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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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はっちゃけ初期ケンジ――第一部完。でよくないか?


 深夜にこんばんはv
 今日も、はっちゃけた初期ケンジ。

 思ったよりも、早く書くことになってしまったこの話。
 でも、書く気はあった、この話。

 けんじ三人幸せならいいのよ。(涙)


 久遠寺タウンOZ物語り(仮)④

 「起きてください、お腹が減りました」



 ちなみに、健二さんは夢のことは覚えていません。(きっぱり)



 大丈夫な人は続きからどうぞv









久遠寺タウンOZ物語り(仮) ④

「起きてください、お腹が減りました」

                                 2010.01.09.

 

 夢を見た。

 それは、とても悲しくて哀しくて、大切ななにかを失った夢だった。

 目覚めれば、それはすぐに消えてしまう、淡い夢であったのだけれども。

 

 

 

 ぱたん。とことことこ。

 はい、深呼吸してー。吸って―、吐いて―。

 それでは、1、2、3、4、の、GO!!

 

 がすっ!

 

 健二の自室に侵入した後、初期ケンジがまだ眠っていた健二の胸元へとダイブした。

 

 いえーい、イイ音した―v

 

 げほっ、がはっ! げほおおお!!(涙目)

 いい笑顔でvサインをしている初期ケンジに、死にそうな思いで健二が抗議をした。

―――おもに、咳と涙と指先確認で。

「? なにか?」

 不思議そうな顔で、尋ねられた。

「げほっ! がぼおっ!!げほおおおおおおおお!!!」

 日本語が喋れなかった。

「――――いつから、パパは日本語をしゃべれない人になったんです?あーあ、涙まで流して。困ります、唾がとんでくるじゃないですか」

 全くもう、困りますねえ。

ポケットからハンカチを取り出して、咳エチケットの大切さについて、初期ケンジが語っていた。

そして。

「―――いつまで寝てるんですか。もう朝ですよ? さっさと起きて、僕の朝ごはんを作ってください。フレンチトーストはバターを使ってふんわりカリッと、コーンポタージュは人肌で。ああ、サラダはニンジンを入れないでくださいね。別にニンジンは嫌いではないですが、嫌いな奴を思い出すので、朝からみたくはないんです」

 怒涛の勢いで、要求された。

 ――――いたのか、初期ケンジに苦手な奴が。

 死にそうなほどの咳も止まるほどの衝撃的な事実だった。

 嫌ッそうな顔で、初期ケンジがどこかを睨みつけていた。

「あ、そうそう。―――――今日はラブマがあと10分後に遊びに来ますので、それまでに朝ごはんが当たらなかった場合は、パパの大切な数学の問題集の問題文の数字と、回答ページの数字を、虫眼鏡で綺麗に焼こうという計画が…」

 べんっ!

 とてつもなく根暗で陰険ないやがらせを聞いて、健二は走り出した。――――自室のドアにぶちあたりながら。

 とんとん。ちゃかちゃか。じゅわあああああ。

 台所から、調理している音が早くも聞こえてきた。

「――――――――――――相変わらずの、数学馬鹿ですねえ」

 誰もいなくなった健二の自室で、初期ケンジが呟いた。

 てくてく。ぽふん。

 まだほのかに健二の熱が残る、そのベッドに腰掛けて初期ケンジは一人呟く。

「――――いいんです。いいんですよ、パパ」

 ぽつん。

静かになった、その個室で誰に聞かせるわけでもなく呟いた。

 

「――――小磯健二であるあなたがいて、一人目である僕がいて、――そして、悔しいけれども。…二人目である仮ケンジがいて。――――――――皆がいるのなら、いいのですよ」

 

 パパが幸せなら、それでいいんです。

 

 

 

 

 

 夢を見た。

 いつだって、心のどこかが焦っている。――――生きることに憶病になっていた自分の夢だった。

 自分自身が一番信用することが出来なくて、そして、そんな自分を一番嫌っていた。

 失われたその存在は、ずっとずっとそんな自分の全てを見てきたものだった。

 なのに、それは失われた。

 ―――――――――――自分自身のミスによって。

 

 ひどく、虚ろになった気がした。

 

 どうしてだろう、どうしてだろう。

 あの子が帰らない。

 あの子が返らない

 誰でもなかった自分と、誰よりも長く共に過ごしていた、あの子が。

 

 帰っておいでという言葉も許されず。 

 さようならという言葉も言えなかった。

 

どうしてだろう、涙が出ない。

――――責める言葉は、きっと、自分にだけ与えられるべきであったのだ。 

 

「もういいんですよ、パパ」

「―――終わったんですよ。健二さん」

 

 ふいに、夢の中に聞こえた声が二つ。

 

「もう終わったんです」

「そして、もう始まったんです」

 

 その声は、あの帰らなかった子によく似ていた。

 

 

「「さあ、一緒に生きていきましょう」」

 

 

 夢の中で、健二は泣いた。

 朝日の中に、置き忘れてしまった夢の中で。―――――かえってきた子らを喜んで泣いた。

 

 

                                   了 by御紋

 

 …うん。

 これをシリーズ化するときに、これは絶対に書くべき場所だと思っていた。

 小磯健二は、原作の後はきっと幸せだったんだろうと思うんだよ?数学チャンピオンに再挑戦して、親戚のような家族に恵まれて、――――幸せだったと思うんだ。

 ただ、御紋は思ったわけだ。

 じゃあ、その前の小磯健二はどうなの?と。

 生きることに憶病で、たった一度の挫折をグチグチと言って、佐久間とだけ交流を持って。

 自分自身を、まだ駄目なんですと言った小磯健二は。

 苦しかった時に一緒だったアバターを失ったことを、嘆いてはいなかったのかと。

 幸せな日々の奥で、そんな思いがなかったと言えるのかと思ったのですよ。

 

 

 

 ――――パパ、ニンジン入れました?

 ――――いや、入れてない入れてないよ? ――――ただ…

 ――――ただ?(きらり)

 ――――………ポタージュスープがなくなってたの忘れてたから。――野菜ジュースで代用しただけ…(汗)

 ――――はい、アウト―! 今日は、虫眼鏡で実験デイに決定です!

 

 ――――うぎゃあああああああああああ。(号泣)

 

 

 

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活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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