キャラ壊れたっていいじゃないか。単独作品つーかネタ⑭

「誰にも渡さないって、言ってんじゃんか！」

　　　　　　２０１０．１２．０９　．

　　　×　年齢操作あり、侘介ファンは要注意です。

「あらわしが、――制御不能だと？」

　理一が手に入れたその情報は、懸念していた事態を肯定した。

白い白い、封筒が一つ。

　綺麗な凛とした文字が彩る、その証。

「家族へ」

　遺された言葉は、いつでも優しさだけが残っている。

　生きた時間の苦しみも悲しみも、すべて乗り越えて。

　遺したい言葉だけがそこには残っていた。

　読み終えた万里子さんの手元から落ちた小さなメモを拾った。

「………」

　涙のこもるなかで、一人それを見て――細く笑う。

「はい。――大奥様」

　貴女がくれたその言葉。

『健二さんへ。　　　―――　途未だ為らず、祈りつつも先んじて参る候』

途　いまだ　為らず。

祈りつつも

先んじて参る候。

「あとは、俺が――それを継ぎましょう」

　途を歩いている。

　辿りつく場所を知らずに。

　祈りながら歩きましょうと。

　――二人で約束したのは、夏の日。

「―――健二さん？」

　滲む涙を拭きながら、尋ねてきた万里子さんに笑って見せた。

「――　大奥様は、武家の血筋であったということですよ」

　いう言葉は、それだけ。

　告げるべきことはもはやない。

　あの人が逝った今、語る相手ももうおらず。

　あとは墓場まで持ち去るだけの約束事項。

　―――――――――　共犯者に、なりましょう。

　戯れのような、

　祈りのような、

　声をひそめて小さく呟いた。

　二人だけの―――願い事が一つ。

　二人の誓いが一つだけ、――残っている。

　時計の針は、常に先へと動いている。

　未来は訪れて。

　過去は去りゆく。

　今はただ在るばかり。

　…在る、ばかり？

　いいや、いいや。

　今こそが、過去の育てた未来だ。

　そう云い張るだけの過去を、自分を。

　――――――持てたことこそ、幸福だと。

　貴女なら、そう云われることでしょう。

　ねえ、大奥さま。

　誰よりも、過去と未来を担った貴女なら。

　　　　　　　　　了　ｂｙ　御紋

　独白のような展開。

　そして、原作描写が過去最高に無存在の無価値。

　どうしてこうなってんだろうか。自分の文才のなさに絶望した。orz

「たとえ砂を噛み岩を飲んで生きることとなろうとも」

「たとえこの手が失せてこの足が失せようとも」

「「守りながら生きていくことができますように」」

―――　たとえ、愛する家族を悲しませても。

　家族を守ることに幸せを感じた二人の罪。

　守るために、己の力を揮う。

　――――　それは、武士の誇りだろう？

[1回]