「　目覚めたのは、少女　（後）　」

　それがどうしたと思いながら、自らの心のままに過ごしてきた。

　反抗するように、少年の成りをして。

　――え？　佳主馬くんって、…女の子だったの！？

　――…悪い？

　全てが終わった後で佳主馬の性別に気付いた彼に怒りながら、心がつきりと鳴った。

　自分が『少女』であったことを、そのときに思い知った。

　あれほどに嫌だった自分の中の『女』の部分を知った。

　どろどろに溶け切った澱んだ感情。

　自分ですらも嫌うようなその思いにまぎれて。

　妹でもいいから、傍にいさせてとすがりつく、愚かな自分がいる。

――　女の子なのに、なんて格好してるんだよ！！

真っ赤な顔して、そう言った。

　押しつけられたそのシャツからは、彼の匂いがした。

涙さえも、惜しむことなく零れて落ちよう。

　泣くことは逃げだと信じていた少女の潔癖さはもう消えた。

　今はただ、溢れるばかりの感情に翻弄されるだけのこと。

　ぽつりと落ちた雫の先も、もはや追えない。

　優しい声は、優しい手つきで佳主馬の頬に手を当てた。

　僕がいうべき言葉じゃないことはわかってるけどさ。

　ごめんね。

とくん、と伝わる熱に鼓動が聞こえる。

「　僕だって、――佳主馬くんに会いたいからきたんだよ？　」

　その意味が妹のようなものとしてなのか、恋に準じた感情なのか、ただの友人としてなのかはまだわからないけど。

　否定されてないことが幸せでしょう。

　いつか、この恋は変わるでしょうか。

　大好きな人に、感謝を捧げましょう。

　――　キミに触れたい。

　新鮮でした。本当に。

　あれですね、にょになろうとも佳主馬は健二さんを大好きすぎますね。

　執筆にあたって佳主馬の方向性について３つほど候補があったのですが（①王道のツンデレにょ佳　②まさかの肉食美女にょ佳　③必死すぎるｄｋｄｋにょ佳）、…③にいたしました。

①  は御紋の尊敬サイトさま（残念ながらリンクできないんです）で拝んだことがありまして。あれ以上のものはないと思っているために手をつけられず。

②  は原作に近い時間軸だと、これはまだ早いと思いました。

③  そして、こうなるとにょ佳×健というより、にょ佳→健？という疑惑が発生。　健×にょ佳だとは言い切りたくない。（ジレンマ）　…これですよ。

　佳主馬が女の子だと、夏希さんの立場設定に困るんですね。女帝にしても、なお微妙に泥沼になりかける。――いっそ、女たちの健二さん所有権争い（ギャグ調）にでもしたほうが、わかりやすいのかな？　

　いろいろと、にょ佳主馬の難しさに考えさせられました。勉強になりました。＞＜

　――　犯罪者が此処にいる気がするんだが、健二。

　――　……なりたくないから、願ってるんだろ。

　お持ち帰りは、セイさまのみＯＫとなっております。

[5回]