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壱萬ヒット御礼!たき様v

 たき様 フリリクより。
 「13×17カズケン。――健二さんが好きすぎる佳主馬の狼になりかけ、だが我慢。そして、予約するというお話」

 いろいろと新しい視点を盛り込んでみたよ? 
 18禁にいれるか悩んだくらいにね。HAHAHA.^p^

 …気に入らなかったら書きなおしますので言ってください。orz

 企画への参加、ありがとうございました。^^  


「 LOVE or LIKE 」

                      2010.04.03.

 

 好きです。

 そんな言葉を言うようになった。

「僕もすきだよお?」

 笑って返事する人はその好きの意味を知らない。

「夏希姉には、言ってないのに?」

 ぶは。

「―――夏希先輩と佳主馬くんは別だよオオ!!」

 ずきん、と胸に突き刺さる言葉。

「――――だよね」

 無理やりひねり出した笑顔を隠す方法を佳主馬は知らない。

「当然でしょ?」

 赤いままの顔でそう返す健二さんが好きすぎて、つらい。

 出逢ったことを何故と問いながら、それでも側に入れる今が嬉しい。

「―――好きだよ、健二さん」

「僕もだよ?」

 

 心を殺すことに、もうそろそろ馴れてくれたらいいのに。

 13歳の佳主馬は自分のことをそう思うのだ。

 

 

 

 

「――明日、帰る?」

「うん、そう。――やることが残ってるからね」

 もう荷物は準備してあるんだ。

「――帰るんだ」

 いきなりのことに呆然として聞いた。

「夏希先輩も帰るってさ」

 やっぱり、部活の心配もあるみたい。

「!!!!」

 ぐい。

「!!! 佳主馬く…」  

 それは嫉妬からくる衝動だった。

 細い健二の肩を掴み、身体を開くようにしてひきずり寄せた。

 佳主馬の膝の上に倒れ込んできた健二の顔をたぐりよせる。

 慌てるように動こうとした身体を抑えて、その唇を奪った。

 見開かれたままの健二の目を覗き込んで、見つめ合っていることに暗い歓びが生まれる。

 交差させた唇の奥で、繋ぎとめる鎖のように赤い舌を交合させた。

「………!!」

 無言のうちに、交わされるその接触を健二が跳ねのけようとしたが、佳主馬はそれを否定した。

 今日も着ているそのTシャツをめくり、肌を撫でればその身体は硬直した。

 佳主馬が引きずり寄せたことで崩れた内股の正座を、もう一つの手で撫でても見た。

 びくりと反応する身体に、佳主馬の歓びが増えた。

「………」

 めくりあげたTシャツの中で声を殺しながら身体を震わせる健二を憐れと思う余裕など、佳主馬には元々なかった。

 細い健二の大腿を下から上へと筋に沿うように撫で上げた。

 

「―――佳主馬くん!! 」

 

 叫んだ健二の声に、佳主馬の心がブレーキを踏んだ。

 息を切らせて、佳主馬の身体を跳ねのけた健二の顔には、生理的にか感情的にか涙が伝っていた。

 

「―――――好きだよ、健二さん」

 

 ありえないことのように見つめられることに絶望しながら、佳主馬はもう一度想いを伝える。

 

 

 

「―――貴方が好きです」

 

 

 

 こぼれおちたのは、言い続けても伝わらなかった佳主馬の告白。 

 健二を逃がした瞬間、意図して抑える力を抜いたのは、佳主馬の最後のためらいだった。

 

 

 

 

 

「――好きって、そういうこと?」

 こくり。

 そう問われたら、言葉も出ない。

「――――まさか、そんな意味だとはおもってなかった」

 健二の答えは予想済みだ。

 そうでなくては、弟扱いなどしはすまい。

「―――正直、わからない」

「え?」

 健二の答えに、顔を上げる勇気もなかった佳主馬がそちらを見つめ返した。

 交差する視線。

「―――夏希先輩は好きだよ? でも、それが恋なのかは正直わからない。―――でも、佳主馬くんの今のキスが嫌だったかっていわれても、…答えられないんだ」

 嫌ではなかったから。

 はにかむように言われた。

「え…」

「――でも、佳主馬くんは13歳だし、男の子だし、――まあ、保留にさせてください」  

 もちろん、撤回したかったらどうぞ?

「―――健二、さん」

 泥中に生ずる蓮花。――その美しさに救いを感じる仏教徒のように、佳主馬は安堵した。

「馬鹿だなあ、撤回なんてしないよ」

 涙ぐんだ声で佳主馬は答えを返した。

「――健二さんこそ、撤回なんてしないでよね。その言葉」

「―――保留です」

 首をかしげながら答えるその優しい人に、ほっとする。

「――――じゃあ、とりあえず」

 ボクが18歳になるまでは保留にしといてもらおうか。
 確認の振りをした懇願を佳主馬は口にした。

 そうすれば、絶望はまだ訪れない。

「いい?」

 笑いが自然と声に溢れた。

 

 

 

「健二さんは、ボクが予約したんだから、――――覚悟しといてね?」

 

 

 

 絶望しかなかったはずの恋がここにきて未来が生まれたことを幸福と思う。

 これを完璧な幸せにつなげるためにも、佳主馬はいい男にならなきゃなと思う。

 もっとも。

 

「―――じゃあ、佳主馬くんには一生懸命育ってもらわなきゃね」

 

 いきなりの告白を、笑顔で真摯に受け止めてくれたこの人にふさわしい相手になるのは、まだまだ先が遠そうだと思いもするのだけれども。

 

「みててくれる?」

「みてるよ」

 

ずううっと。

 

 恋が、佳主馬を育ててくれる。

 人として、王者として、――愛する人にふさわしくなるために。

 

 それがとても嬉しい現実だと、13歳の佳主馬は思う。

 あとは前に進むだけ。

 挑戦者になるのは久しぶりだ。

 けれど、戦うだけの価値はある。十分に。

 

「好きだよ、健二さん」

「――保留です」

 

 LOVE or LIKE 

 

 答えは、5年後のお楽しみだ。

 

                         了by御紋

 

 たき様御所望のフリリクです。――甘いかな?^p^

 今回は、ややリアル風に書いてみましたよ?いかがかな? 13歳というのは夢に満ちあふれた年代ですから。――これから、自分を育てていく佳主馬の未来がとても楽しみです。^^

 楽しいリクエストありがとうございました。^^

 ※お持ち帰りは、たき様のみOKです。

 

 

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活字中毒の自覚ありです(笑)。
映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

こちらでは、二次創作を展示させていただきます。
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