二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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ぞろ目で来たよ、41歳健二さん! …マジでどうしよう。(泣)
17
「あの子は、結局まだ理解してはくれなかった。――とても悲しいことにね」
大奥さまは呟いた。
おそらくは初めて大奥さまが怒ったことで逃げ出した侘びのことだろうとすぐに見当はついた。
いっちゃなんだが、大奥さまを悲しませるような『あの子』など、現在のところあいつしか覚えがない。
「――何をもって、あれを育て上げる最後のチャンスと述べられるおつもりですか」
尋ねながら、嫌な予感は胸の中にあった。
「―――― 私の、 『 死 』 だよ。 健二さん」
笑んだその人が、美しすぎて怖い、と。
―――俺の中の絶望が告げた。
昨今の葬式事情はなかなかユニークらしい。
故人の趣味であった歌の会を混ぜたり、故人の希望で壮大なライブなどを催したり。
無宗教民族と自己を称する日本ならではのものかとも思えるが、まあTVで見てる分にはすごいなとか思う。
一方で、この不景気のご時世につき、自ら親族のみの密葬を希望する者も多いと聞いた。
――どちらにせよ、遺族が死を乗り越えることが叶うのならばそれもいい。
冠婚葬祭は、人生の節目。
―― 貴女を偲んで寄り添おうとする人々が、やってきますよ。栄さん。
大きな声で謳いましょうか。
「「「ハッピバースデイ・おばあちゃん!!!」」」
皆で。
故人が育てていた花盛りの朝顔を、遺影の周りにでんと置いた。
まだまだかたずけきれなかった廃材だらけの場所で、目を丸くした葬礼客が並んでいる。
広い庭の一角では、お面をかぶった万助さんが早くも烏賊を焼き始めている。
…俺の分、残しておいてね。お腹減った。
「ん?」
「健二さん、何する気?」
巻き込んだ理一と太助の協力を得たうえで、こそこそと準備をしていた健二の裾を掴んだのは、御年13歳の池沢佳主馬少年である。
…やあ、王様。俺の貧弱なお腹が見えそうになるので、いいかげんにシャツ放して。
無言で指差すと、しぶしぶ手を放してくれた。
「そろそろ、頃あいかなと思って」
「…思って?」
何するの?
…好奇心と胡散臭げな表情でした。
おじちゃん、心が繊細なのでとても傷つきます。やめて、その視線。
だが、質問への答えは教えてあげようね。
「サップライズを開始します!」
―――大きな声で叫んだ。
壊れた廃材を用意して作っておいたテントの下に太助が持ち込んだプロジェクターをセット。
ちっちゃな自家発電機は、理一が用意してくれた。
映しだされたのは、俺の荷物の奥に潜んでいた一枚のディスク。
『こいこいだ』
『えええええ、きゃあああ負けたあああ』
『やれやれ、また来たのかい。――いいだろう、勝負だ』
『ああ、今年もいい夏が来たねえ』
『―――新しい家族だね。よろしく頼むよ』
コードで繋がれたスピーカーからは、優しい人の声がした。
「…これ、って」
家族たちが振り返った。
あっけにとられながら。
画面の中で、陣内家16代目当主が笑っている。
「――俺からの、大奥様へのお誕生日おめでとうサプライズだよ」
青空の下で、笑顔が溢れていた。
――――――――――――→ 18 へ
…だめだ。20行く。(涙)
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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