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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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41歳健二さんの呑み! ⑰-16

41歳健二さん!

 16

 

 

「共犯…者?」

 かすれた声で聞き返した。

 もはや、決断を終えたイキモノへ。

「ああ、そうだよ」

 笑みは透明に白く輝き、まるで神の領域へと一歩踏み出してしまっていたかのように思うのだ。

 そして。

 その直後に神とは何より成り立つものを云うのかと思いだす。

 神とは。

 ――――死した人の霊が、功徳を積みし後の存在をときに指す。

「――私が育てそこなったもう一人の息子を、育て上げる最後のチャンスを、」

 与えておくれよ。 ――――健二さん。

 

 逝きしモノは、俺に告げたのだ。

 

 

 

 無事に終わったと知ったのは、やはりOZの内部からの報せだった。

【―――ああ。急いで修復パッチかけちゃいるがね。なんとか公式の方のアクセス権限程度は復旧できるようになったよ】

 などといいつつも、流石にOMCや遊戯場、その他趣味に関連した緊急性の低いゾーンはまだまだ立ち入り禁止区域として一般ユーザーたちには公開はされていない。

 見積もりでは大分時間がかかりそうだということです。

 一部の部域ではログ自身が欠損した部署もあるらしく、おかげで運営のほうでも謝罪と復旧のための伝手周りでまあ酷いことになっているらしいのだ。

「はは。おつかれさんです…」

 乾いた声で呟いてみた。

 こんだけ現実世界と疑似世界が混在して利権を獲得しあっている現代だ。

そりゃあおつかれ様です運営さま、と声もかけたくなろうってもんだ。

俺はその一部分についてを関与させていただいてるだけの小童ですので、その辺は楽っちゃあ楽です。庶民万歳!

【……笑ってる場合か? お前たちにもこれからしなくちゃならんことがあるだろうが】

民事的にも、刑事的にも、―――国際的にも。

「―――まあねえ」

 それを思い始めるとお兄さんの眼は虚ろになりますよ。

「事情はある程度電話で説明はしておいたからなあ、もうちょっとだけ待ってくれって」

 勿論、相手は地元の警察だ。

 どうしても今日のこの時間だけは、待ってくれないかとお願いした。

 迎えが来る時間まで指定してさ。

 実際のところ、ちょうど近くに来る用事がある警官がいたらしいのでその帰りに便乗する予定である。――自首にあたるからそのへんの配慮はしてくださるらしいです。

 ぶっちゃけた話をいえば、その連中とは同じ用事で俺は此処にいるわけなんだがね。

【――ふん。こっちの手が空いたらおまえらのフォローにまわってやるよ】

 なにせ、20年来の友人だからな。

 大学の頃からの付き合い深い相手が言った。――珍しく情のある発言だねえ。

「―――頼みますわ」

 なにしろ、涼一人だけじゃあフォローしきれねえのがわかってるしねえ。

 張本人二人はそのような実務部門についてのスキルは一切持ってないので、どうしてもマネージャーである彼女に任すしかなくなってしまうのだ。

 いつも申し訳ないっす。

【………】

「…なに?」

 止まった声の奥で、俺になにか訊きたい事でもあったのかと思い、声をかける。

【ん~。…お前らって本気でどうして別れたの?】

 俺、すげえ不思議なんだけども。

「……また今さらな発言を」

 あはははは…。

 一気に疲労する質問が来た。

【こんな事態でもお互いに信頼しあってんの丸わかりじゃねえの?】

 なのにどして?

「………そう見える?」

【見える】

「……………俺が振られたんです」

 あははは。

 乾いた声で答えることにした。

 これくらいはお世話になったzombieちゃんずの親分に娯楽のタネとして提供してもよかろ? あははは。

 ――――言いたくなかったけどな。

「…涼曰く、『あたしじゃない別の女に、自分の人生をかけてる男を相手するのに飽きた』ということでした」

【………】

「………」

 沈黙が痛い。

【――――なるほど】

「……やっぱり、おまえも納得すんのな。この理由きくと」 

【心から納得できたわ】

 流石は涼だな。至言だわ。

 ペンギンが頷く様はもう見あきた。

 突っ込む元気は残っていない。なにしろ、その発言を聞いたときに俺ですら納得してしまった離婚申請理由だったからだ。

 …うん、めちゃくちゃ最低な夫の反応ですか? ごめんなさい。

【まあ、しばらく酒の肴にでもすることにするわ。その話】

 そっちの救世主一族さんともそのうち酒呑みてえな。紹介してなー。

「―――休日の目途はつくのか、おまえのその溜まった仕事現場の状態で」 

【………たぶんそのうちいつかきっと】

 ひきつった声だった。

 

 空は青く、壊れた家屋の真ん中で始まっているのは葬儀の準備。

 偉大なる人の、最後の儀式だ。

【そういやあ、おまえ。さっきから何してんの?】

 こまこまと手動かしてるけども。

 画面越しにイヤホンつけて話していた相手がそう聞いてきた。

 おまえ、気づくの遅くない?

 疲れのあまり集中力が鈍っているんだろうことがよくわかった。寝ろ、ペンギン。

「んんん。――――サップライズの準備~」

 ちなみに俺は既に眠気を超えました。

 いやあ、一回寝たのもあるけどね。

 やりたいことあると眠気って意外に融通きかせてくださるわ。ただし、あとで爆睡コーナーに誘導されるのも確実ではありますが。

【…サプライズ?】

 葬式で?

 ここでしかめっ面をするのが日本人のまあ一般的な反応ではあるな。うん。

【―――俺は、いまだにおまえの行動が読めんわ】

 ある意味健二らしすぎて読み切れん。

 最後にそんな言葉を投げかけて回線を切った友人には、絶対いつか蹴りを入れに行ってやろうと思います。

 もちろん、上田の地酒を持参してな。

 

 

 

 

 ―――――――――――――→ 17 へ

 

 

 常識人にみえて、大奥さまのことになると予想外の人となる男、それが41歳健二さんである。

 わああい、好きだwwww

 

 

 

 

 

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活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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