キャラ壊れたっていいじゃないか。単独作品つーかネタ⑮

「お腹が減ったら皆でごはん！　美味しいったらありゃしねえ！」

　　　　　　２０１０．１２．１９　．

　　　×　年齢操作あり、侘介ファンは要注意です。

　鳴いた彼は、どこまで貴女に従順でありましたか。

「……ハヤテ」

　お前も頑固な陣内家の男だね。

「ば、ばあちゃん！」

　叫んだ相手は、激突した車の中から現れた。

　うーん、物損事故かあ。

　侘びの免許点数あと何点残ってたかなあ。

　冷静に頭の中で突っ込んだのは小磯健二。

　素直に侘介の身体を心配するには若さも純情さも失った４１歳の脳内の呟きだった。

　だって、あいつめちゃくちゃ元気に叫んでるし、無事だろ？きっと。

「侘介。―――おばあちゃんにちゃんと挨拶してらっしゃい」

　衝撃映像に脳内整理を行っていた健二の耳に入ってきたのは、新しい陣内家の当主の声。

驚いた顔で発言者の万里子を振り返ったのは、皆ですとも。

「そしたら」

　少しだけ、息を整えたあと。

「――みんなで、ごはんにしましょう」

　笑顔で告げたその顔は、先代当主の笑顔にどこか似通うものがあった。

　ああ、こうして。

　この家はつくられていくのだ。

　あの人がそうであったように。

　過去の過ちも怒りも悲しみもすべて受け入れて。

　今を未来を生きていこうとする、人たちの集う宿。

　冷たい氷が立つその場所で。

　出逢いましたか、君の故郷に。

　青白いその肌を見て。

　浮かび上がった死の様を見て。

　ようやく。

　――――――　母を「人」だと覚えましたか。

　完璧な、完璧な、存在。

　君が抱いていた聖母の幻想はくずれましたか。

　永遠に在り続けると信じていた「おかえり」を。

　喪って、ようやく。

　優しい白い手が隠してくれていた、現実を。　

　母の愛が与えてくれた幻影を。

　いま。

　君を蔽っていた柔らかな軛がひび割れて―――消えた。

「いただきます！」

　握り飯と冷えても美味しいけど温かいとなお美味しい煮物を一緒に。

　かりこりと誰かが噛んでるのは、自家製の漬物。

　ふかしただけのサツマイモだって、塩をつければ御馳走だ。

　箸は細やかに食卓の端を彩る。

　冷やした麦茶を注いだカップが、透明な汗をかいた。

「何か策はあるんでしょ？」

　今日の食卓の話題は、世界を救う方法。

　ぱくつく口と語る口。

　丸いちゃぶ台に皆が輪を描いて座り、今日もお日様はぎらついている。

　誰もが渇望している答えを、俺たちは証明するだろう。

「――――――　もちろん！」

　だって、全てのコマはいま揃ったのだから。

　了　ｂｙ御紋

　原作のどの部分かを当てれる貴方は、とても素敵です。ありがとうございます。（土下座）

　戦の前には腹ごしらえ。

　これもやっぱり、昔からの日本人の風習ですよね。＾＾




 　　腹が減っては、戦は出来ぬ！

[1回]