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あたしの頭は、今悲鳴を上げた。ぷしゅうう。


 最強健二さんの改変シリーズ。


 あくまでの健二さん視点。

 ――他者視点は、後日に…かけるのかな?(約束はできないチキンですいません)







 

proposition――至高の言葉」

                  2010.04,21.

 

 

 

「――佳主馬くん」

 振り返る少年の手元には、彼の誇り。

「お願いです。――君の力を貸してください」

 

 あなたの、…強さを貸してください。

 

 頭を下げよう。

 その意志こそが大事だから。

 

 ――――その小さなパソコンの中で、最強の戦士が眠っている。

 OZを救う、優しい王様が。

 

 

 

 

 

 パチン。

 手にしていた、その端末の電源を切った。

『…OZが、荒らされた』

―――さあ、答えを。

答えをよこせ。ラブマシーン。

AIは人か? AIは道具か? AIは…。

 ―――進化する自我を持つのか?

 

 送り込んだあのメール。

 そして。―――あのアバターに。

 罠を仕掛けた。 

 ラブマシーンがどのアバターに執着を示すのかは分からなかった。

 過去の健二の経験では、なぜかラブマシーンは最初と最後の瞬間を、健二のアバター姿でいることに執着した。

 自らが構築した仏像姿のアバター以外を模倣したのはあの姿だけだった。

 その後の調査によって。

 乱数メールに返信をしたのは健二がもっとも早かったのだということがわかった。

 最初に得たアバターだからこそ、執着したんじゃないのかというのが、その後の公式見解だった。

 その答えが正しかったのかは、分からない。

 確認するには、ラブマシーンも健二の初めてのアバターも――喪われた後だったからだ。

 残されたバグともいえそうなその残骸で、何を探っても真理など分かるはずもない。

 ただ。

 誰にも言わずに、心の中で思った。

 ……共に最後まで、逝くことを選んだんだね。―――と。

 ボクは、君だった。

 君は、ボクだった。

 だからこそ、確信した。

 あの、永遠の子供を喪うことが…見送ることができなかったんだね?

 優しい子だった。

 電子の世界に、入り込み過ぎていると思われるのかもしれないが。

 一人、孤独でいた自分の半身だった。

 いつも笑顔でにこにこと足踏みをしていた。

 笑ってくれた。

 その笑顔にpcの前でつられて笑い、――涙が止んだこともあった。 

―――本当は、知っているのだ。

 それが、哀しい祈りにも近い空想だということも。

 

 

 

 過去世での話だ。

 OZの脆さを理解した後でも、社会はそれをもはや手放せなかった。

 守護神であったジョンとヨーコは、OZに通う人々の動静を測ることと、伴うアカウントの調整で手一杯。

 OZの安全神話は、まさにあの2056桁の乱数のみによって、護られていたのだ。

 一度、壊れた壁はそれだけでは不足だった。

 そして。何よりも自分たちの存在が。

 …誰にも解けないはずだったOZの鍵を壊せる者がいたことが。

 ――世界に不安を抱かせた。

「――新しい守護者が必要だろう」

 そんな言葉が出たのは当然だった。

 その守護者は、巨大なアバターではなく、数字の魔法でもなく。

 自ら学習し、自ら目的を果たし、自ら進化する。

 ――――AIが必要だった。

「懲りてねえなあ、OZの連中も」

 ししし。

 最初に打診された侘介さんは笑って言った。

「ラブマシーンがそれだけ脅威で、魅力的だったってことだろう? …おまえのせいだよ」

 侘介さんを小突いた理一さんは、真剣な顔だった。

「侘介さん、出来ますか?」

 少しばかりの時間のあと、答えは返ってきた。

「わからんな。創れというなら、創るさ。…だが」

 

 ラブマシーンは、俺の最高傑作だ。

 それと同じもの。―それ以上のものを創れというのは難しい。

 

 答えは、シンプルだった。

 人が変わったように、真面目になった侘介はそれを仕事として受けた。

 それには、健二や佐久間、佳主馬たちが少しながらも力を貸した。

 ――こんなことなら、ラブマシーン売るんじゃなかったぜ。

 ぼさぼさと伸びた髪と髭をかきながら、徹夜作業で血走った目のままで、侘介が愚痴った。

 ―――ははは。それはそうですよー。そしたら、ラブマシーン初期化して、最初に与える指令を変えるだけですみますもん。

 ――…佐久間さんだったら、どんな命題を与えるの?

 ――もちろん。『LOVE IS ALL!!』

 …全員が壊れていた。――あの頃。(遠い目)

 ――侘介さんはどう思います?命題の設定。

 ――ふん。俺に聞くな。…健二はどうなんだ?

 突如、振られた問いに自分はどう答えたのか。

 ああ、そうだ。――確か。

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「――いたああああああああ!!!」」」」」」

 

「………」

 ―――納戸の入口に、人が詰まっていた。

 …。

 大人、ですよね? みなさん。

 つい半目で見つめてしまいましたよ。

 

「――――馬鹿じゃないの?」

 …流石ですキング流石です。

 小声といえども。

驚いて目を見開いた後のてれ隠しだといえども。

 なかなか、言えませんよ。そんな真実。

 

 

 

 OZにログインしないまま、その朝は終わってしまったから。

 キングカズマは、まだ王者のままだった。

 

 

 

            了 by 御紋

 

 改変って素敵ですね…。

 原作知らない方には、申し訳ないレベルの捏造です。^^;

 読みにくくてすいません。(ぺこり)

 

 命題(proposition)とは、数学における論理学にあらわれるものですね。

 哲学的な概念などといったことを記号や数式に置き換えて、論理的な証明をするものらしいです。――私自身、論理などは難しくて説明できません。申し訳ありません。

 詳しくは、ウィキペディア様や論理学の御本などでお調べください。

 原作様における侘介の言っていた「おれがしたことは、―――うんぬん」という部分です。知識欲だけでああなるのかい。もはやこええよ。AI…^p^

 この話の中では、命題はその思考において最優先とされるものとして扱わせていただく所存。

 ……どうなるのかな。dkdk…gkbr。

 

 

 

「――――Wiederholen Sie die Fehler der

 

 連行される大広間までの通路で、健二が呟いた。

 

「…健二、くん?」

 不思議そうに振り向いた夏希先輩の声には答えなかった。

 

 

 

…過ちを繰り返すな。

 

 


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活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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