二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
引き出しが、少し多かったらしいです。
ということで、もうちょっと回数あります。^^;
「時の神は貪欲な狩り人だ。――さては恋も狩るのかい?」
2010.04.09.
辿り着いたとき、時間はもう2時間を過ぎていた。
「―――くっそ、なにしてんだよ。交通網!」
新幹線で東京に着いた後、タクシーで直行しようとした佳主馬だったが、土地勘のない運転手は、事故で渋滞中の大通りしか知らなかった。
「――呪うぞ。マジで」
そう言いつつも、万札を一枚放り投げた。
「お客さん、お釣り~!」
「それで、ナビでも買え!」
どこまでも強気な佳主馬だった。
辿り着いた住所は、住宅街の一軒家。
だれもいないかのように真っ暗なその部屋の窓たち。
そのことが、どこか胸に突き刺さった。
玄関の扉には、客を迎えるためのライトがぽつりと点いていた。
「――健二さん」
ほっとしながら、佳主馬はその家の門扉を開けた。
夜の空気に響く鉄の音。
きィィィぃ。
その音に負けないほどに跳ねる心臓の音を佳主馬は意識しながら、インタホンのブザーを鳴らした。
「―――来たよ、健二さん」
歓びは、まだ早い。
ピンポーン。
「………」
ごそ。
暗い家の中で、人が動いた気配がした。
「―――来たよ、健二さん」
玄関の外から聞こえてくる声は、間違いなく待っていたはずの人の声だった。
「………」
健二は、応えない。
「――健二さん?」
「………」
鍵のかかった扉の奥で、人の息遣いの気配がするのに。
――返事が来ない。
「健二さん――もう泣いてない?」
佳主馬は声をかける。
急ぎはしない。――この扉の奥に健二さんはいるんだから。
「―――泣いてないよ」
ボクは、泣いてない。
ようやくの返事が、かすれた泣き声だったことには触れぬべきか。
「―――そう」
冷たいコンクリートの上に、佳主馬は座り込み、人口の灯が射す扉に寄りかかった。
夜の沈黙は、一つ一つの言葉を綺麗に濾過する力を秘めているような気がした。
「…メール、見てくれた?」
心の奥でいま言いたい言葉を探すようにして、佳主馬は話した。
「―――みたよ」
か細いながらも、返事が返ってくる。
そのことに安堵する。
「どうだった? 」
ボクの心は。
「………」
次の返事は遅かった。
ポーン。
玄関の奥、家の中から壁時計が時刻を告げる音がした。
もう時間だよ。―――答えを出して。
そんな風に告げてくれたのだろうか?
時間は流れる。
さて、この一時は何をもたらしてくれる時間なのだろうか?
愛? 恋? ―――それとも。
破滅?
了 by御紋
…もうちょっと長引きそうです。;;
TrackbackURL
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
こちらでは、二次創作を展示させていただきます。
著作権は御紋にありますので、個人で楽しむ以外に、ネット他に使用することはおやめください。
(二次配布、禁止ですよ)
御紋の生息地は、ついったです。
(ツイート非公開:アカウント → gomonn)
フォローはご自由にどうぞv