二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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字数、多いよ。^^;
「ボクは、やはり不破であるのです 後篇」。
「 どうして、そう思う 」
 そう、自ら訊いたのはいつのことだったのか。
 同じろ組の相手だ。
 いつも、いつも、「今日も生きてないね」と言われることにも、飽きていた。
 くるり、と道化がこちらを向いた。
「あんたは、生きてないだろう? 遠くの空を眺めている。―――虚ろな目で、見えない夜の果てを追い求めている」
 死、という解放の場所を探して。
答えることは、出来なかった。
 それは真実だったからだ。
お母さん、お母さん。
 ボクはね、雷蔵だよ。お兄ちゃんじゃないんだよ。
 お母さん、ボクは死んでないよ。
「――ああ、―――、早く帰ろう。夕餉の準備をしなくては」
お父さん、お父さん。
 お母さんに言ってあげて。
 お兄ちゃんは死んだんだよって。
ボクは生きてるよって。
「 仕方ない。あれが、そう思っているのならそう信じさせてやれ 」
お兄ちゃん、お兄ちゃん。
 助けて、お兄ちゃん。
 辛いよ怖いよ、ボクの名前を返して。
 ボクの名前は―――――・
「 笑顔を浮かべて、はい、と答える『いい子』ちゃん。
  ――――どこに、おまえの命があるってンだ   」
 鉢屋は、言った。
 化け物の術を得手とする相手は、怖い。
 誰よりも、相手を見ているから。
 それは、すなわち。
 姿を。形を。心を。―――弱みを。
その相手の本質を、掴み取る者であるということだから。
「――ボクは、いい子じゃない!! 」
涙が、一筋。―――ぽろりと落ちた。
「…ボクは、ボクだ。不破、雷蔵だ!! 」
叫んだのは、真の名前。
「ボクは、雷蔵だ。
――― 『 不破 雷蔵 』 だ !! 」
風が吹いて、涙が散った。
 見えた視界に、温かな人の肌。
「―――ようやく、見えたぞ。 おまえの、容が!!!! 」
笑う相手の顔を見て、ボクが此処にいることを知った。
ようやく、おまえの形が見えた。
 これで、化け者の術が出来るよ―。
 
 反省の色はなく、ただ笑う三郎に叶わないなあと思う。
「 なあ、俺にこの顔貸してくんない? 」
 えらい居心地いいのよ、これ。
打診されたのは、しばらく後。
「――――キミは、誰? 」
「? 鉢屋 三郎」
「ボクは、誰? 」
「 不破 雷蔵 !」
当然だろ?
首をかしげる相手に、いいよと答えておいた。
 あまりに悪戯が過ぎるときは怒らせてもらうからね。
 そんな条件をつけておいて。
もう、いい子の仮面はいらないよ。
だって、ボクは。
不破 雷蔵、というのです。
了 by御紋
不破祭。
 イラスト描けず、お話間に合わず、小説に変えるという愚行。(二度目)
 …手ブロ仲間にごめんなさい。
愛変わらずの捏造5年です。
                        → おまけ
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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