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二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)

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41歳健二さんの呑み!⑰-9


41歳健二さん! 強化月間中。><


 



 

  9

 

 

 

 酒を酌み交わそう。

 貴女と俺で。

 

 誓いとともに固めの盃。

 

 ―――生きることは守ることでした。

 

 

 

 

夏の夜は好きだ。

昼の熱をほんの少しだけ地面に残して、風が肌を撫で戦いでいく。

それは存外に気持ちがいい。

都会で慣れ親しんだ人の群れから離れて、この世界の生態系の一部に戻れた気さえする。

蚊取り線香なんて時代遅れだと思いながら、その匂いに癒されている。

愛しい過去を思い出すから。

 

夜闇の山中にひっそりと、夏が逝く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アカウントが移動していく。

 緩んだその拘束の律が崩れて。

 ラブマシーンの元から逃げ出すように幾億のアバターたちが解放されていった。

「詫び、解体は!?」

「まだだ! 」

 汗も滲む夏の昼。

 大広間では世界を救う大戦。

 あり得ない速さで遠隔操作でのラブマシーンの解体は続くもののそれでもまだ解体は終わらない。

「ちっ!」

 思わず漏れた舌打ちに品が無いわよと笑って言ってくれた人を思い出すこともせず、小磯健二はキーを叩く。

「―――――――逃すな、ケンジ!」

 この機会を逃せばお前は影を失う!

 解体作業を始める前。

二代目のアバターである仮ケンジを一時的に解除し、初代のアバターであると同時にラブマシーンの相棒ともなった初期ケンジをOZへと降ろしておいた。

 一人につき一体と限られたOZのアバター制約。

 AIとしての存在である初期ケンジにアバターの機能を付与することなど5分もかからぬ程度の労作だ。

 小磯健二という人間のアバターとしてOZへとログインして、いまあれほどに望んでいたラブマシーンが不要の鎧(アカウント)を剥がされたこの瞬間。

 今を逃して、ケンジがラブマシーンを捕捉することなど出来るはずもない。

 

【―――逃がしません!】

 

 一瞬のフラッシュバック。

 OZ画面を映した白い画面のなかで一人のアバターが逃げ延びた世界の敵の影に飛び込んだことを知っているのは、きっとその家族だけ。

 

 少し前に起きたAIの奇跡を知っている。

 

 ―――ラブマシーンとケンジの大好きな、小磯健二ただ一人だけ。

 

 

 

 

 影は光が映しだすもう一つの姿。

 キミがぼくで、ぼくはキミ。

 

 ――― 一緒になろうと囁いたのは。

 

 

 キミが作ったもう一人のAI.

 

 

 

 

  ――――――→ 10 へ

 

 

 ……。

 とうとう、10だよお婆ちゃん。

 お付き合いくださると真に嬉しいです。(涙)

 

 

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