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セイさまリクエスト 【 にょ佳主馬 × 健二 】
潔いリクエストに挑戦しました。
…ふ、不安だ。いいんだろうか、dkdk。
「 目覚めたのは、少女(前) 」
2010.08.22
会いたいのは、逢いたいのは。――永遠のエゴ。
それが、ボクの欲求の形だ。
「うわあ、小さい…」
こんなに小さいのに、もう爪があるんだ。
ふにゃふにゃの妹を、おそるおそると抱いていたのは小磯健二。
この夏に、世界を救った一人。
「そりゃあねえ、人間ですもの」
小さくてもしっかりしてるわよ、そのへんは。
苦笑するのは、池沢家の第二子出産という偉業をとげたばかりの池沢聖美だ。
「――眠ってばかりの妹だけどね」
可愛いよ。
怖がる健二さんの代わりに、抱き上げた妹を慣れた手つきで撫で上げた。
ふかふかとした髪の毛。
ふっくらとした肌。
ミルクしか飲んでない妹の身体は、甘い匂いがした。
生まれたばかりのこの子は、佳主馬に優しい母性の心を芽生えさせる。
「……」
「なに?」
健二さん、どうかしたの?
健二が息を飲むようにして、佳主馬を見ながら止まっていた。
「……いや、佳主馬くんがすごい優しい顔で笑ってたから」
キレイだなって思って。
真っ赤な顔で告げられた。
「! …っ…!」
なにソレ!
そう言いたいのに、言葉にならない。
顔の紅潮がうつったように二人で真っ赤になりながら、顔を反らした。
「――佳主馬」
その様子を見かねた母が、ジュース買ってらっしゃいと二人を追いだしにかかるのは、善きことでしょうか。悪しことでしたか。
答えは、誰にもわからぬのです。
静かな病院の中を、少しだけ離れて歩いたその二人にとってですらも。
「オレンジにする? コーラにする?」
「…オレンジでいいよ」
辿り着いた自販機の前で、腰かけて二人で喋った。
「――今日は、来てくれてありがとう」
佳主馬はそう告げる。
来てくれるかなんて言う想いよりも、…一人で、名古屋まで来てくれるとも想ってはいなかったのが本当のところだったから。
「…祝い事じゃないか。僕のほうこそ、来てよかったのかってびくびくしながら来たんだけどね」
自信なさげに、健二さんは言った。
「来てくれて、嬉しかったに決まってるじゃないか!」
悔しい。
本当に、本当に嬉しかったのに。
名古屋駅で待ち合わせた場所で、手を振る姿にどれだけ浮かれたかなんて。
きっと、健二さんには分からない。
夏希姉もいなくて、二人で病院まで歩いて。
デートのようだと、必死で浮かれる心をセーブしてた自分の心なんて。
「 今でも、ボクは健二さんが好きだよ 」
何度か告白した言葉を、もう一度声に出す。
今でも、健二さんは夏希姉が好きなんだろうか。
それを確認する勇気はないし、確認してもたぶん何も変わらない。
好きな想いは変わらなくて終われなくて。
ただ、この心の中で溢れ続けている。
泉のように、雪解けの川のように、傷から溢れた血のように。
心は終われないままに、夏は終わってしまった。
「 妹みたいでもいいから、健二さんの傍にいたいんだ 」
逢いたい逢いたい、あなたに触れたい。
本当は、妹は嫌。恋人がいい。
でも、そんな立場は貰えないから。
――健二さんは立派な陣内家の婿さんだ。
夏に逝った人は、そういって夏希姉の恋人を認めた。
けれど。
「…好きだから」
健二さんに、会いたかったんだ。
――この想いだけは、否定させはしないから。
後篇に続く。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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