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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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突発。 …最弱健二さんの物語り。 前編


 深夜というより、明け方におばんです!(方言)

 昼寝のおかげで眠れず。
 サマウォですらない、某ミックスwパロ書いてたら、いきなり電波が飛んできました。

 ―――本気で、どうなってるのかと。

 自分の頭の中身の接続回路に、不安がある御紋です。


 最弱健二さんによる物語り。

 ――― そんな健二さんもありじゃないかと思った時点で負けでした。ORZ



 最弱健二さんによる物語り。

「 遺したいのは、命の意味    前編 」

                              2010.07.09.

 

 小磯健二という人物は、ひどく色が白い。

 運動神経は皆無らしく、何をしていてもふらふらと揺れる彼は、よく転ぶ。

 月に何度かは、体育の授業を休む。

 細い体躯は、久遠寺高校のジャージの奥で白いままに、一年を過ごした。

 二年目の夏。

 扇風機だけでは足りない猛暑のなか。

 持参したクールパックをハンカチで包んで、頭にあてながら小磯健二は、友人と二人、物理部という避難場所で夏を過ごす…筈だった。

「バイトしない? 」

 突如訪れた先輩が持ちこんだそれさえなければ。

 

「―――佐久間」

「……行って来いよ? 楽しいよ?? 」

 楽しんで来い。

 

笑顔で送り出そうとする友人の心遣いに応えるために、健二は旅にでることにした。

 家から逃げるように健二と顔を合わさない親に、メモを残して。

 

 

 

 

 

 予想外。

 新幹線は良かった。――が、不覚にも。

 坂道をくねるように上るバスで酔ってしまった。

「――大丈夫? 」

 心配半分、呆れ半分。

 辿り着いた途端にへたり込んだ健二に、夏希が声をかけた。

「……すいません、少しだけ。―――先に行っててもいいですよ? 」

 駅からこちら合流した女性たちは、はやく行こうとせかす子供たちをあやしている。

 

「 ――――荷物、半分持ってくよ。 あとは、坂を上るだけだから」

 ゆっくり、おいで?

 

 紙袋を握りしめて、走る少女の後ろ姿を健二は羨ましそうに見つめた。

 

 

 

 

 

 ここは、静かだ。

 誘導された、増築されたことがわかる老婆の居室で健二はそう思う。

「――――覚悟はあるかと聞いている! 」

 なんのことか知らぬ間に、老女はそう迫ってくる。

 たずねようにも、頼りの夏希も片目をつむって手を合わせるだけ。

 独力で答えを導けるだけの情報提供は受けてないわけですが。

「  …はい  」

 答えをようやく返した。

 答えを聞いて、笑顔を浮かべた老婆を見つめて、あっけに思う。

 ――――なんて、簡単。

 和室のなかに張り巡らされていた緊張はもう溶けて。

 ――のこる空気は、爽やかな夏のそれ。

 

 

 

 

 

「お酒は? 」

 勧められたそれを、遠慮して。

 甘いジュースを嚥下した。

「―――それで~? 二世の方は? 」

 赤ら顔の万作さんが尋ねてきた。

 健二が嗅ぎ慣れた消毒の匂いが、身についた人だと思った。

「――い、いえ 」

 赤い顔で否定する。

 そのあとからつづくその賑わいを、見たことのない人間関係の在り方を、考える前に感じた。

 

 ―――ああ、生きているのだ。

 

 それだけが全ての衝撃と言えた。

 

 

 

 

 

 

 

風呂を勧められて、頷いた後。

客間に戻って着替えを用意する。

それから。

「 昼間のお茶、残してあったよな。確か…」

 がさごそと、荷物の底を浚って。

 取り出した錠剤を、嚥下した。 

 

 初めて入った田舎のお風呂には、座敷わらしが潜り込んでいるものらしい。

「オレの勝ち―」

「違うよ、オレだってば!! 」

その正体は、昼に出会った子供たち。

「 のぼせる前に、出ないとだめだよ? 」

 ごしごしと、まだ身体を洗ってなかった子供たちの背中を洗ってやった。

「あれー? 健二兄ちゃん、これどうしたの?」

 気付いたのは、より元気に叫んでいた子。

 なんだか、翔太兄に似てる方。

「あ、ほんとだ。――痛くねえの? 」

 目を眇めて、じっと見つめたもう一人の子も同じく。

 健二の身体の中心にあるそれをみて、そう言った。

「 ―――痛かったよ。 でも…」

 今は痛くないよ。

 そう告げた健二の言葉で、にかっと笑った子供たちが可愛いと思った。

 もともと、ゆっくりと風呂には浸かれない性質だ。

 子供たちと一緒に風呂を上がった。

「 ジュース、飲む! 」

「俺、アイスの方がいい!」

 まだ髪も拭ききらぬ間に走っていく子供たちを眺めて。

「 …元気 」

 幼い子供たちのエネルギーに呆れるような声が出た。

 それから。

 鏡に映った自分の細い体躯を見つめた。

 

「 ――――貧弱 」

 

 ようやく白くなったその線条痕を眺めながら、健二は言い放った。

 

                                                      
                          → 後篇
 に続く。

        

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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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