまった自分を取り戻している気がするから」

 人の心を思い出せる気がする。

 ゆっくりとその手を真横に動かした。

 ぴちゅぴちゅぴちゅ。

 庭の奥から、小鳥たちがうるさく鳴き始めた。

 日が高く上がり始めたのか。

 朝日に反応して騒ぎ出す鳥たちに佳主馬は思った。

 

 それと同じ頃、セットになっている少林寺拳法の最後の型を、二人同時に終わらせた。

 

 

 

 

 

「お疲れ様」

 汗拭き用のタオルを差し出した佳主馬に、万作は礼を言って受け取った。

「うーん。やっぱり身体がなまってきてるなあ」

 これだけで息が上がるとは。

 歳のせいとは言いたくない万作がかすれた声でつぶやいた。

「もっと、拳法すればいいじゃないか」

 たまになら、一緒にしてあげるよ。

 思ったよりも、違和感がなく型を行えた佳主馬が言った。

 おや?

 珍しく、万助以外にもデレてくれた少年に万作が微笑んだ。

「――――――――じゃあ、また一緒に拳法してみようかねえ」

 よろしくおねがいしますよ、キング殿。

 にこにこと、兄の孫に老医師はお願いした。
 ――――仕方がないから、お願いされてあげるよ。
 身体を動かしたことで朝の眠気が抜けた佳主馬は、真っ赤にふてくされた顔でリビングへと駆けだした。

先に、ごはん食べに行くよ。

はいはい、どうぞー。

 

にやにやしながら見送った万作と、数秒前に言った台詞を後悔している佳主馬が、また一緒に朝の練習をする日がくるのかは―――――――まだわからない。

 

 

 

                            了 by御紋

 

 嘘八百v

 御紋は運動音痴です。少林寺拳法もしたことないです。
――――なので、あんまり本気にしないようにv-―――――こんなんばっかりv

             ↑ ↑ ↑

             刺しちゃえv プスプスプスン―v    




――――――――――――――――――――――2010.01.06

 

―――――――あら? どうしたの?叔父さん。

―――――――いや、いい子に育てたね、聖美さんはって話ですよ。

 

にこにこと、汗拭き用タオルを貰いながら、万作は聖美に言った。




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