二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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①と同じころのもの。
アナログ人間なだけに、OZ世界の描写が苦手でした。
そのための、練習作です。
ジョンとヨーコも、好きなんです。(照れ)
注意事項
OZ世界というと、アバターかと思われそうですが。
カズケンです。
うさリスのようにも見えるでしょうが。(笑)
健二さんは仮ケンジの、佳主馬はキングカズマの、アバター姿のままで会話を
しています。
映画の中で、アバターたちが、マスターの声で喋っていたのと一緒と思っていただけると嬉しいかなと思います。
「一人ぼっち、一人ぼっち、二人ぼっち」
2009.10.15
ゆうるりと、この電子の海を彼の守護神たちは泳ぐ。
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
その巨大な姿はクジラを模したのだという。ジョンとヨーコ。平和を願って死んでいった歌手とその妻。そんな二人がうつされてるんだろうかと、世間ではいわれてる。
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
お互いを呼ぶように。
対の守護者はただ泳ぐばかり。
「こんなところにいたの?」
振り返れば、そこにはウサギのアバター。
「健二さんは、ジョンとヨーコが好きだね? 気が向いたら、此処にいる」
佳主真くんの声で、そのウサギは喋っている。キングカズマ。OZの英雄だ。
「…うん」
二代目となった健二のアバターの姿のまま、健二もまた喋ってみる。振り仰げば、いつも快晴のOZの天気の下で、悠々と泳ぐ二体の守護神。
「―――いいなって、思うんだ」
億など既に、もしかしたなら兆ですら超しているかもしれない。OZの島に作られた数多のコミュニティーと分散するサイト達。
それらを悪用される事がないようにと、全てのアカウントの動静を見守っているのだという。
OZの守護神。
彼らは、たった二体しかない。対の半身しか存在しない―――絶対唯一の存在。
二人ぼっち。
どのようなプログラムがなされているのか。OZの空を泳ぐ巨神たちは、その時その日によって、泳ぐ場所を変える。ランダムに設定されているのか。巡回とばかりに、その時のその場所に用があるのか。高い天空をゆるりと舞う日があれば、健二の立つ島の下を潜るようにゆうるりと動く日もある。
たまに、触れそうなほど近くに寄れる日があって。
その滑らかな体躯を撫でて触れたいと思う。その穏やかにして深い眼差しを覗き込みたいと思う。
「たった一人だけの、自分と同じモノがいるっていうのは、―――どんな気持ちなんだろう?」
人間は違う。
総数68億人を超えた世界の人口。人種でいえば黒色、白色、黄色人種の三種。国の数でいけば、公式というにもあいまいではあるけれども、とりあえずは191カ国以上。民族の数は更にあいまいで、二千から五千に及ぶという。主要とする言語の数は四十六。こんな統計がなくたって。
生まれた日が違う。性別が違う。細胞の数が違う。嗜好が違う。住まいが違う。友人が違う。家族が違う。心が違う。身体が違う。―――想いが違う。
一人ぼっち。
ジョンとヨーコは二人ぼっち。――――名前と彩りが異なるだけ。
生まれた意味も、生きる意味も、守る者も、戦う相手も、その姿に顕された電子の数でさえも、きっと――――――――――一緒。
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
なんてのどかな光景。
たった一人しかいない、だけどたった一人だけ、自分と一緒の存在と交わす合図。
「―――いいなあ」
羨む言葉は自然と零れた。
「………泣いてるの? 健二さん」
泣きたいの? 健二さん。
佳主真に背を向けて、空を仰いでいた健二に問いは投げ与えられた。
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
ジョンとヨーコの鳴き声は続く。そして、ゆるやかに風が生まれる。
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
さらりと、島に添えられた木々がたなびく。
「いいや、…違うよ。佳主馬くん」
答えた台詞に、心の澱みはうつらなかっただろうか。
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
「だって」
そっと近付き、背後から手を回す君に。
僕の歪みはうつらなかっただろうか。
「だって」
フォォォォー―――ンンンンーーーー・
ゆっくりと離れていく二人ぼっちの神様たち。
「泣くことには、もう飽きたんだ」
揺らいだはずの木々は、描かれた風景画のように止まっていた。
了 by御紋
Kさんに捧げる、追加の一文。
OZの宇宙――――デジタルで創られたその空に、赤く輝く夕日が落ちていく。
電子世界では感じないはずの寒さを、前髪をすりぬけていく風から感じたように思った。
抱きかかえた健二さんは、小さなアバターのまんまるい目を落ち行く陽に向け続けている。
「――――もう、かえろうか? 健二さん」
長い間、その小さな姿の健二さんを抱きしめていた。
囲うようにキングカズマの長い脚にはさんで、遠い空を眺めていた。
気のせいか、すこしばかり身体が固まってしまっている気さえする。
泣くことも、涙をこぼすことも、彼はしなかった。
―――――泣くことには、もう飽きたんだ。
そう言った言葉は、嘘ではなかったのかもしれない。
「―――ごめんね、もう、少しだけ」
健二さんは、そう言うと。
何を思うのか、OZの空を見つめる。
ただ、それを聞き、それを見て、佳主馬もまた、同じOZの空を見つめる。
ゆるりと、日は落ち、星が静かに、瞬きはじめていた。
「………」
ただ、二人で過ごした。
――――この哀しい人を見失わないように、その身体で閉じ込めるようにして。
了 by 御紋
K
さんと話していて、ふと浮かんだその後の情景です。
―――――ありがとう、Kさん。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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