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和国サイドでのお話。
こちらの王様は、別にキャラではないのですけどもね。^^
シリアス風味です。
「政略結婚に異議あり!」⑥‘ ☆ 和国の秘密
2010.03.12.
「和国(わこく)」という国のことを話そう。
そこは、とても小さくて、とても古い国のこと。
とても遠い昔、その国に神様が舞い降りた。
「…ここは、ひどく懐かしいです。―――ボクが大切だった居場所を思い出します。…此処にしましょう。…柱となりましょう。―――礎となりましょう」
この国の神様の名前は、秘されている。
知る者は、限られている。
けれど、神の言葉は間違わず、―――この国を支えた。
「私の、――愛しい人が生まれる天地を、護りましょう」
天の神は約束し、地に生きる人も願った。
ゆえに、この国の名は和国。
神話によると、《平和を約する国》、という意味を持つのだという。
「開門! 開門!!」
門番たちの焦る声が聞こえる。
「―――どうっ!!」
その日、一人の剣士が和国の城へと辿り着いた。
名を、ナツキ。
――――この国の王女の、旅姿での偽名だった。
「どういうつもり!!!」
だんっ!!
国王の執務室で、湯のみが飛び跳ねた。
あちいいいいいい。
勢いよく振り下ろされた夏希の拳によって、国王御愛用の湯のみから熱い湯気を立てていたお茶がこぼれおちたからだ。
怒っている愛娘に怯えて、びくびくしていた国王の膝に。
あち、あち、あち。
「だ、だが、夏希。元はと言えば、お前が逃げ出しさえしなけれb…」
「何か、言いまして?」
「…いえ、別に」
国王は、日和見った。
「―――とにかく、健二には嫁入りなんてさせられません。――あの子は、男の子よ」
「…だから、それはあとでなんとか…」
「何とか出来ると思ってるのが、大間違いなのよ!!」
夏希お姉さまは、絶好調である。
「――――」
しゅん。
素直に怒られて反省したが、やはり何かを間違ってる気がする。
「大体において、この国は歴史はあっても小国よ。あのOMC王国が相手にしようとする理由がまず怪しいのよ。――――ましてや、国王は…」
たかが、14歳の生意気な少年王。
前述したように、剣の腕を磨くためと、賞金稼ぎのために数多の国を旅した経験のある夏希である。傭兵王国ともいわれるOMC王国だって旅したことはあるし、実は現在のキング(OMC国王の敬称)とも剣を交えたことはある。―――残念ながら、負けはしたが。
だから正直にいえば、キングとの婚姻そのものが嫌なわけではなかったのだ。―――なにしろ、自分よりも強い男の一人であることには間違いなかったので。
ただ、気になる噂を聞いた。
根も葉もない、といってしまえばそれだけのものであったけれど。
「だが、歳は若くても、立派に国を治める王様だというのは、うちの大臣たちもみな認めているよ。彼は、信頼がおける同盟国の王となってくれるだろうと」
勇気を出した国王が、訪れた一瞬の沈黙を破った。。
国力がアンバランスな以上、下手をうてばこの国はOMC王国の属国となるかもしれない。
それは、覚悟の上だった。
だがそれでも、金が欲しかった。
それは大切な家族を飢えさせないための備蓄を買う金で、大切な国民を庇護するための施設を稼働させていくための金だったから。
「―――この国は、貧しい。―――神に愛されていた神話は、もう遠い。…神様はもう我らには答えてはくれないのだから」
それは、和国の秘密。
和国には、神職とされる者が存在した。―――それは、もう百年の過去にはいなくなってしまった者たちだったけれど。
神は、眠っているのだと、その最後の、『神に和した者』は言い残した。
―――どうしようもないのだ。
神様がもしも答えてくれるなら、 願いたいことがある。
夢をください、種をください、この地に再びの祝福をお与えください。
大地が、肥沃となりますように。
森が、豊潤でありますように。
海が、和やかでありますように。
人が、幸せでありますように。
―――願えたなら。
「私は王だ。―――だから、こうしたんだよ」
決断を、悔いはしない。
神がいないのなら、人が行うしかないのだと。
たとえ、それが子供たちを利用することであっても。
「―――私には、たしかにその言葉を断じることはできませんわ」
父王の言葉に、夏希は静かに返事を返した。
それでも、夏希にはまだ伝えるべき事実がある。
「……こんな噂を御存じかしら? お父様」
この国の誰もが知らないことを、夏希は知っていた。
「―――OMC王国の現王、佳主馬は呪われている、という噂を」
…それでも、貴方は子供を見捨てるの?
了 by御紋
…和国のサイドになると、パロじゃなくなるのですね。^^;
ある意味の、ダブルパロ。
―――伏線ばかりで、回収しきれるのか心配です^q^
神様は、誰でしょうか―vv
うん、予測が出来そうな人たちばかりな気がしますね。^^
ですが、ここは素直に続編をお待ちください。
基本的には、ハッピーエンドを目標としてますからv
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