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サーチ様では、今月再開と表示しました^^;



 ということで、前哨戦で…。
 嫁入りカズケン再開前に、上げずにいた番外を上げてみました。
 だから、オリキャラ多いんだってばああああ。 ( 号泣 )


 「政略結婚に異議あり! 」            好き?




「政略結婚に異議あり!」‘⑭   ☆ 和国の兄妹

                            2010.04.12.

 

 

 

 とんとんとん。

「よ?夏希。ご機嫌いかがー?」

 キイっと開かれた扉を通るのは、大きな花束を抱えた成人男子。

「―――健文(たけふみ)兄さん」

 不機嫌そうに答えたのは和国の姫君(本物)の夏希だった。

「ほいっ!! 夏希の好きなお花だよーん。 お慰みになったかーい?」

 にっこにっこにっこ。

 左分けの前髪。左目の下にちょこんとある黒子がセクシーだと巷では有名らしい。

 ――やめときなさい、奴は女たらしよ。

 何人の女の子たちに言ってきたことか。

「――え?なに?夏希さん。その大きなため息はなんなんでしょうか?」

 思わず出てしまったため息に、兄の一人である健文が突っ込んできた。

「――妹に花もって見舞いに来る兄のスキルに呆れただけよ」

 この方法でどれだけの女の子を落としてきたのか。

 7つ年上の次兄に向かって、どうどうと言ってのける女傑な性格は変わらないようだった。

「うわあ、ひっどいねえ。――軟禁状態にされてる可愛い妹を慰めに来た心優しい兄に向かって、それを言うかー?」

「五月蠅い」

 

 見事に今の夏希の地雷を踏みぬいた兄(25)だった。

 

 

 

 

 

 即行で弟コンプレックスも極まった夏希が、父である国王に喰ってかかった後、夏希は軟禁状態の身となった。

「――今のそなたでは国のためにはなるまい。―――いつか、おまえにもわかる日が来る」

 そう言って、娘を軟禁させた父に、夏希は怒りを通り越して、諦めを感じた。

 国、国、国。―――では、その中には私たち家族は入ってはいないのですか、と。

 

「馬鹿正直だねえ、夏希」

 そう言ったのは目の前にいる健文兄だ。

「――俺達は、腐っても王族だよ。――そして、あの人は国王だ」

 比重が違うよ。

 こぽこぽこぽ。

 勝手に紅茶を入れてティータイムを始めた兄はそう語った。

「健二は、大丈夫だよ」

 ――新しい入室者がそれに追随した。

「たか兄ィ!」

「――――健司(たかし)お兄様」

 右分けの前髪。黒髪の下には健文と同じ顔がそろっている。――違うのは髪型と黒子の有無だけだという、和国の皇太子。――双子の兄の方割れ。

「―――あの子には、敬がついている。―――大丈夫だ」

「敬ちゃんか―。まあ、なんとかなりそうだよねー」

 なにしろ、尊(みこと)ちゃんの妹だしー。 

 兄嫁の名前は尊(21。子持ち)である。――趣味は…いろいろ。

「―――ウチの嫁も言ってたよ? これくらいの仕事もこなせないような女に育てた覚えはないって」

 ははははは・

 乾いた笑いが、次兄と長女の間で零れた。

 長男の嫁は、怖ろしいのだ。

「で? ――お二人は、なにをしにいらしたわけですか?」

 短気を起こして軟禁された妹を笑いに来たのですか?

「まさか」

「そんなわけないだろう?」

 双子の神秘か、同じ表情で答えてきた。

 

 

 

「「――――可愛がりに来ただけだよ?」」

 

 

 

 ――――此処に剣があったら、三枚に叩き下ろしてくれるのに。

あるいは、重ねて四つ切にしてくれる。

 七つ上の双子の兄たちの言葉に、純粋な殺意を感じた夏希だった。

 

 

 

 

 

 

 

「まあ、もう少ししたら、この軟禁状態も終わるよ」

 皇太子である、健司が言った。

「ええ? なんで?」

 言葉で疑問を投げかけたのは、二男の健文。

「……」

 視線で疑問を浮かべたのは、長女の夏希だった。

 愛する弟妹の疑問に答えたのは、笑顔の長兄。

「そろそろ赤字がひどいらしい。夏希に稼いでもらいたいってことらしいよ」

 うちは万年貧乏だからねえ。

 ―――そう云う理由かよ。

 クエスチョンマークが、呆れにかわった瞬間だった。

「OMC王国の御前試合も始まる頃だよ」

 そんな弟妹を気にせずに、健司はさらりと語った。

「!!」

「え? 行かせてくれるかなあ? 」

 健文が首をかしげた。

「あそこは、傭兵王国だからね。――賞金がそれなりにでかい」

 我が国の財布を司る連中が送りこませようとするでしょ。

「「……」」

 若干、納得したのはどうしようもない。

「夏希。……簡単なことだ。――――自分で見てくるといい」

 

 キミの目で見て、キミの声で聞き、キミの肌で感じておいで。

 ―――何が最良の策であるのかを。

 

 笑顔で健司は言った。

 そして。

 座ったままの夏希を見下ろすようにして。―――冷たく微笑んだ。

 

「―――不満しか語らぬものに、王族の名を語らせる気はないよ?」

 

「~~」

 怖っ!!

 健文が震えて見せた。

「―わかっています」

 久しぶりに見た兄の凍る目つきに、夏希はようやく応えた。

 幼いころの長兄は、読書だけが生きがいだった。

 次兄も、人の輪こそは作るが、政治に関心は持たなかった。

 そんななか、夏希が生まれて目のない連中が噂した。

 夏希が男子であったなら、と。

 笑うしかない。

 ―――皇太子? この兄を押しのけて?

 出来るはずがない。

 この人ほど皇太子にふさわしい人などいないのに。

「――お兄様を敵にまわすことなどしませんわ」 

 私は、自分が可愛いから。

 空気が変わった。

「いい子だね」 

 ほんわかと優しい笑顔で、―――和国の次代の国王は微笑んだ。

 まだ父も分かってはいまい。

 

 ――――この兄が持つ、磨かれた牙の存在を。

 

 

 

 

 

「―――タカ兄って、どう考えても二重人格だよね」

 小声で健文が言った言葉には、ぜひ頷きたい夏希だった。

 

                               …To be CONTINUE  by御紋

 

 …キャラ、多いよね。このお話。―――オリキャラも多いよね。^p^


 

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健二さん至上主義。カズケン信者。栄さま神格化傾向あり。――――――です(笑)。

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