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 はっちゃけ初期ケンジをギャグといえなくなってきた御紋です。…どうしよう。
 

 こんばんはー――というか、おはようございます?
 毎日更新は、もう諦めてきたわ。

 ということで、オンリー参加の前に、一作投下してから、と思ってたら。

 ちょっと。
 初期ケンジくんが、夢見の悪さに、いらいら、つんつんしてしまった。
 ――思春期なんです、そっとしといてあげてください。


 今日は、ちょっとアレだけども、ついてこれるかたはどうぞ。


 

久遠寺タウンOZ物語り(仮) 第二部:③

 

「僕だって、忘れたいことがあるんです。」





よければ、つづきからどうぞ。










 

 久遠寺タウンOZ物語り(仮) 第二部:③

 

 「僕だって、忘れたいことがあるんです。」

 

 

 

 

 

 君は、どうしてボクを呼んだのでしょうか。

 君は、どうしてボクを殺すのでしょうか。

 

 君は、どうして。

 

 

 

 

 

 ぶっす――――――――――。

「―――なに、あれ」

「知らん」

 今日の初期ケンジは朝から不機嫌の塊である。

「今日の夢見が最悪でした」

 朝一でそういいながら、仮ケンジの尻尾をひっつかんで零したミルクを拭いていた。

 うん、今日も鬼畜だな貴様。

 ミニマムな割りには馬鹿力の初期ケンジが、テーブルを拭くしぐさをするたびに、つられて動く仮ケンジ(本体)がガツンガツンとテーブルにお尻をぶつけている姿は、思い出しただけで涙ぐましい。

 というか。

「――――なあ、佐久間」

「――――なんだ、健二」

 気のせいか。

「――――あそこで、初期ケンジに馬乗りにされてるのは、おまえのところのアバターじゃなかったか?」

 健二が指をさした先で、初期ケンジが四つん這いになったサクマの上に腰かけたまま、仮ケンジにぺたぺたと泥を撫でつけていた。

 やめんか。誰が洗うと思ってんだ。その(仮ケンジの)Tシャツ。

 がくぶると震えた姿で、初期ケンジに会いに来た佐久間のアバター:サクマの姿はいまにも、倒れそうな死刑を宣告された罪人の顔だった。

「よ…よオ。け、ケンjiぃぃぃいいいぃ」

 声が裏返っていた。

 訂正しよう。死刑宣告されたんじゃない。――――死刑執行直前の顔だ、これは。

「―――――――――」

 ――――はっ?

 さげすんだ顔だ。超さげすんだ顔で、初期ケンジがサクマに?マークをよこした。

 いけない。

 これは、子供に見せちゃいけない顔だ。そんな顔だ。

 純真無垢な子供も来る公園に、不運にも傍で見てしまった子供はいないかと健二はあたりを見回した。

 ――よかった。子供はいない。

 ほっとした。

「――――仮にも、親友という立場のくせに、いつまで会いに来ない気ですか。このメガネザルは。とっても、とっても、あり得ない話だとおもいませんか? 眼鏡」

 ――――親友を、尻に敷いてけなすお前も、十分あり得ないと思うよ俺は。

 初期ケンジの行動には、いつだってあり得ないと思う思いしか感じたことのない小磯健二(17)の心境であった。

「サ、サクマ!!」

真っ青な顔でがたブルと震える自分のアバターに、佐久間が駆け寄ろうとした。

 

「うるさい!!」

 

 不機嫌な顔で、初期ケンジが叫んだ。

 

「貴方も、貴方も、貴方も、皆。みんな!――――――――いなければいいのに!!」

 

 蝉が叫んだ。

 夏の日にしか生きられない蝉が、たった一度の陽の下で叫んだ。

 照りつく太陽が、汗を伝えることを促していた。

 

「――――初期ケンジ?」

「―――――」

 

 何を…。

 どこかに感情を置き忘れているのだと思っていた。

 この不思議な生きものは。

 人と同じように物を食べて、同じように眠って。――――けれども、どこか不思議な生きもの。

 どこまでが一緒で、どこからが違うのかそんなことも分からなかった。

 違ったのだろうか。

 どこまでも、人をおちょくったようなこのアバターは。

 それでも、なにかに必死だったのだろうか。

 

「初期ケンジ?」

 

 尋ねた言葉に、返事は帰らなかった。

 

 ぷい。

 

「ラブマに会ってきます。―――夕飯はいりませんから」

 

 ぱたぱたぱたぱた。

 初期ケンジが、公園を出ていった。

 ―――――何だったんだろう。

 振り向けば、2体のアバターたちが哀しい顔をしていた。

「なんだったんだ?」

 知ってるのか? おまえたちは。

「――――いいえ」

「――――何にも、知りませんよ。―――知ってやれなかったから」

 だから、答えられません。ごめんなさい。

 哀しい顔のままで、仮ケンジとサクマが頭を下げた。

 

 聞けるはずもなかった。―――――――初期ケンジの過去など。

 

 

 

 

 

 

 

ティルルルルルティルルルル。

『…もしもし』

「あ、すいません。小磯ですけど、うちの初期ケンジがそっちに行ってませんか?」

『あ? ――――ああ、来てるよ。ラブマシーンと一緒にずっと転がってる』

「え?」

 転がってる?

『ウチに来たそうそう、ラブマシーンをひっつかんでよ。放そうとしねえ。―――ラブマシーンもそれでいいみたいだから、そのまま置いて仕事してたら、毛布一枚広げて二人でくるまって寝やがった。――――なんか、あったのか?』

 ラブマシーンの保護者的存在である侘介が、少しばかりの心配を含めて聞いてきた。

「いいえ…なにも――――――」

 今日は、何もなかったんです。――――今日は。

 言うべき言葉がみつからず。健二は、そう返事するだけにとどまった。

『ま、俺が言うことでもないが。―――――明日までは預かっておいてやる。明日の朝、迎えに来な。――――その頃には、あいつも元に戻るだろうよ』

 初期ケンジの壊れそうな表情を、気付かれたのだろうか。

 世話焼きというには縁遠そうな相手が、実は十分な大人だったことにひどくほっとした。

「――――はい」

 そうします。

携帯を切った後、健二はその日の空に雨雲があったことを知った。

…明日は、晴れるだろうか。

 

初期ケンジを迎えに行った時の天気が、雨雲のない晴天であることを祈った。

 

 

 

                                  了 by御紋



 

―――――ギャグ、主張はあきらめるといいの?自分。(泣)――

 とりあえず、初期ケンジがこれ以上なく暴走と言うか主張と言うか。――――はやく、楽にしてあげたいです。(涙)

 だって、最初はサクマいじめさせて、ついでにサクマと再会させちゃえという軽い気持ちで書いてたのよ、この回。――――――――どれだけ、暴走したかわかるかしら。^q^

――――プロット書かずに書いてるとこうなるのね。でも、プロット書いたら、そこで満足して作品仕上げないだろう自分も分かってるんだ。御紋。

 第二部って、どんなふうに終わるんだろう。―――なんとなく、見えた気はするけども。きついわああ。

 

 

 

 ―――おーい、初期ケンジ―。今日のおやつはハニ―トーストだよー。 
 ―――し、仕方ありませんね。か、帰りましょうか。

 ―――(何だ、あの高速のお帰りモードは)

 

 翌日の朝、初期ケンジの好物で釣ったのは、保護者の特権というものでしょう?

 

 

 

 

 

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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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