借家の住人シリーズ①　　（借暮…現ぱろ／男主／傍観？）

「　瞳は閉じて、耳を澄ませ　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１０．０７．２３．

尋ねたところで、聞く者はいないと知りつつ。

帰ってきたマイルームに寝転がった。

「もう少しだ頑張れ俺」

句読点を入れる気力も失くした、大学生です。

今日もバイトとレポートで、疲労懇狽。

「―――ああああ、小人さんが俺のレポートをしてくれたならきっと幸せなのに」

　ぐだぐだ言いつつ寝るのが、最近の俺様の生活。

　借りてあるアニメＤＶＤは見終われるのか、それも問題。だって、返却期限は本日…死んだ。　

　なにしてんだ、とかは言ってくださるな。

　借り暮しをする小人の話だ。

「――おおお、小道具使いがすげえな」　

　そして、身体能力が半端ない。

　寝起きの牛乳が、骨に美味い。

　―――身長が欲しかった中学から高校時代にかけて飲み続けた癖が、いまだに俺の朝ごはんに牛乳を選択させるのだ。

「　―――この小さい身体で、この行動力」

素晴らしい、サバイヴ。（ＩＮ屋内）

　ちなみに、こちらでのは「借り」と呼称しているようだが、どう見ても正しい使用方法は「狩り」だろう。

ひとり言のように、突っ込んだ。

ごくり、と飲んだあと、牛乳パックは洗って干しておく。

乾いた後には回収に出さねば。

そういや、この前のは笑ったな。

提出しようとしたら、牛乳パックの片隅が切り取られていたのだ。

サイズはおよそ５センチ四方。―――丁度、小人が持てる大きさ。

「　――何に使ったんだかねえ　」

　しかし、そこで振り向いては行けない。

「静かにしろ、今日はもう少し後にするぞ」

　今日は、保護者付きか。

　この前は、庭で壊れた歯ブラシの先っぽを引きずっていたが。

　柔らかくなりすぎた歯ブラシの毛で、なにを磨くつもりだろうか。

　想像して、笑った。

「　ねえ、あれもっと見たいよ」

「………たぶん、今夜また見始めるよ」

　そうね、たぶん帰ったらもう一回流し見するわ、俺なら。

「――お母さんが言ってたか」

「うん…」

　……百均で買ってこようかな。

　安物ながらも、消耗品と思えば文句はない。

　というか庶民の味方、俺様のアイドルだし。

「あ、やべ。出かける準備しなくては」

　もそもそと、動きだした。

「おばあちゃん、俺行ってくるわ」

「はいはい、気をつけてね」

　自宅農園で草むしりしていたばあちゃんが、挨拶してくれた。

「――百均行くけど、何かいるものある？」

「別にないけど。――せっかくだし、待ち針のセットでも買ってきてもらおうかなあ。あと、ポストカード」

　汗をぬぐいながら、言われた。

「なんだ、また針なくなったの？　」

「そうそう、それなりに壊れやすいみたいでねえ」

　ちらり。

　おばあちゃんの目線の先には、―――ゴミの山。

　折れた待ち針の先には少々赤い血が付いていた。

　……わあ。―――サバイヴ。

「　今度は、夏の風景写真でも買ってきてよ」

　猫とか犬とかはやめてね。

「　分かってるよ　」

　俺だって、自分よりも大きなサイズの動物（肉食）の写真を飾ろうとは思わないからなあ。

　日ごろ遭遇しやすい、身近な天敵なだけに。

「　一人は、寂しいってことだよなあ　」

　荷物を抱え込んで、バイクに乗る。

　今日の俺様の帰宅は、何時になるやら。

　その間の時刻は、小人たちが自由に借りが行える。

小物が散乱するあまり、すぐモノが無くなる我が家は、―――結構すごしやすい、小人の住む家である。

　公開中映画で、妄想してしまいました。

　神●ボイスに釣られながら、予告にも出てなかったキャラに悶えた馬鹿ですｗｗｗなにあれ、かわいい野生の１２歳ｗｗｗ

　もちろん、予測通り悶えたよ、●木ボイスも。

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