二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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宿題更新!!
男泣きは声を殺すと艶が増すと思うんです^w^。
「素直になれないままの隙間時間」
【素直になれないままの隙間時間】
2010.02.28.
上田での夏が3回、過ぎた。
――――あの人はいない。
「もう、健二くんたら、無理にでも引っ張ってくるべきだったわ」
「ははは。就活も大事だよ。仕方がない」
何度誘っても来なかった小磯健二に不満を言っているのは、従兄弟の夏希。―――それをなだめているのは、陣内太助。
――――見慣れた親戚たちだけの夏が来た。
「そうそう、健二君はこのまま行くと大学に残れるかも知れないんだってさ」
「おや?それはすごい優秀なんだねえ」
「当然じゃないの。健二君よ?」
「じゃあ、大学院の方に」
「すごいねえ」
大広間は手と口をおおいに動かして、なにかを満たす場所だ。
それは空腹を満たす場所であり、口福を満たす場所であり、好奇心を満たす場所である。
親戚の間でのおしゃべりの中に、「小磯健二」という人間のことが現れるようになって、もう3年の月日がたった。
ふいに現れる「小磯健二」の話題に、ひそかに反応してしまう自分に佳主馬は呆れてしまう。
―――皆の知る小磯健二は、違うのに。
「―――健二くん、あいかわらずでさ。―――彼女の一人も作んないのよね」
「あれ? 夏希とは?」
「ううん? つきあってないよ?」
「えええ、もったいない」
「だって。――――健二君、もう好きな相手出来たっていうんだもん」
「!!」
「…佳主馬? どうしたの~?」
「――――トイレ」
いきなり立ち上がった佳主馬に、聖美が声をかけた。
思いついたのが奇跡のように、言い訳を告げてその場所を去った。
ありえないありえないありえない。
佳主馬は、辿り着いた自分の陣地―――納戸へ身を寄せる。
「…っは! は、は、は……」
勢いのままに閉めたその扉に寄りかかるようにして、佳主馬はその手を見つめた。
「―――んだよ、これ」
見つめる先には、涙で濡れた自分の掌。
3年の時間は、佳主馬が欲しかった大人の身体への階段を確かに上らせてくれていた。
けれども。
「―――馬鹿だ、おれ」
――――初めての恋だったんだと、今なら言い切れる。
「――――俺だって、―――あんたが好きなんだよ。今でも」
――初めての失恋が、まさか本人のいない場所でなんて。
「――――っ」
佳主馬は、ひそりと納戸のなかで、身をかがめた。
大人の様だといわれるまでに成長した高校生の自分の身体を、小さく小さく折り曲げて。
3年前、子供のような身体でも、愛した人に触れることが許されていたあの頃の自分に戻るように祈りながら。
――無意味な願いと知りながら、声を殺して自分の初恋を弔った。
了 by御紋
………終わらせないから、あきらめるな。佳主馬^w^。
「…え? 佳主馬くんがもう大学生ですか?」
「そうそう。早いよね―。生意気さは変わってないけどね」
笑う夏希に、困った顔で健二は立っている。
「――そう、ですか」
擬態のうちの笑顔のままで、健二が呟いた言葉が素のものだとは誰も気づかなかった。
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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