二次創作、版権に絡んでおります。 やおいが分からない方、嫌いな方は訪れないことをお勧めいたします。申し訳ありません。 pc・携帯両用サイト。 (検索避けスミです)
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41歳健二さん!
…だよ?
12
棚から出したのはニトロ。
以前訪れたときから変ってなかった薬の置き場所を覚えていたのは幸いだった。
発作を起こした大奥さまの口腔を無理に開けさせて舌下へと含ませる。
「呑まないで、そのまま溶けるまでそこに置いておいてください」
これは舌下錠ですから。
ニトロの使い方くらいは知ってる筈の大奥さまにそう告げた。
発作時のときに朦朧とした意識では、つい使い方を間違えることもあるだろうから。
いつもの癖で呑みこまれては困る。
「―――落ち付きましたか?」
「ああ」
もう大丈夫だ。
肩でしていた呼吸は15分もすれば落ち着いた。
同じ屋敷内に陣内万作という大奥さまの三男坊にして栄の身体の主治医がいたことを思い出してはいたが、ギュっと強く健二の服の裾を掴んで首を振った大奥さまの意思に負けて薬が効きだすのをただ見ていた。
通常の大人としての正しい反応は異変を周囲に知らせるために叫び、人を寄せて救急車を呼ぶなり発作時の頓用薬を用意させるなりの行動を起こさせることであっただろう。
ましてや離れと本宅に分かれたといえども同じ屋根の下に医師がいるのだ。――呼ばぬ道理がどこにある。
…けれど。
跪いて己の胸を掴み薬を欲した大奥さまは、それでも健二が医師を呼ぶことは許さなかった。
「……何を考えていらっしゃいますか?」
健二は問うた。
彼女に詰め寄ったあの夏の日から同士となった、その人に。
発作の途中、顎を開けさせて薬を含ませたその瞬間にぎりりと健二を睨みつけて意思を通したその人に。
「――――貴女は生きる覚悟を捨てられるのですか? 」
医を捨てることは死を覚悟したものが選ぶ道の一つ。
生の終え方を選択した人間の選択肢の一。
「……健二さん。ちょいと付き合わないかい?」
久しぶりに相手しておくれよ。
口元を弧にして彼女は笑う。
「大奥さま」
「健二さんが私に勝てたら答えを教えてあげよう」
――勝負だよ。
彼女が最後に手にしたのは―――花札だった。
「ちょ。―――マジかよおい…」
頭がいてえわ。
つい呟いたのは許してほしい。
世界の、いや我らが上田の地へと人工衛星「あらわし」が予定外に墜落するまでの時間は10分と少し。
だというのに、つい昨日解析して把握していたはずのOZのパスワードは改変されていた。
よくよく考えれば当然のことだったのだが。
一般的に考えれば携帯を落としたり紛失したら契約会社に連絡して止めるだろう?携帯電話。
それと一緒で、OZを我がものとしていたいラブマシーンが一度俺に使用されてしまったパスワードを放置なんかしねえってことだ。
まあ俺でも変えると思うわ、そんな他人の手垢のついた鍵の言葉。
でもなあ…。
「時間がねえときにこれやられると萎えるんですけど…」
ため息が出た。
そして。
ばんっと背中を叩かれた。
「しゃんとしやがれ! 俺たちがついてる!!」
勢いよくそう告げたのは、俺に罪を告げた太助の息子。
「キミにしか解けないんだろ、これは!」
そして、――貴女の三番目の息子。―――万作さんだった。
「――頼むっ!」
最後に告げた相棒の声には、万感の願いがこもっていたように思う。
画面の隅で心配げに見つめている敬と、たぶん有線で聞いている悪友たちを思いながらシャーペンを握りしめた。
「任せなさい!」
さあ、この手のなかで新しい鍵を作ろう。
未来のために。
過去のために。
――今を繋ぐ、魔法の言葉を。
求めるものは鍵の言葉。
―――――――→ 13 へ
…ルビウチしたい。
某所の機能が恋しい御紋。
「鍵の言葉」に「キィワード」とルビ打ちたいのは私だけですか。(涙)
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映画「サマ―ウォーズ」が大好きです。
健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。
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