二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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書いてて、確かに少女マンガ脳だなあとおもうわけです。
…よく、さらすなあ。こんなの。^^;
愛に慣れてない健二さんシリーズ。
「キミに心を譲り渡そう」
2010.04.06.
「-―ふむ」
ようやく納得した声で、佳主馬はうなずいた。
目の前には、時刻表。
フォルダをあければ、そこには名古屋→東京区間のあらゆる交通網の情報サービスサイトが登録済である。
仕事上、用意していたクレジットで支払い手続きは終了済み。
「――完璧」
あらゆるイメージはすでに構築済み。
「――いつだって側にいくから」
想うことなど、たった一人。
「―――呼んで、健二さん」
祈る言葉は、宙に溶けた。
始めは、小鳥の写真を一枚。
「今日も、こいつらは朝からうるさいです」
そんな文を一緒にして、送った。
次は、黒々と種が詰まったヒマワリの写真。
「生意気なことに、人を上から見下ろしてるんだ。いつか、超えてやる」
セットにしたのはそんな言葉。
「湯気ばっかりだ。――気持ちいいよ」
噴き出た温泉を撮ったときの文。
「今日は、ちびたちが先に帰るって。見送ったら、こいつら『健二によろしくね』っていってた。――遊び相手のつもりみたいだ」
しっかりと日焼けしたちびたちの写真。
心の欠片を、あなたにあげる。
もう、かなしいことがないように。
あなたが一人ではないと伝えたいから。
だから、呼んで。
今度はあなたが笑う番だよ。
佳主馬が名古屋に戻っても、一方的なそのメールは続く。
「今日は学校だったよ。――やかましい連中と再会した」
「帰り道に、神社に寄ったよ。――手毬って、コマ犬のおもちゃなのかな?」
プールの写真。コマ犬の写真。蝉の抜け殻。
アスファルトに書かれた落書き。
「―――健二さんは、どうしてる?」
メールの最後にはそんな一文。
答えは、まだまだ帰らない。
今日撮ったのは、防波堤の写真。
遊びに行った海を見ながら、その波音が健二さんの泣き声のように思えた。
夜に、佳主馬の携帯が鳴った。
「………」
何も話さない無言電話だった。
何も言わないその相手の、ひそかな吐息。
擦れ合う衣の音。
そして、ためらい、呑み込む、その気配。
「…健二さん? 健二さんでしょ?」
驚く気配を伝える道具。
ああ、そうだ。―――健二さんだ。
「今から行くから。 …待ってて」
即座にチケットをとって、ジャケットをはおり、駅へと走る。
「一人で泣くのは、反則だよ」
健二の泣いている気配が、佳主馬の耳の奥に残っている。
了by御紋
わがまま、――何処言った?^p^
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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