３

　俺があ、酒で身を落とすようなことはぁ、なあい！

　理由ですと！？

　酒よりご飯に惹かれるたちですから！　自分！！★△○／☆

　（某大学院研究室追い出しコンパにおける酔っ払いの一言より抜粋）

　――などと抜かしたこともございました。

　まだフレッシュな未婚時代、無理やり飲まされた酒に呑まれた青春の影。ええ、もう発酵したのがバツイチ時代の現在です。

　ちなみに、発酵と腐敗の違いは人にとって有用か否かです。腐敗という心に傷つく言葉を選択しなかった自分の精一杯をご了承いただきたい。

　さて。

　画面上では、真っ黒なウサギもどきが無意味にご存在。

　…一言、いってもいいか？

　途中からなだれ落ちてくる姿が、某アニメ映画に出てくる形成不十分の某存在を思い出させるから、止めなさい。

　不吉だぞ？

突然、変わりだした画面の上。

それはいわゆるＯＺ組――敬たち「閉じ込めちゃえＹＯ！」チームあらため「つくっちゃえＹＯ！」チームになった連中が、休憩なしの二度目のデスマ―チを往進した結果である。

ありがとう、ＺＯＭＢＩＥ―ズ！

塗金された屏風絵の上に、過去の地上の覇者が頭を上げている。

次の王者はいまどこにいるのかと問うように。

いやさ、それさえも悠久の流れの一瞬。

浮かんでは消える水色の幻影のような月のそれに消えたように。

「そんなに、アカウントがほしいの？　」

響いた声は、少女のそれ。

響け、その声。その覚悟。

散じた人を愛しむように。

届け祈りよ、満たせよ誓いを。

「いいわ、だったらあたしのアカウントをあげる」

　袴姿のその両袖は襷掛けされて、細い少女の腕が二本伸びている。

　その細い腕に何がかかっているのかを君は知ったかい？

「ただし」

　宣言する少女を見守っているのは、俺たちだけじゃない。

　かたかたと叩くキーボードの音が二つ。

　彼女がラブマシーンの注意をひきつけてくれている間に、俺と侘びは解体作業に勤しむだけ。

　うーん、男だけの作業でぽろりをしたら蹴られるＺＥ☆覚悟しとけよ侘び。

　どうでもいいような事を云いながら、やってることはとてつもなく真剣なんですよ？

「―――私との勝負に勝ったらね！」

　振り向いた彼らは気付くだろうか。

　顕在したお誘いと不顕在化での解体。

　君を奪うための二つの作戦。

「賭け金は、あたしの家族！　」

　賭けられたものは、家族。

　全ての。

　全ての――――家族。

　…俺の大切な君たちも、家族だと。

　呼んでもいいだろう？

　ラブマシーン、――――――ケンジ。

　　　　　　　　　　　――――――――――→　４　へ

　どうしても、茶化す癖がある４１歳健二さん。

　根っこがチキンなのでシリアスに耐えられないらしい。

　頑張って―。（笑）

[2回]